ケイの転生小説 - 八男って72
 王都で冒険者修行が決まった翌日。
 パーティの準備を行い、リアと女性陣はドレスを購入していた。



 2日後。
 グレードグランド討伐&パルケニア草原解放&男爵就任パーティをザフト騎士家で行なった。
 招待客に変化はなかった。


 2日後
 ラングレー公爵家で、婚約パーティを行なった。

『このたび、わが娘のリアと竜殺しの英雄でもあるファブレ男爵が婚約をしました』

 ラングレー公爵家が自分たちの寄子でもある中級貴族と縁威の上級貴族と俺の縁威でもあるザフト騎士家やマイル騎士家とザフト騎士家とマイル騎士家の縁威の下級貴族家と彼らの寄親と派閥の長を含めて約140家ほど招待して、420人ほどで盛大に祝ったのであった。
 リアの服装は、華やかな水色を基調としたドレスと靴、俺がプレゼントをしたコーラルのペンダントを身に着けていた。
 俺はリアの手を繋ぎながら招待客に挨拶を交わしたりした。



 2日後
 俺は、魔道具を製作していた。

「まどうぐですか?」

「・・・うん・・・ああ」

 リアが、出来上がった魔道具を不思議そうに見ていた。

「ルークさんは、まどうぐしょくにんだったのですか」

「ああ・・・そうだ。見るか?」

「いいんですか?」

「構わないぞ」

 俺は、リアに魔道具を見せた。

「たくさん・・・あります」

 200種類以上の魔道具に驚いているようだ。

「今まで製作した魔道具だからな」

「6年は長いよね」

「まあな」

「おうりにだされないのですか?」

「今まで、後継者問題を避けるために売ってなかったからな。それと・・・製作する場合は、別の職人達が必要だからな。俺にその人脈がない」

「でしたら、お父様に職人の方をご紹介してもらってはだめでしょうか?」

「ラングレー公爵か」

「はい」

 俺は、少し考える。
 ラングレー公爵家が協力してくれるなら職人達の斡旋は何とかなるかな。
 ただ、慣習とかその辺があると少し不味いから

「・・・というわけです」

 困った時のローラン兄さんに相談である。

「貴族の慣例に従うのであれば、1、血族、2、婚約者、3、寄親の順番がよろしいかと思われます」

 ローラン兄さんに相談したらトガーさんが答えてくれた。

「血族ね」

 ファブレ騎士家を思い出す。

「家を出る際の援助金は出してないんだよね」

「はい」

「で、あれば協力要請は不要ですな。次に婚約者が優先ですな」

「ローランさんじゃないの?」

「ローランは、二親等に当たるので婚約者が優先ですな」

「ラングレー公爵家か」

「はい・・・次にザフト騎士家やマイル騎士家になりますな。最後は、ブライヒレーダー辺境伯家ですな」

「辺境伯か・・・たしか他家の利権を狙うのは、貴族にふさわしくないのではだっけ」

「・・・天地の森の件だね」

「はい」

「パーティメンバーの中にブライヒレーダー辺境伯家と縁威のものがおりますかな」

 イザベルを見ると

「私よね」

「・・・・利益をお分けになった方がよろしいかと思います」

「分かりました」

「ねえ、出来そう」

「う〜ん、ラングレー公爵家が用意できる職人の数にもよる。1日当たり最低でも180個ほど製作できるが、製作するものによっては、5万ぐらいに増えるんだよな」

 大よそ出来上がる製品に必要な職人の数を計算した。
 俺一人なら2302人ほどの職人が必要になるのだが『妖精人形』を稼動させた場合は、207万2303人ほど職人が必要になる計算だ。

 名称 妖精人形
 品質 最上級
 効果 木で作った妖精さんの人形。
    妖精のように魔道具を製作可能。
    錬金術士の1.5倍の力量を持つ。

「多いね」

「まあな・・・主に必要なのはガラス職人や木工職人や鍛冶師だな」

 俺達は、リアを見た。

「ラングレー公爵家だけでは足りないと思います」

「でしょうな・・・ラングレー公爵家が用意できる各職人とも最大で20人ですな。この場合は、派閥を利用なさるのがよろしいでしょうな」

「派閥ですか?」

「はい」

「ラングレー公爵家は、ラングレー公爵派閥に所属しております。ラングレー公爵が派閥のトップですな。次に我々、ザフト騎士家ですが、ルックナー侯爵派閥に所属しており、ルックナー侯爵家が派閥のトップですな。マイル騎士家は、アームストロング伯爵派閥になりますのでアームストロング伯爵家が派閥のトップですな」

「なるほど」

「貴族に頼む場合は、何かしら利益をご提示なされたほうがいいですな」

「・・・利益ね・・・」

「利益の種類としては、紹介された方々の給料の10%、あるいは商品代の10%だったりしますな」

「商品代の10%でいいかな」

「貴族によっては、確実に稼げる給料の10%という方もおられますな」

「安定性が目的なら前者で、大金が入手しやすいのが後者か」

「はい」

「後、職人以外にもルークの手足をなって動く人材が必要になるかな」

「・・・確かに俺の手には余りますね。会計と販売員か・・・後は、商人かな」

「ルックナー財務卿には、こちらで話しを通しておくよ」

「お願いします」

 俺は、リアとハクカを伴い、ラングレー公爵に話しを通した。

「・・・なるほど・・・そうなるとルックナー財務卿やアームストロング伯爵やブライヒレーダー辺境伯と連携した方がいいか」

「・・・そちらの方は、お任せします」

 新興貴族がまとめるより歴史ある公爵家がまとめたほうがうまくいくのだ。

「うむ・・・よかろう」

「それとラングレー公爵家にパルケニア草原の利権を10%ほど貸与します」

「・・・!」

「ファブレ男爵家は新興で困っていませんから」

「確かに人手余りとは無縁か」

 パルケニア草原の利権とは、農民などの管理役のことである。
 第1陣の農民の人数が100万人、商人・職人が20万人、下級役人が5万人、それらを管理する役付きが約5000人である。
 どの貴族家も人手余り現象が起きているので、5000人の役付枠はとても魅力的で、どの貴族家も必死になっているのだ。

 パルケニア草原解放に尽力した俺達は、管理する役人の優先推薦枠を持っているのだ。
 俺、ヴェル、導師、辺境伯でそれぞれ10%の割合を持っているのだ。10%なので500人の役人推薦枠である。
 ラングレー公爵家に50人の役人推薦枠を貸与したのだ。
 マイル騎士家やザフト騎士家やジュール騎士家にも同様に10%の推薦枠を貸与したのだ。
 余った推薦枠は、ラングレー公爵家に任せる予定だ。
 ラングレー公爵家に話しを通した後、ブランタークさんに話しを通した。

「・・・しかし、魔道具か・・・アティの弟子だけはあるな」

 俺は、ブランタークさんの言葉に笑みを浮かべた。

「ありがとうございます。ラトを通じてジュール騎士爵に手紙を出すので、魔道具製造に伴う職人について話し合ってもらえないでしょうか」

「分かったよ・・・しかし・・・魔道具の利権か・・・・お館様には伝えておく」

「お願いします」