時はさかのぼり、ルークとヴェルが古代竜を浄化し、叙勲を受けた3日後。
各辺境伯領に古代竜を倒した英雄の話が伝わったのであった。
南部のブライヒレーダー辺境伯は、悔しそうにしていたが思考を切り替え、取り込む用意をしていた。
西部のホールミア辺境伯は、取り込むのは厳しいと考えていた。
東部のブロワ辺境伯では
「さて、古代竜の襲撃により、いくらかの領地が無主地帯となり、南部は混乱しているようだな」
「紛争でも仕掛けますか?」
「古代竜襲撃により混乱している南部に紛争を仕掛けるのは、汚名を背負うことになるだろう。であれば、英雄を取り込むのが定石であろう」
「しかし、中央が英雄を取り込むのが先では」
「古代竜襲撃で難民の大量発生・・・中央と南部の動きは、自然と封じられている。であれば、漁夫の利を狙えるかも知れぬな」
「年頃のご令嬢は、婚約者や既婚者ばかりですが、また婚約者がおられないご令嬢にいたっては、未だに幼いため取り込むのは難しいのでは?」
「カルラだ」
「カルラお嬢様をですか?」
「そうだ。実に都合が良かろう」
ブロワ辺境伯は、王都まで出向くことにしたのだ。
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