コンコン
「入っていいぞ」
「遅くなり申し訳ありません」
入ってきたのは、ブラント騎士家当主のルトーガーであった。
上座のイスに座っているのは、ルックナー財務卿であった。
周囲には、ルックナー財務卿の懐刀のモンジェラ子爵もイスに座っていた。
「商業ギルドに問い合わせ、記録を見たところ3回ほど手紙を出しただけでした。事態が事態ですので、エーリッヒやご兄弟に届いた手紙を拝見しました」
「どうだった?」
「確認した所・・・1回目は、結婚の許可、2回目が持参金の嘆願、3回目が持参金の催促についての手紙でした」
「エーリッヒは、バウマイスター騎士家に利益を提示したのか?」
ルックナー財務卿の言葉に首を横に振るルトーガー。
「いえ、何も提示していなかったようです」
「今回は、実家の状況を忘れ、先走ったエーリッヒが悪い」
「確かにそうですな。彼は切れものと噂が高かったのですが」
「切れ者か・・・本当に頭がよければ、こんな事態になる前に持参金は貯めれたはずだ」
「仕事は出来ますし、センスはありました」
「いざというときに対処できるだけの能力の結果がこれではな・・・」
いずれブラント騎士家に当主になるのであれば、他家と交渉しないといけないのだ。交渉した結果がこれでは、とても当主は任せられないのだ。
「所で、ミリヤムの婿の件ですが」
「年齢が年齢だから難しいところだな。数年前であれば難しくなかったがな」
「そうですか」
「・・・候補が見つかったら報告するとしよう」
「ありがとうございます」
「だが、厳しい物と思ったほうがいい」
「はい、理解しております」
次
「入っていいぞ」
「遅くなり申し訳ありません」
入ってきたのは、ブラント騎士家当主のルトーガーであった。
上座のイスに座っているのは、ルックナー財務卿であった。
周囲には、ルックナー財務卿の懐刀のモンジェラ子爵もイスに座っていた。
「商業ギルドに問い合わせ、記録を見たところ3回ほど手紙を出しただけでした。事態が事態ですので、エーリッヒやご兄弟に届いた手紙を拝見しました」
「どうだった?」
「確認した所・・・1回目は、結婚の許可、2回目が持参金の嘆願、3回目が持参金の催促についての手紙でした」
「エーリッヒは、バウマイスター騎士家に利益を提示したのか?」
ルックナー財務卿の言葉に首を横に振るルトーガー。
「いえ、何も提示していなかったようです」
「今回は、実家の状況を忘れ、先走ったエーリッヒが悪い」
「確かにそうですな。彼は切れものと噂が高かったのですが」
「切れ者か・・・本当に頭がよければ、こんな事態になる前に持参金は貯めれたはずだ」
「仕事は出来ますし、センスはありました」
「いざというときに対処できるだけの能力の結果がこれではな・・・」
いずれブラント騎士家に当主になるのであれば、他家と交渉しないといけないのだ。交渉した結果がこれでは、とても当主は任せられないのだ。
「所で、ミリヤムの婿の件ですが」
「年齢が年齢だから難しいところだな。数年前であれば難しくなかったがな」
「そうですか」
「・・・候補が見つかったら報告するとしよう」
「ありがとうございます」
「だが、厳しい物と思ったほうがいい」
「はい、理解しております」
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