辺りは静寂に包まれ、アキが寝息を立てていると
「・・・ねえ・・・アキ君・・・おきてる」
ハクカがアキに聞いてきた。
だが、秋は寝息を立てていた。
ハクカが寝床から抜け出し、秋のそばに近寄り
ツンツン
とアキに触れる。
秋は、まったく反応しなかった。
「・・・・寝てる」
若干、困ったハクカは、自分の寝床に戻った。
「・・・うぅ・・・・寒いよ」
自分の寝床が寒くて、身体を震えさせるハクカ。
温まっていた体温は冷えていた。
しばらく、自分の寝床で寝ようとがんばるハクカだが、そのころには若干、風が吹いており、ハクカの努力は無駄に終わった。
「・・・いいよね」
ハクカが、自分の毛布を持ち、秋の寝床にお邪魔した。
予想通り、秋の寝床は割りと温かかった。
自分の敷布を秋の敷布にくっつける。ハクカは、自分の毛布と秋の毛布を重ね合わせ、寝ることにした。
二人の距離は、およそ30cmであった。
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