ケイの転生小説 - ボクは異世界で 38
 育芸館に到着した。
 育芸館の様子に変化はなかった。
 僕たちは安堵した。

「・・・みんな、ただいま」

 とタマキが戻ってきた。
 タマキから詳しい事情を聞いた。

「そうか。ジェネラル・オークを倒したか」

「うん」

「これから3階に行って、生存者を救出するわよ」

「私、カズさんのところに行っていい」

「・・・いいよ。ただ、和弘が見つからなかったら育芸館に戻ってくること」

「わかったわ」

 その前に、息を乱しているハクカが気になった。

「ハクカ、大丈夫?」

「・・・・はぁはぁ・・・・うん・・・・でも、なんでか・・・・はぁはぁ・・・・からだが・・・・すこしあつい・・・」

「風邪か?」

「・・・はぁはぁ・・・・わかんない」

「そうか、ハクカは休むといい」

「・・・え・・・でも・・・」

「女子寮組の子で、治療魔法ランク2まで上がった子がいるから、ハクカちゃんは気にせず休みなさい」

「・・・う・・・ん」

 ハクカが心配げに見つめてきた。

「茜・・・・頼む」

「はい」

 アカネに手を引かれながら、階段を登るハクカ。

「大丈夫でしょうか?」

 めがねをかけたおさげ頭の巨乳の少女が言う。

「さあ、ともかく安静にしていれば治るかな?」

「そうですよね」

 現在の育芸館で戦闘を行える人間は、14人だけである。
 そのうち、ハクカとすみれは使えないので実質12人である。

「とりあえず、火魔法の使い手は、校舎にいくことになる」

 2人ほど、手を上げてきた。
 ミアを加えた4人が主力となって3階を開放することになった。志木さんは、治療魔法の使い手を一人加え4人ほど引き連れて、生存者の治療と運搬をするそうだ。

「高橋 百合子です」

 おさげ頭のめがねをかけた気弱の巨乳少女が自己紹介をしてくれた。

「最上 潮音です」

 肩まで伸ばした茶髪の縁なし眼鏡をかけた元気な少女が自己紹介をした。

「ユリコ、シオネ、行くぞ」

「「はい」」

 僕たちは、校舎に向かった。