ケイの転生小説 - 八男って28
 ハクカと一緒の毛布で、寝ることになった。
 ハクカの柔らかな身体とほのかに香るサクラの匂いに俺の本能は、限界であった。
 そのため俺の理性とは裏腹に身体は、ハクカを抱きしめていた。
 
 ドクン ドクン

 心臓が激しく高鳴る。

 スースー

 と寝息が聞こえた。
 良く見ると安心しきった顔で寝ているハクカがいた。
 毒気が抜かれた俺だが、一度、火がついた本能を抑えるのに苦労しながら眠りについた。



 ハクカを抱きしめて寝た朝。
 ハクカが動く感じがしたので目を覚まし、ハクカと視線がかちあった。
 今の状況に気が付き

「・・・おはよう」

「・・・おはよう」

 ハクカの挨拶に何とか返せた。
 ハクカが朝食をつくるようだ。
 手伝う事を伝えたら運動でもしてきてといわれたのだ。
 素直に煩悩を発散するべき運動をした。



 今の季節は春。
 ブライヒブルクは大陸南方にあるので日本より暖かいけど、ファブレ騎士爵領よりは暖かいのかな?

 別の世界で生活することになって色々と大変だったけど、言語と様々な単位が日本と同じだったのは助かった。

 暦は一年が十二ヵ月で、すべての月が35日となり、一年が420日あるのが違うくらいであろうか?

 長さは、ミリ、センチ、メートル、キロ。

 重さも、グラム、キログラム、トン。

 時間も、秒、分、時間であった。

 曜日も月曜から日曜まであったし、日曜は安息日で基本はお休みとなっている。
 俺が無事にブライヒブルクにある冒険者予備校に入学し、友人もでき、早速授業などが始まったのだ。

「勝負よ」

 今日の授業は、模擬戦であった。
 そのため俺は、膝下まである緑の髪を赤いリボンで結んでいる赤いズボンと黄色の道着を着ている巨乳の美少女から勝負を仕掛けられた。

「・・・えっと・・・ユリアであっていたか?」

「ええ・・・そうよ」

 俺は、身体の魔力を制御しながら剣に魔力を纏わせ、了承した。
 ユリアが魔力で身体強化をしてこちらに迫ってきた。
 
 正拳突き

 を放ってきたので、右に避けてかわす。
 かわされるとすぐさま右足でけりを放ってきた。
 俺は、剣の腹で防御する。
 ぶつかる剣と拳

 キーン

 と音が響く。
 俺は、左手の拳をユリアに向けて放つ。
 ユリアがかわす。
 おかげで剣が自由になった。
 そのまま数分、剣と拳のぶつかり合いが始まり、お互い一歩も譲らない戦闘をしているとユリアが右蹴りを放ってきたので、剣を左手で持ち魔力を強めに纏わせた右手で蹴りを受け止め、

 ドーン

 ユリアの首筋に剣を突きつけた。

「降参よ。ルーク、強いのね」

「ユリアも強いな」

 他の人たちを見るとリッドは、膝下まである茶髪を白いヘアーバンドで結んでいる少女と戦闘をしていた。リッドと接戦しており、剣の技量はリッドに迫るものがあるが、戦闘経験と身体能力と魔力の扱いは、リッドが上のようだ。つまりリッドの方が有利である。
 ハクカのほうは、膝下まである小麦色の髪をポニーテールにしている薄紫色の瞳の綺麗系の美少女と一緒に治癒活動をしていた。

「次は、私がやりたい」

 ユリアとの勝負が終わり、次の対戦相手を探していると胸下まで伸びた白銀の髪、薄紫色の美少女が元気良く対戦相手になると言ってきた。ハクカの報告にあった

「・・・・ミュウちゃんだっけ?」

「ミュウでいいよ。ルークさん」

「ああ・・・俺もルークでいいぞ」

「うん」

 ミュウが長剣を構えた。
 俺も魔力を剣に伝えて構えた。
 次の瞬間、ミュウが駆け出してきた、そのまま前に跳んで剣を振り下ろしてきた。
 俺は、とっさに横切りをする。

 キーン

 剣と剣がぶつかる音がするが、拮抗は一瞬でミュウの身体は、5mほど吹き飛ばされた。

 シュ

 普通にミュウが着地した。
 再び駆け出すミュウ、俺は、地味に防御をしながらミュウの動きを見た。
 軽くて身のこなしのいい動きと剣の技量もある。

 キーン キーン

 なによりも魔力の扱いも心得ているようだ。
 剣に魔力を纏わせつつ、身体全体の魔力の流れが綺麗である。
 ただし戦闘経験は、俺と同レベル。
 俺は、ミュウと対戦しながら相手の力量を図っていた。
 それは、ミュウも同じで少しずつ速度を上げていきながら攻撃したりしながら俺の力量を見ていた。

「・・・強いね」

「・・・そっちもな」

 俺とミュウが少しだけ汗をかきながら言う。
 勝敗は、授業が終了したので引き分けである。