様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 俺達が、『器合わせ』で、魔力量を上昇させてから1週間ほどたった。
 俺達は、久しぶりに狩猟をすることになったのだ。
 理由は、王都で冒険者修行を強制させた王国のせいで、リッドたちのお金が不味いからである。
 俺が貸してもいいのだが、リッドたちが借りるよりは狩猟で稼ぎたいといってきたのだ。
 王国が指定した狩猟場所では、1人、先客がいた。
 肩口まであるピンクの髪をした緑色の瞳をした少女が大きな戦斧で、

 シュン

 と振り下ろし、鹿を倒していた。
 服装は、水色の上着・ミニスカート、内着は、黒のミニズボンとシャツである。
 俺達は、呆然とその光景を眺めていたが

「・・・探すか」

「ああ」

 早速獲物を『探知』で探すことにした。
 最初に鹿を見つけた俺達は、イザベルが一突きで刺し殺した。
 次のトリは、リッドが弓で倒した。
 続けて見つけた鹿の群れは、ミュウとラトが駆け出して、剣で一閃した。

 2時間で、36匹の獲物を倒した。

 昼食は、久しぶりの手料理である。

 少女が、黒パンや肉料理を食べていた。
 俺達は、少女が食べる料理の量に戦慄していた。
 おおよそ、30人前は食べていたからだ。
 その上、黒パンを無表情で食べていた。

「・・・少し前の私たちだよね」

「ああ・・・そうだな」

 黒パンは、不味いからな。
 俺達も昼食である。

 白パン、サラダ、スープ、ハンバーグである。

「・・・野外で久しぶりのまともな昼食だな」

「ご苦労様」

 俺達は、和やかに食べていたのだが

「食べる?」

 ハクカが少女の物足りなさそうな顔を見て、聞いていた。

「いいの?」

「ああ」

「ありがとう、ファブレ男爵様」

「ああ・・・君は」

「ヴィルマ・エトル・フォン・アスガハン」

 俺達は、少女に警戒した。
 少女は、俺達の警戒とは裏腹に美味しそうに昼食の残りを食べていた。

「おかわり」

「どうぞ」

 ハクカが、少女のご飯を盛り付けていた。

「俺の事を知っていたのか?」

「ファブレ男爵は、有名人」

「まあ・・・そうだな・・・ヴィルマ嬢は、良く戦斧を振り回せたな」

「英雄症候群」

「英雄症候群かぁ」

 本の記述でしか見たことがないのだから当然か。
 英雄症候群とは、一種の遺伝病とも言えるかもしれない。
 体の筋肉密度が過剰な上に、その筋肉繊維に極小の魔力粒が効率よく絡みつく体質なのだそうだ。 
 極小の魔力で常人など圧倒するパワーを長時間発揮できる。
 筋肉の密度と、そこに絡みつく魔力の量が問題なので、英雄症候群は見た目では判別がつかないのだそうだ。
 英雄症候群は、一千万人に一人出るか出ないかで、魔法使いよりも稀少である。
 魔法使い相手を除き対人戦闘ではほぼ最強の存在だが、その代償として過剰なカロリーを摂取しないとすぐに飢えて死んでしまう。
 生まれによっては、その才能を生かす前に飢え死にしてしまうそうだ。

「それで、その量か」

「これでも足りない」

「そうなんだ」

「ヴィルマでいい」

「分かった」

 ヴィルマの事情は理解した。
 その上で、ヴィルマの状態を改善できる手があるとしたら、俺だけだな。
 問題は、アスガハン家がどういった家なのかが問題である。

「ルーク」

「確かめてからだ」

「うん」

 ハクカの問いにそう答えた。
 俺達一同は、ヴィルマを送ることにした。
 ヴィルマは、割といい娘であった。
 アスガハン家に送ると準男爵家であった。
 
「まさかファブレ男爵がこられるとは思ってもいませんでした」

「たまたま狩猟場所が同じだっただけですよ」

 ラングレー公爵家に来て、公爵にアスガハン準男爵家について聞く、

「俺の派閥ではないから詳しいことはわからないが貴族界では、おかしな噂は、聞かない」

「なるほど」

 噂が出ないなら、問題ないのか。

「アスガハン準男爵家は、軍系の家系だからな。俺に聞くよりは導師の方が詳しいだろう」

「はい」

「それと魔道具利権で増やせる貴族がいるなら増やしたほうがいいだろう」

「いいんですか?てっきり怒るかと思っていましたが」

「ファブレ男爵の権利だ。我々の仕事は、利権の調整だな。現状1%程度の利権の配分のみだ。貴族たちも残りの利権を求めたいのが、本音ではある。利権の配当貴族を増やすなら、我々の敵でない貴族家が望ましい」

「俺には、それが分からないので、これからもご相談に乗っていただけるとありがたいです」

「良かろう・・・行くといい」

「はい」

「わたしもごいっしょでよろしいですか」

「ああ」

 リアも合流し、アームストロング子爵家に赴き、導師に聞いた。

「ファブレ男爵が聞きたいのは、アスガハン準男爵家の評判等であるか」

「ええ・・・ご両親は問題なさそうでしたからね」

「おかしな親族等はおらぬである」

「・・・アスガハン準男爵家を引き入れるか」

「魔道具製造であるか?」

「はい」

「某が兄を通じて、エドガー軍務卿に伝えるである」

「エドガー軍務卿の派閥なのですか?」

「うむ、アスガハン準男爵家はエドガー軍務卿の縁威である」

「なるほど・・・導師にお任せします。俺達は、アスガハン準男爵家に伝えておきます」

 俺は、魔道具製造について加わって欲しいとアスガハン準男爵家に伝えた。

「ヴィルマのためにありがとうございます」

 当主や夫人から感謝された。
 こうして、貴族家にアスガハン準男爵家とブラント騎士家が加わったのであった。
 派閥に、新しくエドガー侯爵派閥が利権に加わることになった。



 主人公一行紹介 貴族の紹介

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