様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 『器合わせ』をした週の土曜日。

 コンコン

 と音が聞こえた。
 誰か来たようだ。
 メイドが迎えに行くと腰下まで伸びた金髪、アメジスト色の瞳、透明感のある色白の艶やかな瑞々しい肌、水色を基調とした服を着た巨乳の美少女と膝下まで伸びた金髪、水色の瞳、透明感のある色白の艶やかな瑞々しい肌、青色を基調とした服を着た美少女が尋ねてきた。

「エリーゼさん、リアちゃん」

 俺の婚約者のリアとリアに匹敵するほどの美少女は、ヴェルの婚約者のようだ。

「はじめまして、バウマイスターだんしゃくさま。リア・フォン・ラングレーと申します」

 リアがカーテシーを行なった。

「リア、呼び捨てでお願いします」

「・・・ルーク様」「ヴェンデリン様」

 リアが俺に助けを求め、エリーゼがヴェルを非難をした。

「何か不味いのか?」

「ラングレー家は、公爵家です」

 爵位が上なのである。

「爵位が上の者を呼び捨てにする場合は、本人の許可が必要になる」

 俺たちの場合は、本人から許可をもらったのだ。
 俺は、ヴェルに説明する。
 初対面の自己紹介は、公式と同じ扱いである。
 そのためヴェルの行動は、貴族社会だと非難されるのである。
 俺は、ラングレー公爵から説明を受けていた。

「一応、形式は大事だからな」

「・・・ああ。これから気をつけるよ」

「初めまして、ファブレ男爵様。エリーゼ・カタリーナ・フォン・ホーエンハイムと申します」

 エリーゼが、見事なカーテシーを行なった。

「初めまして、エリーゼ様。ルーク・フォン・ファブレといいます」

「はい。ルーク様」

「呼び捨てで構いませんよ」

「ルーク様も呼び捨てで構いません」

「エリーゼ様」

 爵位の関係で、俺とエリーゼは、ほぼ同格といって言い。
 様付けをなくすには、エリーゼが折れるしかない。

 全員が自己紹介をした。

 エルは、さすが貴族の出身あって、挨拶できていた。
 イーナとルイーゼも同じく陪臣の家だけあって、挨拶ができていた。
 イザベルとジビラとハクカとミュウとリッドは、家臣になってから日が浅い平民である点を考慮すると合格水準である。
 ヴェルだけアウトである。

「ふだんどおりにおはなししてかまいません」

「・・・というわけで、今から普通で構わないぞ」

「では、私のことも様付けではなく、呼び捨てでお願いします」

「『ホーエンハイム家の聖女』を相手にそれは厳しいですな」

 エリーゼが上になるか、俺が上にならない限りこの状態は解除されない。
 尚、ヴェルは、エリーゼに押し負けたようだ。

「所で、なんで『ホーエンハイム家の聖女』なのよ。普通に聖女はダメだったの?」

 イザベルが疑問に思っていた事をエリーゼに聞いていた。

「聖女の称号を持っておられる女性の魔法使いは何人かおられるからです」

「聖女の称号って」

「高名な女性魔法使いの方に授ける称号ではないのです。聖の魔法が使える中級以上の女性の魔法使いで教会に所属しておられる方が対象なのです。教会に所属しておられる聖女の数は大よそ500人ほどになります」

