ケイの転生小説 - 甘い囁き3
 あの悪魔から力をもらって4日後

「はぁはぁ……ッん……はぁ」

「ん? どうした、栞。気分でも悪いのか?」

 それまで木嶋とエロ話で盛り上がっていた三村が異変に気付く。

「ちょっ……これ、ヤバいんじゃねーの? 担任の小早川呼んで来るか?」

「いや、保健室連れてった方が良いだろ。栞、大丈夫か?」

「はぁ……うぜえ。騒ぐな、ちっと体調が悪いだけだ……ッん……はぁ」

「あぁ、あれか。もしかして、女の子の日ってやつか」

 木嶋のデリカシーのない発言に、相坂が無言で弱々しい蹴りを繰り出す。

「あたし……ちょっと、保健室で休んでくるわ……ふぅ」

 深い深呼吸のあと、フラフラした足取りで教室を出て行く相坂の姿を見送る。

 昼休みが終わり五時限目の始業のチャイムが鳴っても、相坂は戻って来なかった。
 もう五時限目も終わりに近付き、皆がそわそわと帰り支度を始めようとしている頃になって、ようやく相坂は戻って来た。
 その顔はいくぶん落ち着いたものに変わっていた。


 翌日。

 ガタン、ゴトン

 と、車輪がレールを弾き、電車が揺れる。手摺りに捕まり、電車の揺れに身を任せながら、思考はすでに昼休みへと跳んでいた。
 プシューっという音とともに、目の前の扉が開くと、堰(せき)を切ったように一気に人が流れ込んで来る。俺と同じような通学中の学生に、通勤途中のサラリーマンや美人OL。