様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 翌日。
 王都別邸の応接間のソファーで

「・・・というわけだ」

「私がですか?」

 ブロワ辺境伯と相対しているのは腰まで伸びた黒髪、緑の瞳の美少女であった。

「そうだ・・・役に立ってもらうぞ」

「・・・ブロワ辺境伯は、ホーエンハイム子爵家についてご存知でしょうか?」

「・・・聖職者の家系であろう。あそこも企んでいると」

「バウマイスター準男爵に『ホーエンハイム家の聖女』様を正妻を宛がうご予定だとお伺いいたしました」

「・・・爵位を無視しての婚約か・・・・・あの公爵様はともかく伯爵家を蔑ろにするのか・・・・」

 枢機卿は、宗派が1つだったときは、王族と同レベルの権力があったが、腐敗が進み宗派が分裂すると伯爵レベルの権力に落ち、さらに腐敗が進み、市民が宗教離れを加速させると男爵レベルの権力に堕ちたのだ。

 それから数十年。
 現在では、市民でも枢機卿になれるようになっているのだ。
 市民が枢機卿に就任できるようになると教会爵位を王国が授与することになったのだ。教会爵位というのは、聖職者に授ける権力である。司祭で騎士爵、枢機卿で男爵、総司教で、伯爵相当であると王国側が規定をしたのだ。

「・・・爵位で対抗すると仮定して、パルケニア草原の開放が上手くいくなら功績により男爵レベルとなる」

「勲章やご高名で対抗なさるのではないでしょうか」

「双竜勲章は英雄に与える勲章・・・1つ上までは可能だとして子爵レベル・・・高名を付け加えれば2つ上までは対抗可能だとして伯爵レベルの権威となる」

 上級魔法使いの高名は、男爵相当の社会的地位を有しているのである。その理由とは、上級魔法使いを貴族に任命して自由を縛るより高名に対して男爵レベルの社会的権威があることを認めて、自由にさせたほうが魔物の討伐や開拓など国の発展に大幅に寄与するからである。

「ホーエンハイム家と釣り合いは取れます」

「確かに教会幹部でもあるホーエンハイム家とは、釣り合いが取れる。だがエリーゼを妻に望んでいる伯爵家に対抗するのは新興では厳しい」

「・・・・・・・」

「・・・となると・・・陛下の勅命があれば対抗可能か」

「・・・・・・」

「・・・正妻・・・・・・可能性はあるか?」



Menu

メニューサンプル1

メニューサンプル2

開くメニュー

閉じるメニュー

  • アイテム
  • アイテム
  • アイテム
【メニュー編集】

編集にはIDが必要です