四日目の朝。
僕と光おねえちゃんは未開の地である拠点の西へ足を踏み入れた。
目的は転移者探しである。
「あれは、ハーピーかな」
鳥の体に人の顔が乗っている魔物。
そのハーピーの顔は――老婆である。
「ハーピーってもっと可愛らしい魔物だったような」
「そんな記憶があるけど異世界では違うんだね」
さっきから熱心に食べているのは野生動物の死体のようだ。口元が血にまみれ、老婆の顔が更に醜悪なものになっている。
周囲に他の魔物がいる気配はない。
耳を澄ますが、くちゃくちゃと耳障りな咀嚼音が聞こえてくるだけだ。
森の中で周辺は木が密集している、攻撃に気づいても真っ直ぐこちらに飛び込むということはないだろう。逃げ出すとしたら上か。
ハーピーは食事中だ。時折、周囲を確認しているようだが、こちらにはまだ気づいていない。僕が『気』で気配を殺し、手を握っているので光おねえちゃんもその影響下にいる。
手を放せば効果が無くなるので、別行動は取れないのが難点。
「いきます」
光の『風魔法』がハーピーへと突き進む。
かなりの速度が出ているので、聴覚が優れているのか素早く反応し、宙に浮くが風で切り裂かれ、ハーピーの翼はズタズタにされ、地面に墜落した。
生命力が高いようで、息絶えるまでにはいかず、僕が止めを刺した。
「ギャワアアアアアアアア!」
血にまみれた老婆の口から絶叫が放たれた。
その後も西に進みながらハーピーの群れや鳥に何匹も遭遇するのだが、光の『風魔法』によって、翼がズタズタにされ地面に墜落し、ハーピーたちは、なすすべもなく倒れた。鳥に関しては、僕や光おねえちゃんが一撃で倒したけどね。
「ハーピーが老婆って」
「顔が老婆だけじゃないかな」
光がハーピーへの幻想を打ち抜かれたようだ。
「助けて」
僕たちの会話を遮ったのは、甲高い悲鳴だ。
「今のは・・・?」
僕たちは、顔を見合わせた。
どちらともなく頷くと
「助けよう!」
「ええ!」
僕と光おねえちゃんは、悲鳴が聞こえたほうに進む。
次
僕と光おねえちゃんは未開の地である拠点の西へ足を踏み入れた。
目的は転移者探しである。
「あれは、ハーピーかな」
鳥の体に人の顔が乗っている魔物。
そのハーピーの顔は――老婆である。
「ハーピーってもっと可愛らしい魔物だったような」
「そんな記憶があるけど異世界では違うんだね」
さっきから熱心に食べているのは野生動物の死体のようだ。口元が血にまみれ、老婆の顔が更に醜悪なものになっている。
周囲に他の魔物がいる気配はない。
耳を澄ますが、くちゃくちゃと耳障りな咀嚼音が聞こえてくるだけだ。
森の中で周辺は木が密集している、攻撃に気づいても真っ直ぐこちらに飛び込むということはないだろう。逃げ出すとしたら上か。
ハーピーは食事中だ。時折、周囲を確認しているようだが、こちらにはまだ気づいていない。僕が『気』で気配を殺し、手を握っているので光おねえちゃんもその影響下にいる。
手を放せば効果が無くなるので、別行動は取れないのが難点。
「いきます」
光の『風魔法』がハーピーへと突き進む。
かなりの速度が出ているので、聴覚が優れているのか素早く反応し、宙に浮くが風で切り裂かれ、ハーピーの翼はズタズタにされ、地面に墜落した。
生命力が高いようで、息絶えるまでにはいかず、僕が止めを刺した。
「ギャワアアアアアアアア!」
血にまみれた老婆の口から絶叫が放たれた。
その後も西に進みながらハーピーの群れや鳥に何匹も遭遇するのだが、光の『風魔法』によって、翼がズタズタにされ地面に墜落し、ハーピーたちは、なすすべもなく倒れた。鳥に関しては、僕や光おねえちゃんが一撃で倒したけどね。
「ハーピーが老婆って」
「顔が老婆だけじゃないかな」
光がハーピーへの幻想を打ち抜かれたようだ。
「助けて」
僕たちの会話を遮ったのは、甲高い悲鳴だ。
「今のは・・・?」
僕たちは、顔を見合わせた。
どちらともなく頷くと
「助けよう!」
「ええ!」
僕と光おねえちゃんは、悲鳴が聞こえたほうに進む。
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