「今度は砂浜か」
闇に落ちた僕が目を覚ましたのは、澄み渡る太陽の下、透き通る水がどこまでも広がる美しい砂浜の上だった。砂浜の上には、剣や何かの手帳や買い物袋などがあった。
「もしかして、僕の持ち物かな」
砂浜に散らばった持ち物を拾い上げる。だが剣が重かった。
「もしかして、剣が振れない?」
普通に持つと振れなかった。
剣を地面につきたてる。
ポテ
と砂浜に倒れた。
今は、剣よりも闇に落ちる寸前に頭へ押し込まれた知識の中にスキルやステータスは手帳で確認できるという情報があり、僕は迷うことなくそれを開いた。
姓名 狭間 秋
性別 男
年齢 10
身長 140
レベル1
残りポイント 620P
筋力 ( 7) 7
頑強 ( 5) 5
素早さ(12)12
器用 ( 6) 7
柔軟 (15)15
体力 ( 8) 8
知力 ( 6) 6
精神力(12)12
運 ( 5) 5
となっていた。
括弧内は、本来の自分能力で隣の数字がステータスにポイントを割り振った今の値ということになる。
次はスキルの確認だ。
『筋力』1『頑強』1『素早さ』1『器用』1『柔軟』1『体力』1『知力』1『精神力』1『運』1
『剣術』1『槍術』1
『気』1
『第6感』1
『消費軽減』1
『説明』1
ここまでは間違いない。
直前になってから決めたスキルがあった。そのスキルとは『ヒトミ』である。
『ヒトミ』:ヒトミを向上させる。
おそらく視力を向上させるもののはずだ。その証拠に、よく周囲が見えるしね。
お次はアイテムの確認だ。
『鋼鉄の剣』
『飲食料1週間分』
「スキルは確か頭に思い浮かべるか、口にすれば発動するだったかな?」
僕はステータススキルをレベル2にしてから立ち上がると尻の砂を払った。
僕が立ち上がると海から五匹の魚人が現れ、こちらに熱い視線を注いできていた。
だが、嬉しくない。
口をパクパクさせているだけで、声を発することすらできなそうだ。
いやな予感がしつつも話しかけることにした。
「・・・もしもし・・・」
ヒュン
「って、うわっ!」
僕が話しかけている最中に、この魚人がいきなり攻撃してきた。
慌てて、後ろに下がり、砂浜でこけた。
魚人は半円状に取り囲んできた。
前方の三体からの攻撃を慌てて避け、左にいた魚人が突き出した槍を避けた。
そして、僕は、手に持っていた剣を構える。
左後方にいる魚人に向かっていった。
慌てて、3匹がこちらに向かってくるが、割と遅かったので斬りつける。
「・・・うっ・・・・」
斬った感触にウヘとなるが、これは魚である。
これは、魚であるとごまかしながら、今度はこちらに向かってきた3匹の魚人を迂回しながら、砂を投げつける。
魚人は、目が痛いのかうめいている所を刀で斬り付ける。
ザンザンザンザン
3回ほど切りつける。
残り4匹も同様の方法で対処した。
「・・・ハァハァハァ・・・・」
僕は、砂浜で仰向けになって倒れた。
予想以上に疲れた。
そして砂浜では、魚人が光の粒子になりかかっている。
あの女教師が、レベルを上げて、ポイントをためれるとか言っていたっけ。
今ので、ポイントたまったかな。
レベルは5になっている。
ステータスとスキルのポイントも増えている。能力上げられるらしいけど、それは後にしよう。
んで、問題はスキルか。
『剣術』2
とりあえず、一通り、スキルを確かめながら向かおう。
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