それから3日後。
ブロワ辺境伯は、王都に到着したのであった。
事前に王都の屋敷の執事に情報収集を命じていたのだ。
翌朝。
「・・・というわけです」
「しかし対応が早いな」
「命の恩人にして、協力して古代竜のブレスから守った姫というのが吟遊詩人の御話で王国も否定はしておりません」
「婚約させるのにこれほど都合のいい話はあるまい」
「確かにそうですな」
「おかげで年齢や爵位から文句も言えぬな」
「バウマイスター準男爵はいかがなさいますか?」
「・・・そうだな。カルラとバウマイスター準男爵であれば、正妻になれるか」
「こちらには、接点がありませんが」
「分かっておる。お誂え向きにグレードグランド討伐がある」
「そこで、手を貸すのですな」
「ああ」
「しかしブライヒレーダー辺境伯家の家臣の娘たちという縁がありますが」
「確かにそうだ。だが、その娘は、汚点を残した」
「・・・それであれば他の貴族家も降ろしにかかると」
「他家にしてみれば邪魔なのも事実だ・・・一人は確実に落とせる」
ブロワ辺境伯は、更なる手を打つべく、動くのであった。
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