ケイの転生小説 - ボクは異世界で 20
「君たちの目的も女子寮?」

 僕は、青年たちに話しかけた。
 すると、なぜか青年の顔が強張っていた。

「・・・・・ああ」

 金髪の少女と小柄の少女が起き上がれるようになるとようやく口を開き、青年がこたえた。

「ボクの名前は、狭間 秋です」

「・・・私の名前は、羽藤 白花。羽織袴の羽に藤の花で羽藤という漢字です。白花は、白という漢字に花という漢字で白花といいます」

「僕は・・・・賀谷 和弘だ。高等部1年だ」

 背の高い青年がそう答えた。身長は180cmぐらいであった。

「私は、たまき。竜輝 珠樹よ。中等部3年生よ」

 金髪でツインテールの少女がそう答えた。

「私の名前は、下園 亜理栖といいます。中等部3年生です」

 腰まで伸ばした黒髪の巨乳の少女が答えた。

「私は、ミア。田上宮 観阿。中等部1年生」

 小柄の少女がそう答えた。
 自己紹介が終わったのでソルジャーに先行偵察させつつ、ぼくたちは用心しながら女子寮内部に足を踏み入れる。

「まずは、食堂に行く」

「そこに何かあるの?ご飯?」

「いや・・・・生き残りがいる」

 和弘の答えにハクカと僕は緊張する。
 鼻につく異臭にぼくたちは全員、顔をしかめる。
 テーブルと椅子が破壊され、中央がひらけていた。
 そこに、たくさんの少女が裸で折り重なっていた。

 だいたい五十人くらいはいるだろうか。
 そこに積み重ねられている少女たちの脈拍を調べると、すべて死んでいた。

 先頭のアリスと僕が息をのむ。
 たまきとミアとハクカは、あまりの光景に絶句して立ち尽くす。

「みんな……死んでる、の?」

 たまきが呟く。

「いや」

 和弘は首を振った。
 壁際を指差す。
 そちらに、十人ほどの少女が裸体で寝転がっていた。
 全員、かろうじて胸を上下させていた。

「生きてます!」

 アリスが叫んで、彼女たちに駆け寄った。