会議のあと、中等部の拠点にいって、集めてあった武器防具をハード・ウェポンとハード・アーマーで強化した。
付与魔法がランク9になったいま、これで多少は皆の生存能力が向上すれば嬉しいのだけれど……。
「ジェネラル相手ならレベル15以下の人間は重傷は負うけど、生き残ることができる」
「よくわかるな」
「今日のオーク掃討戦のときにな」
「なるほど」
なお、今日の戦いで中等部の死者はゼロだった。
でもそれは、ただ運がよかっただけにすぎない。
「合計で、高等部の死者は2人か」
「もともとの数がわたしたちより多いし、ほとんどの人員が戦闘に参加しているとはいえ……彼らの士気も心配ね」
「どうだろう。二日目まででさんざん、知り合いの死ぬ様子を見てきたんじゃないか」
志木さんは少し考えたあと、首を振って「そうね」といった。
和弘を見つめた。
「な、なんだよ」
「ううん、カズくんは強くなったな、って」
「……なんのつもりだよ」
志木さんは、にやりとする。
「お御輿さんのリーダーは、いい気にさせておくに限るわ」
「本音が出過ぎだろ!」
ルシアがくすくす笑った。
その後、暗い町のなかを歩いていると、志木さんがいた。
おまけに志木さんを観察している人間とそれを観察している人間がいた。
怪しいな。
というわけで、志木さんをいつでも助けられる場所まで移動する。
志木さんと僕までの距離はおよそ200mである。
僕は、ミアから借りた双眼鏡でのぞき見る。
大樹の脇に作られた広場で志木さんが男たちに囲まれた。
相手は、屈強の男性の人間が6人。
男たちが剣を抜く。
僕は、マイティ・アーム、フィジカル・アップ、ヘイスト、アクセルをかけると一直線に志木さんの下に向かう。
「どこへ・・・・」
志木さんが言い終わる前に
シュ
鞘がついたままの剣を振りぬく。
バタバタ
と男6人が吹き飛ばされ倒れた。
「アキ君」
志木さんが驚く声を上げた。
「志木さん、大丈夫だった」
「ええ」
彼らの実力は武器ランク2かな。
「そろそろ出てきてもよろしいですよ」
志木さんが言う。
「どうして拙者たちの陰形術を見破れたでござるか」
結城先輩と啓子さんが暗闇の中から出てきた。
「わたし、偵察スキルだけは高いですから」
「彼ら、どうするんですか?」
「他のものに任せるでござるよ」
結城先輩が指をはじくと、暗闇から黒ずくめの男たちが現れた。耳が猫だったり犬だったりするから、リーンさんの部下なのだろう。
「何でこの人たち、忍者装束なの」
「拙者がぜひともと薦めたでござるよ。優れた機能性ゆえ大変に喜んでくれた出ござる。一流は一流をしるでござるな」
え、忍者装束って機能的なのか?
僕は、育芸館組と自分の家の守りを固めることにした。
「・・・というわけだけどいいよね?」
「MPに余裕はあるのかしら?」
「ある。10分もすれば回復する」
「私、あなたたちの今のレベルとスキル聞いたことなかったわ」
「話す機会がなかったからね。それでも和弘よりレベル下だからね。その上、和弘には専従契約があるからね」
「最強の座は揺るがないわね」
僕と志木さんは、連れ立って銭湯を目指す。
銭湯は、ちょうど、育芸館組が帰ろうとしているところに出くわした。
「志木さん、アキ君・・・会議は終わってんですか?」
「ええ・・・終わったわ。これからお風呂に入ろうと思ってね」
僕と志木さんはお風呂に入ることにした。
本日、2度目であるが汗をかいたのだから仕方ない。
お風呂から上がり、志木さんの湯上り姿に胸をドキドキしつつ、レギオンを召還して、志木さんの命令に従うようにお願いした。
「今日は、ありがとうね」
志木さんの笑みに見惚れながら、帰宅を見送った。
コテージの居間のソファで、ハクカとアリハが眠っていた。
アカネは、自室のベッドで眠っているようだ
「・・・?何で、アリハがここに」
しっかりものの彼女が、ここで寝ていることに違和感を覚えた。
どうやら、コテージの改良をしないといけないようだ。
今日のところは、ハクカの自室で寝かせることにした。
アリハを抱き上げ、ハクカの部屋で寝かせることにした。
僕は、最後にハクカを抱き上げ、自分の部屋で寝ることにした。
ベッドに転んで目を閉じるとまたたく間に眠気が襲ってきた。
こうして、終末を予言された四日目が終わりを告げる。
ぼくたちは予言を覆した。
世界は、明日も続く。
そして……。
未知の五日目が来る。
すべての常識が覆る、驚天動地の世界が、始まろうとしていた。
次
