ケイの転生小説 - 八男って11
 魔力操作を終えると剣術の指導をしてくれた。
 僕の剣術の師匠は、いないためありがたく指導を受けた。

「剣の構え方は、こうです」

 先生が手取り足取り教えてくれた。

「後は、魔力を一般人並に抑えながら魔力循環の速度を上げながら振ってください」

「はい」

 剣を振りながら魔力量を一定量に抑えながら魔力循環の速度をあげるのは、難易度が高かった。

「魔力循環の速度を上げる利点が何か分かりますか?」

「利点ですか?本には、威力と発動速度が上がると書かれていました」

「はい、正解です。循環の速度を上げると魔法の発動速度が早くなるのはもちろん一度に扱える魔力が増えるので結果的に威力が上昇します。副次効果として、魔力が隅々まで行き渡る関係で身体能力が上昇します」

 剣術の次は魔法であった。
 魔力を意識しながら中級魔法を放った。

「さて、次は錬金術に行きますよ」

「はい」

 先生から最初に教わった錬金術は『蒸留水』の作り方であった。
 先生からいろいろな場所の水を汲んでくるように言われた。
 井戸の水や川の水を汲んできた。

「では、今から蒸留水を作ってみましょう」

 フラスコに上部にかぶせる管のついた蓋をつけ、その蓋のガラス器具は受け用のフラスコに繋がっている。
 先生の指示に従いながら、僕は、川の水をフラスコに入れ、魔力を一定量、流した。
 次第にフラスコの周りに気泡ができ始め、それがだんだん大きなものになる。
 水蒸気が立ちこみはじめ、蓋の部分に水滴が溜まり、受け用のフラスコに流れていく。
 しばらく経って、あらかた受け側に移動した。

「そこまで」

 魔力を流すのをやめた。
 そして、両方のフラスコに入った水を見比べてみた。

「おめでとうございます」

「はい」

 先生に頭を撫でられた。
 少しくすぐったいが受け入れた。
 昼食だが、先生に料理を教わり、ほうれん草を切ったりした。

 出てきた料理は、ご飯、玉ねぎスープ、肉野菜炒め、キンピラゴボウ、ほうれん草のお浸し

 どうみても中華と和食であった。
 ただし量が明らかに多い。
 おおよそ40人前ぐらいである。

「多いですね」

「魔法使いというのは、魔力消費量が大きいほどエネルギーを使います。そのため、消費したエネルギーを補うために大量の料理を食べます」

 この世界で転生した初めて食べた和食に

「美味しい」

「よかったです」

 感動しながら全て食べた。