ドッペルゲンガー。
ミアが口走った名前がこのモンスターの正式名称になった。
啓子さんの提案で、ドッペルゲンガー狩りが始まった。高等部組と育芸館組、全員の腕にナイフで筋を入れ、赤い血が出れば合格だ。僕も腕に傷をつけて、赤い血を流したので問題なかった。
「・・・ん・・・ぁ・・・」
リーンさんが熱心に僕とハクカの血を見ていた。
「あの・・・リーンさん?」
「・・・え・・・あ・・・・ごめんなさい」
「・・・・・うん」
結果、高等部組に入り込んでいたドッペルゲンガー2体を退治した。
正確に言えば、拘束される前に逃げ出そうとした彼らが、それもかなわぬとわかると自殺した。
「カズさんたち、戻ってこない」
長月さんが、ぽつりと言う。
リーンさんが言うには、使い魔の鷹が殺されたことは確実らしい。
「ほかの鷹を、学校の山に送ります」
リーンさんがそう告げてくれたおかげで、パニックになりそうだった育芸館の子たちが静まってくれた。
「このドッペルゲンガーってモンスターが、光の民の間にも浸透している可能性は」
「充分に考えられます。早急に対応いたします。申し訳ありませんが、数名、わたくしの護衛としてきていただけますでしょうか」
「はいはーい、私に任せて!」
啓子さんが手を上げた。
「僕も護衛に出るよ。聞きたいことがあるしね」
「聞きたいこと?」
「いや、何で驚いていたのかと思ってね」
「そういえばそうだね」
僕とリーンさんと啓子さんとハクカは、歩きながら聞いていた。
「そういうことですか。アキ殿とハクカ様には信じられないほどのマナがあったためです」
「マナ?」
「マナとは、生命の源のひとつとお考えください」
「それが僕たちに大量にあったと」
「はい」
「マナが大量にあるってことで何か問題ある」
「生きていくぶんには不都合はありません。問題は、そのマナを狙ってモンスターが狙ってくる可能性があることです」
「・・・・人間が襲ってくる可能性あるの?」
「ないわけではありませんが、人間がそのマナを利用するには、限られたものだけです。大抵は、マナ・ストーンで十分、賄えるのです。それに世界樹などを使えばマナは事足りますので、わざわざリスクを侵して、襲う可能性はほぼ皆無でしょう。その点は、ご安心ください」
僕とハクカは、ホッとする。
次
ミアが口走った名前がこのモンスターの正式名称になった。
啓子さんの提案で、ドッペルゲンガー狩りが始まった。高等部組と育芸館組、全員の腕にナイフで筋を入れ、赤い血が出れば合格だ。僕も腕に傷をつけて、赤い血を流したので問題なかった。
「・・・ん・・・ぁ・・・」
リーンさんが熱心に僕とハクカの血を見ていた。
「あの・・・リーンさん?」
「・・・え・・・あ・・・・ごめんなさい」
「・・・・・うん」
結果、高等部組に入り込んでいたドッペルゲンガー2体を退治した。
正確に言えば、拘束される前に逃げ出そうとした彼らが、それもかなわぬとわかると自殺した。
「カズさんたち、戻ってこない」
長月さんが、ぽつりと言う。
リーンさんが言うには、使い魔の鷹が殺されたことは確実らしい。
「ほかの鷹を、学校の山に送ります」
リーンさんがそう告げてくれたおかげで、パニックになりそうだった育芸館の子たちが静まってくれた。
「このドッペルゲンガーってモンスターが、光の民の間にも浸透している可能性は」
「充分に考えられます。早急に対応いたします。申し訳ありませんが、数名、わたくしの護衛としてきていただけますでしょうか」
「はいはーい、私に任せて!」
啓子さんが手を上げた。
「僕も護衛に出るよ。聞きたいことがあるしね」
「聞きたいこと?」
「いや、何で驚いていたのかと思ってね」
「そういえばそうだね」
僕とリーンさんと啓子さんとハクカは、歩きながら聞いていた。
「そういうことですか。アキ殿とハクカ様には信じられないほどのマナがあったためです」
「マナ?」
「マナとは、生命の源のひとつとお考えください」
「それが僕たちに大量にあったと」
「はい」
「マナが大量にあるってことで何か問題ある」
「生きていくぶんには不都合はありません。問題は、そのマナを狙ってモンスターが狙ってくる可能性があることです」
「・・・・人間が襲ってくる可能性あるの?」
「ないわけではありませんが、人間がそのマナを利用するには、限られたものだけです。大抵は、マナ・ストーンで十分、賄えるのです。それに世界樹などを使えばマナは事足りますので、わざわざリスクを侵して、襲う可能性はほぼ皆無でしょう。その点は、ご安心ください」
僕とハクカは、ホッとする。
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