 聖女が結構いるな。
 教会の権威があって初めて高名な魔法使いと同等の社会的権威なのだそうだ。

「なるほどね」

「そういえば、2人はどうしてここに?」

 ハクカが気になっていた事を尋ねた。

「今のうちにご挨拶と『器合わせ』の参加するようにお爺様に言われました」

「まあ・・・いいか」

「よお」

「ブランタークさん」

「俺は、器合わせの監督役だぜ」

「監督ですか」

「やることは特にないけどな」

「そうですか」

「じゃあ、早速・・・器合わせを」

「その前に器合わせの意味を知っている人間いるか」

「・・・?」

 俺達は首をかしげた。
 魔力が同等にになる以外の意味があるという風に聞こえる。
 エリーゼ、イーナ、ルイーゼの3人は、知っているようだ。

「ルイーゼの嬢ちゃん・・・女性陣に教えてやれ」

「はーい」

 ルイーゼが女性陣を集めた。

「アルとアティは教えなかったようだな」

「何の意味があるんですか?」

「成人した時に教えてやるよ」

「分かりました」

「ついでに家臣替えも検討した方がいいな」

「器合わせのついでですか?」

「そうなる」

「俺は、構わないぞ」

「俺のほうもいい」

「「・・・え〜」」

 ハクカとミュウの声が響く。
 何事か・・・みるとハクカとミュウの頬が赤くなっていた。

「し〜」

 ルイーゼが、黙らせていた。

「・・・・ちょ・・・あなた達は・・・認めたのよ」

「それは・・・・・・・・・よ」

「しかた・・・・いいわ・・・・・ただし」

 所々、聞こえるイザベルとイーナの声。
 話し合いが終わったようだ。

「それで・・・」

 俺と器合わせを行なうのは、

 リア、ハクカ、ミュウ、リッド、イザベル

 ヴェルと器合わせを行なうのは、

 エリーゼ、ルイーゼ、イーナ、エル、ジビラ

「最初は、リアからだな」

「はい、よろしくおねがいします」

 リアが緊張しながら手をオズオズとさしだしてきた。
 俺は、リアの手を繋ぎ

「早速『器合わせ』をするぞ」

「はい」

 魔力を流した。

「・・・・・・ぁ・・・・ぁ・・・・」

 魔力を流すと時折、熱い吐息を漏らすリア。
 頬を赤くしながら、俺を見た。

 10分後

「・・・・ハァハァ」

 と熱を帯びた息遣い。
 身体は、力なく俺に寄りかかってきた。
 とっさにリアを抱きしめる。
 
「・・・大丈夫?」

「・・・はい・・・もう・・・だいじょうぶです」

 10分後

 普通に動けるようになったようだ。

「次は、ハクカか」

「・・・うん」

 ハクカと手を繋ぎ、

「・・・っ・・・ぁ・・・・ぁん・・・・・」

 所々漏れる熱を帯びた息遣い。
 いつもどおりハクカも俺に寄りかかってきたので、ハクカの柔らかな肢体を抱きしめる。

 10分後

「大丈夫」

「そうか」

 俺は、ハクカから渋々だが離れた。
 予定がなかったら、もう少しハクカを抱きしめていたのだけど、残念だ。

「次は、私だね」

「・・・ああ」

 ミュウの手を繋ぎ、魔力を流す。

「・・・ぁ・・・ぁっ・・・・・んっ・・・・・」

 時折漏れる熱い吐息。
 俺にもたれ掛かるミュウ。
 ミュウを抱きしめる。

 10分後

「・・・大丈夫そうか」

「うん」

 ミュウが動けるようになったので離れる。
 イザベルは、ハクカと器合わせを行なっていた。

「最後・・・俺か」

「そうだな」

 リッドと手を繋ぎ、魔力を流す。

「・・・こいつは・・・変な感じがするな」

「やり方がおかしいのか」

「さあ」

 リッドは、一瞬、ビクンとしながら床に倒れる。
 これで、全員の器合わせを行なったわけだ。
 立ち上がることができていたのは、俺、ヴェル、ハクカ、リアであった。
 座り込んだ一行を見て、あるものが非常に気になった。

「あの・・・ルーク様・・・そんなに見つめられると困ります」

「あ・・・悪いな」

「指輪?」

「ああ・・・魔道具みたいだからな」

「これは、魔力補充用の魔道具の指輪です」

「ほう」

「見ますか?」

「ああ」

 エリーゼが指輪を見せてくれた。
 早速、『鑑定』や『分析』を行い、指輪を見ることにした。

「なるほどな」

「役に立ちそう」

「立つな・・・魔力圧縮方法と魔力量による色変化は、割と使えそうだな」

 早速、紙に書き、構造を書く。

 数時間後

「ありがとう」

 エリーゼに指輪を返す。

「お役に立てたみたいですね」

「ああ」

 こうして、ルークは、魔晶石の魔力圧縮方法と魔力量による色変化の方法を入手するのであった。



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