ケイの転生小説 - 八男って36
 外に出るとあたりは夕方のようだ。

「!!」

 木の上に害獣がいるので立ち止まった。

「キッ」

「キキッ」

「ウッキー」

「やっぱり猿か」

 俺は、魔力を込めて一気に殲滅することにした。
 どうやらヴェルも同じ事を考えたようだ。

「待って!」

 イーナが慌てて止めだした。

「害獣討伐は、私たちの勝負よ。ヴェルたちは見守ってて」

「あ。そうだったか」

 木の上の猿を観ながら

「まあ!数こそ多いけどたいした獣じゃないしいっか」

「唯一の問題は、農作物の被害が拡大しないかどうかだな」

「用意はいい」

「ええ」

「よーし、じゃあGO」

 4人が猿に向かっていった。

「ヤア」

 イーナが槍を一閃すると猿が慌てて上に跳んで逃げた。

「ハァ」

 茶髪の少女が槍を一閃して猿を討伐する。
 黒髪の少女が木の上に飛び上がり、サーベルを一閃して猿を切り裂く。

「なかなかやるなぁ」

「ああ」

「「なんだかなぁ」」

「ハァァ」

 カッ

 ルイーゼが目を見開き、木の上に飛び上がり

「ヤァ」

 猿を蹴り殺す。
 4人が猿を討伐している傍ら、俺とハクカは、猿を回収していく。



「ハァハァ」

「今のところ五分五分ね。もっと奥に進んでたくさん討伐するわよ」

 コクリ

「決定的に差をつけて、私たちの実力を皆に見せ付けなきゃ」

 2人は奥のほうに向かっていった。

 ガサッ

「出たわね。大物」

 茶髪の少女が笑みを浮かべて振り返ると

「ボス猿・・・かしら」

 大きな影が襲い掛かった。
 茶髪の少女に爪を一閃させ、左手を怪我させる。

「キャア!」

 黒髪の少女に爪を一閃させる。
 黒髪の少女がかわそうとするが、熊の攻撃が早くて、右足を傷つけられる。

「ハァ」

「ハァハァ」

 ジビラとイザベルは、恐怖で倒れていた。

「キャアアアア」



「なに?」

「今の声は」

 探知で様子を探るとイザベルとジビラが熊に襲われていることが判明した。

「・・・不味いな。ハクカ、リッド、ミュウ」

「うん」

 俺は、ハクカをお姫様抱っこしてむかう。
 リッドとミュウも急いで向かった。



 のそりのそり

 と熊が2人に向かっていく。

「ひっ」

「もうダメ」

 2人が目をつぶる。
 熊が手を振り下ろす瞬間。
 俺は、現場に駆けつけ、イザベルとジビラを魔法障壁で守りつつ、熊の首をウィンドカッターで刈り取る。

 ドサッ

「へ」

 熊が倒れ伏せた。

「ルーク」

「ハクカ」

 俺は、ハクカを降ろすとくまを回収した。

「大丈夫」

 ハクカが茶髪の少女に駆け寄り、左手を治癒していく。
 
「早かったわね」

「イーナとルイーゼか」

 2人が木の上から降りてきた。
 俺は。黒髪の少女に駆け寄ると右足の太ももを治癒していく。

「ルークって・・・魔法使いだったの」

「そうだが」

「知らなかったわ」

「お・・・無事か」

 エルたちもきたようだ。

「所で、勝負は、どうするんだ?」

「4人の討伐数は同じぐらいだから、引き分けぐらいか」

「・・・私たちのまけよ」

「いいのか?」

「ええ・・・悔しいけど、2人の実力は認めるしかないわ」