付与魔法がランク9になったいま、これで多少は皆の生存能力が向上すれば嬉しいのだけれど……。
「ジェネラル相手ならレベル15以下の人間は重傷は負うけど、生き残ることができる」
「よくわかるな」
「今日のオーク掃討戦のときにな」
「なるほど」
なお、今日の戦いで中等部の死者はゼロだった。
でもそれは、ただ運がよかっただけにすぎない。
「合計で、高等部の死者は2人か」
「もともとの数がわたしたちより多いし、ほとんどの人員が戦闘に参加しているとはいえ……彼らの士気も心配ね」
「どうだろう。二日目まででさんざん、知り合いの死ぬ様子を見てきたんじゃないか」
志木さんは少し考えたあと、首を振って「そうね」といった。
和弘を見つめた。
「な、なんだよ」
「ううん、カズくんは強くなったな、って」
「……なんのつもりだよ」
志木さんは、にやりとする。
「お御輿さんのリーダーは、いい気にさせておくに限るわ」
「本音が出過ぎだろ!」
ルシアがくすくす笑った。
その後、暗い町のなかを歩いていると、志木さんがいた。
おまけに志木さんを観察している人間とそれを観察している人間がいた。
怪しいな。
というわけで、志木さんをいつでも助けられる場所まで移動する。
志木さんと僕までの距離はおよそ200mである。
僕は、ミアから借りた双眼鏡でのぞき見る。
大樹の脇に作られた広場で志木さんが男たちに囲まれた。
相手は、屈強の男性の人間が6人。
男たちが剣を抜く。
僕は、マイティ・アーム、フィジカル・アップ、ヘイスト、アクセルをかけると一直線に志木さんの下に向かう。
「どこへ・・・・」
志木さんが言い終わる前に
シュ
鞘がついたままの剣を振りぬく。
バタバタ
と男6人が吹き飛ばされ倒れた。
「アキ君」
志木さんが驚く声を上げた。
「志木さん、大丈夫だった」
「ええ」
彼らの実力は武器ランク2かな。
「そろそろ出てきてもよろしいですよ」
志木さんが言う。
「どうして拙者たちの陰形術を見破れたでござるか」
結城先輩と啓子さんが暗闇の中から出てきた。
「わたし、偵察スキルだけは高いですから」
「彼ら、どうするんですか?」
「他のものに任せるでござるよ」
結城先輩が指をはじくと、暗闇から黒ずくめの男たちが現れた。耳が猫だったり犬だったりするから、リーンさんの部下なのだろう。
「何でこの人たち、忍者装束なの」
「拙者がぜひともと薦めたでござるよ。優れた機能性ゆえ大変に喜んでくれた出ござる。一流は一流をしるでござるな」
え、忍者装束って機能的なのか?
僕は、育芸館組と自分の家の守りを固めることにした。
「・・・というわけだけどいいよね?」
「MPに余裕はあるのかしら?」
「ある。10分もすれば回復する」
「私、あなたたちの今のレベルとスキル聞いたことなかったわ」
「話す機会がなかったからね。それでも和弘よりレベル下だからね。その上、和弘には専従契約があるからね」
「最強の座は揺るがないわね」
僕と志木さんは、連れ立って銭湯を目指す。
銭湯は、ちょうど、育芸館組が帰ろうとしているところに出くわした。
「志木さん、アキ君・・・会議は終わってんですか?」
「ええ・・・終わったわ。これからお風呂に入ろうと思ってね」
僕と志木さんはお風呂に入ることにした。
本日、2度目であるが汗をかいたのだから仕方ない。
お風呂から上がり、志木さんの湯上り姿に胸をドキドキしつつ、レギオンを召還して、志木さんの命令に従うようにお願いした。
「今日は、ありがとうね」
志木さんの笑みに見惚れながら、帰宅を見送った。
コテージの居間のソファで、ハクカとアリハが眠っていた。
アカネは、自室のベッドで眠っているようだ
「・・・?何で、アリハがここに」
しっかりものの彼女が、ここで寝ていることに違和感を覚えた。
どうやら、コテージの改良をしないといけないようだ。
今日のところは、ハクカの自室で寝かせることにした。
アリハを抱き上げ、ハクカの部屋で寝かせることにした。
僕は、最後にハクカを抱き上げ、自分の部屋で寝ることにした。
ベッドに転んで目を閉じるとまたたく間に眠気が襲ってきた。
こうして、終末を予言された四日目が終わりを告げる。
ぼくたちは予言を覆した。
世界は、明日も続く。
そして……。
未知の五日目が来る。
すべての常識が覆る、驚天動地の世界が、始まろうとしていた。
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