ケイの転生小説 - 八男って22
 ブライヒブルクに到着して4ヶ月の月日が経っていた9月のある日。
 ハクカの母親がハクカの誕生日を知らせてくれたおかげで、お祝いすることに決めたのだ。
 当然ながらケーキ類や料理は、ブライヒブルクで購入したのだ。

「お誕生日おめでとう、ハクカ」

「ありがとう、ルーク」

「プレゼント」

 ボクは、ハクカに木箱を手渡した。

「開けていい」

「ああ」

 ハクカが木箱を開けると

「・・・・・・・リボン」

 ピンク色の長いリボンが2つである。

「・・正直、何をあげればいいか分からなかったからな」

 ハクカがリボンを手に取ると

「・・・・あ・・・」

 ハクカが驚いた顔をしていた。

「そのリボンは『フォルメル織布』を使ったものだ」

「フォルメル織布?」

 ハクカが疑問の声を上げた。

「錬金術で作れる布だな」

「そんな布あったんだね」

「ああ・・・ハクカに会う前に作った錬成具だから、知らないのは無理ない」

 名前 フォルメル織布
 品質 最上級
 説明 丈夫で肌触りのいい高級布

 『フォルメル織布』を『鑑定』した結果がこれである。
 ハクカが、髪にリボンを結んだ。

「・・・似合う」

「ああ、似合っているよ」

 ハクカがピンクのリボンでツインテールにしていた。

「ありがとう、ルーク」

 ハクカの笑みに見惚れながら頷くのであった。

「「いただきます」」

 俺達は、料理を食べることにした。

「おいしい」

「ああ」

「でも、お母さんの料理に似ているような」

「マユさんの手料理だからだぞ」

「・・・これ、お母さんが」

「ああ・・・実家にあった料理本を貸したら作ってくれた」

 そんなこんなで俺は、ハクカの誕生日を祝い、夕食のせきでハクカが母親に誕生日を祝われたらしい。



 それから数ヵ月後。

「入って」

「ああ」

 俺は、ハクカに手を握られて俺が作った土の家に入った。
 玄関に入ってすぐのところにテーブルの上に料理が並んであった。

「お誕生日おめでとう」

「ありがとう」

 俺の誕生日にハクカが祝ってくれた。

「・・プレゼント・・・はい」

「ありがとう」

 ハクカが俺にくれたプレゼントは、星の根付であった。
 どうやら剣に取り付けるタイプの物らしい。

「「いただきます」」

 料理を食べてみると

「ところで、この料理、ハクカが作ったのか」 

「うん」

「・・・美味しいよ」

「・・・う〜ん、まだお母さんには及ばないよ」

「さすがに経験が違うと思うよ」

 ハクカが俺の魔道具製作の傍ら、料理を作っているようだが、簡単には母親の味に追いつけないようだ。現在のハクカの料理の腕前は、中級クラスである。