ケイの転生小説 - 八男って66−4
 時はさかのぼり、ルークとヴェルが古代竜を浄化し、叙勲を受けた3日後。
 各辺境伯領に古代竜を倒した英雄の話が伝わったのであった。
 南部のブライヒレーダー辺境伯は、悔しそうにしていたが思考を切り替え、取り込む用意をしていた。
 西部のホールミア辺境伯は、取り込むのは厳しいと考えていた。
 東部のブロワ辺境伯では

「さて、古代竜の襲撃により、いくらかの領地が無主地帯となり、南部は混乱しているようだな」

「紛争でも仕掛けますか?」

「古代竜襲撃により混乱している南部に紛争を仕掛けるのは、汚名を背負うことになるだろう。であれば、英雄を取り込むのが定石であろう」

「しかし、中央が英雄を取り込むのが先では」

「古代竜襲撃で難民の大量発生・・・中央と南部の動きは、自然と封じられている。であれば、漁夫の利を狙えるかも知れぬな」

「年頃のご令嬢は、婚約者や既婚者ばかりですが、また婚約者がおられないご令嬢にいたっては、未だに幼いため取り込むのは難しいのでは?」

「カルラだ」

「カルラお嬢様をですか?」

「そうだ。実に都合が良かろう」

 ブロワ辺境伯は、王都まで出向くことにしたのだ。