ケイの転生小説 - ボクは異世界で 16
「・・・・んんっ・・・・・・ハァハァハァ・・・・あんっ・・・・・」

 ボクが目を覚ましたのは、夜明け前であった。奇しくも、ハクカが秋の手で、軽く絶頂しながらも、快楽に翻弄され身体が再び絶頂しようとしたときであった。

「・・・・?」

 手に伝わる柔らかさと温かさに疑問を覚え、手のほうを見ると、茶髪が見えた。
 
 茶髪・・・?

 ムニャムニャ

 と柔らかなものを揉んでいく。

「・・・・ハクカ?」

「・・・・ゃぁぁ〜〜〜〜〜〜っ」

 甘いあえぎ声が響く。
 その声に驚き、ハクカを見ると、息を荒げていた。
 見てみると、両手でハクカの胸に触れていた。

「・・・あ・・・・」

 僕は、顔を赤くし手をハクカからどけた。
 しばし、ハクカの息が整うのを待つ。ハクカから事情を聞くことにした。

「・・・・・ごめん?」

 疑問が残るが、ハクカに謝る。

「・・・ううん・・・そのわたしも・・・・」

 お互い、緊張しながらも謝る。
 少しすると空腹であることを悟り、朝食を食べた。

「予定通り、校舎に向かう」

「・・・・うん」

 ハクカが頷く。
 ハクカが歩きづらそうに僕から数歩離れた後ろを歩く。一度、僕の隣で歩くことを進めたが断られた。お互い気まずそうに緊張しながら山道を進んでいく。
 そして、

「・・・え・・・・」

 ハクカの声に振り向くと、山道から足を滑らせ、落ちていた。とっさにハクカの手をつかみ、体勢を入れ替え、衝撃に供える。

 ドサッ

「・・・・ぐっ」

 自分を下敷きにして、ハクカをかばった。

「・・・アキ君・・・・ヒール」

 慌てふためく、ハクカが治療魔法を唱える。
 治療魔法ランク1の魔法で傷を治す効果がある。

「ヒール・・・・ヒール・・・・ヒール」

 ハクカの手から出る暖かな光が痛みを消していった。

「もう大丈夫だ」

「・・・ごめんなさい」

「怪我は?」

「・・・ないよ・・・・助けてくれて・・・・ありがとう」

 ハクカの答えにほっとする。

「怪我がないならそれでいい」

 しばらく、お互い、休憩を取る。
 二人から漂う緊張感と気まずさはなくなっていたのであった。







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