ケイの転生小説 - ボクは異世界で 15−1
 辺りは静寂に包まれ、アキが寝息を立てていると

「・・・ねえ・・・アキ君・・・おきてる」

 ハクカがアキに聞いてきた。
 だが、秋は寝息を立てていた。
 ハクカが寝床から抜け出し、秋のそばに近寄り

 ツンツン

 とアキに触れる。
 秋は、まったく反応しなかった。

「・・・・寝てる」

 若干、困ったハクカは、自分の寝床に戻った。

「・・・うぅ・・・・寒いよ」

 自分の寝床が寒くて、身体を震えさせるハクカ。
 温まっていた体温は冷えていた。
 しばらく、自分の寝床で寝ようとがんばるハクカだが、そのころには若干、風が吹いており、ハクカの努力は無駄に終わった。

「・・・いいよね」

 ハクカが、自分の毛布を持ち、秋の寝床にお邪魔した。
 予想通り、秋の寝床は割りと温かかった。
 自分の敷布を秋の敷布にくっつける。ハクカは、自分の毛布と秋の毛布を重ね合わせ、寝ることにした。
 二人の距離は、およそ30cmであった。