「久しぶりだね、ルーク。王都に到着早々、色々と大変だったようだね」
「はい、もの凄く大変でした」
無事、ローラン兄さんが住む屋敷に到着した。
「そういえば、ルークの友人たちには部屋で寛いでもらっているから」
「色々お手間をかけせてすみません、ローラン兄さん」
「ルークの大切な友人たちだからね」
「では、私はこれでしつれいします」
「リア姫、弟がお世話になりました」
「いいえ、こちらこそたのしかったです。では、ルークさん、おうとにいるあいだは、あそびにきてくださいね」
「ああ・・・わかった」
リアは、ラングレー家に戻ると言って再び馬車に乗り込む。
「・・・ん・・・・姫?」
「ルークは知らなかったようだね。リア・フォン・ラングレー・・・公爵家のご令嬢さ」
「・・・え・・・公爵家のお姫様にあの言葉遣いはやばかったか」
公爵家とは、王族が臣下した御家であり、筆頭貴族の代表でもある。
「リア姫がルーク達の言葉使いを許したのだから公式の場でなければ、大丈夫さ」
「よかった?」
「さあ、案内するよ」
門構えは、うちの実家とは比べ物にならない大きさであった。
とても同じ騎士爵家だとは思えないほどだ。
しばし呆然となりながら、ローラン兄さんの案内で屋敷に入ると六十歳前後に見えるロマンスグレーが特徴の品のいい男性と四十歳前後でブラウン色の髪の落ち着いた感じの中年女性。
そしてまだ二十歳には見えない、中年女性と同じブラウンの髪を肩まで伸ばし、瞳も同じ色をした、少し落ち着いた感じの美少女が待ち構えていた。
「僕が婿入りする予定のザフト家の家族を紹介するよ」
初老の男性は、現在は当主を務めているトガー・フォン・ザフトで年齢は今年で六十二歳。
中年の女性は、その奥さんであるリン・フォン・ザフトで年齢は四十歳。
最後に美少女は、ミリアリア・フォン・ザフトで今年17歳になるそうだ。
現当主であるトガーさんは先妻が子供がないまま病死してしまい、現在の奥さんとローラン兄さんの奥さんになる一人娘だけが家族だとの話であった。
年齢が年齢なので家の跡継ぎ候補を探し始め、下級官吏試験に受かって部下として配属されてきたローラン兄さんを気に入り、彼を娘の婿として家を継がせる決意をしたようだ。
「始めまして。ファブレ卿」
「すみません。公の席ではともかく、こういう場でファブレ卿は勘弁してほしいのです」
「これは、すみませんな。なにしろ、ルーク殿の古代竜退治の話は現在王都では有名ですからな。しかし、そんな高名な魔法使い殿がローランの弟とは世間とは狭いものですな」
トガーさんは、気さくに俺に話しかけてくれていた。
「正直、馬車ごとブレスで焼かれないように必死だったので、リアの『同調魔法障壁』とハクカの『魔力譲渡・・・』がなければ、倒せたかどうかは分からないです」
いくら魔法の鍛錬を続けても、狩りで多くの凶暴な野生動物たちを相手にしていても、考えてみたらあれが俺の魔物デビュー戦だったのだ。
「あなた。よくよく考えてみると、私ってルークさんの義姉になるんですね」
「そう言われるとそうだね」
「よろしくお願いします。お義姉さん」
「私は一人娘だから、義弟って新鮮ね」
ローラン兄さんのお嫁さんは、前世で言うところの普通の美少女という感じで、この人が義姉なら上手くやっていけそうな気がした。
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「はい、もの凄く大変でした」
無事、ローラン兄さんが住む屋敷に到着した。
「そういえば、ルークの友人たちには部屋で寛いでもらっているから」
「色々お手間をかけせてすみません、ローラン兄さん」
「ルークの大切な友人たちだからね」
「では、私はこれでしつれいします」
「リア姫、弟がお世話になりました」
「いいえ、こちらこそたのしかったです。では、ルークさん、おうとにいるあいだは、あそびにきてくださいね」
「ああ・・・わかった」
リアは、ラングレー家に戻ると言って再び馬車に乗り込む。
「・・・ん・・・・姫?」
「ルークは知らなかったようだね。リア・フォン・ラングレー・・・公爵家のご令嬢さ」
「・・・え・・・公爵家のお姫様にあの言葉遣いはやばかったか」
公爵家とは、王族が臣下した御家であり、筆頭貴族の代表でもある。
「リア姫がルーク達の言葉使いを許したのだから公式の場でなければ、大丈夫さ」
「よかった?」
「さあ、案内するよ」
門構えは、うちの実家とは比べ物にならない大きさであった。
とても同じ騎士爵家だとは思えないほどだ。
しばし呆然となりながら、ローラン兄さんの案内で屋敷に入ると六十歳前後に見えるロマンスグレーが特徴の品のいい男性と四十歳前後でブラウン色の髪の落ち着いた感じの中年女性。
そしてまだ二十歳には見えない、中年女性と同じブラウンの髪を肩まで伸ばし、瞳も同じ色をした、少し落ち着いた感じの美少女が待ち構えていた。
「僕が婿入りする予定のザフト家の家族を紹介するよ」
初老の男性は、現在は当主を務めているトガー・フォン・ザフトで年齢は今年で六十二歳。
中年の女性は、その奥さんであるリン・フォン・ザフトで年齢は四十歳。
最後に美少女は、ミリアリア・フォン・ザフトで今年17歳になるそうだ。
現当主であるトガーさんは先妻が子供がないまま病死してしまい、現在の奥さんとローラン兄さんの奥さんになる一人娘だけが家族だとの話であった。
年齢が年齢なので家の跡継ぎ候補を探し始め、下級官吏試験に受かって部下として配属されてきたローラン兄さんを気に入り、彼を娘の婿として家を継がせる決意をしたようだ。
「始めまして。ファブレ卿」
「すみません。公の席ではともかく、こういう場でファブレ卿は勘弁してほしいのです」
「これは、すみませんな。なにしろ、ルーク殿の古代竜退治の話は現在王都では有名ですからな。しかし、そんな高名な魔法使い殿がローランの弟とは世間とは狭いものですな」
トガーさんは、気さくに俺に話しかけてくれていた。
「正直、馬車ごとブレスで焼かれないように必死だったので、リアの『同調魔法障壁』とハクカの『魔力譲渡・・・』がなければ、倒せたかどうかは分からないです」
いくら魔法の鍛錬を続けても、狩りで多くの凶暴な野生動物たちを相手にしていても、考えてみたらあれが俺の魔物デビュー戦だったのだ。
「あなた。よくよく考えてみると、私ってルークさんの義姉になるんですね」
「そう言われるとそうだね」
「よろしくお願いします。お義姉さん」
「私は一人娘だから、義弟って新鮮ね」
ローラン兄さんのお嫁さんは、前世で言うところの普通の美少女という感じで、この人が義姉なら上手くやっていけそうな気がした。
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