あの悪魔から力をもらって4日後
「はぁはぁ……ッん……はぁ」
「ん? どうした、栞。気分でも悪いのか?」
それまで木嶋とエロ話で盛り上がっていた三村が異変に気付く。
「ちょっ……これ、ヤバいんじゃねーの? 担任の小早川呼んで来るか?」
「いや、保健室連れてった方が良いだろ。栞、大丈夫か?」
「はぁ……うぜえ。騒ぐな、ちっと体調が悪いだけだ……ッん……はぁ」
「あぁ、あれか。もしかして、女の子の日ってやつか」
木嶋のデリカシーのない発言に、相坂が無言で弱々しい蹴りを繰り出す。
「あたし……ちょっと、保健室で休んでくるわ……ふぅ」
深い深呼吸のあと、フラフラした足取りで教室を出て行く相坂の姿を見送る。
昼休みが終わり五時限目の始業のチャイムが鳴っても、相坂は戻って来なかった。
もう五時限目も終わりに近付き、皆がそわそわと帰り支度を始めようとしている頃になって、ようやく相坂は戻って来た。
その顔はいくぶん落ち着いたものに変わっていた。
翌日。
ガタン、ゴトン
と、車輪がレールを弾き、電車が揺れる。手摺りに捕まり、電車の揺れに身を任せながら、思考はすでに昼休みへと跳んでいた。
プシューっという音とともに、目の前の扉が開くと、堰(せき)を切ったように一気に人が流れ込んで来る。俺と同じような通学中の学生に、通勤途中のサラリーマンや美人OL。
次