様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「俺は勲章を貰って法衣貴族になったんだよな?」

「はい」

 陛下との謁見を終えた俺は、再び馬車で王城から貴族たちが住むエリアへと向かっていた。
 他の騎士爵家に婿入りするローラン兄さんは、現在下級貴族街に引っ越していたからだ。
 その貴族街だが上級と中級と下級に分かれており、それを実際に目の当たりにすると、ここは身分社会なのだと改めて実感させられた。
 いつか下級貴族街から上級貴族街へ引っ越すのだという野心に燃えている貴族たちがいるそうだ。
 石畳で舗装された道をゆっくりと進む馬車の中で、俺は色々と疑問に思っていることをリアに聞いていた。

「そうりゅうくんしょうですが」

 王国には、様々な種類の勲章が存在している。
 だが久しく戦争がないので、そのほとんどが大物貴族に順番に与える儀礼的なものであったり、軍や役所で組織運営に貢献した者たちに順番に与える武勲とは程遠いものであったりと他にも、お金を持っている商人などにも与えられる勲章もあった。
 これは叙勲するという知らせを受けると、その名誉に相応しい国家への貢献という名目で、孤児院や慈善団体や教会に追加で寄付をしたり、叙勲を祝って多くの招待客をパーティーに呼んで金がかかったりと彼らが貯め込んでいる金を吐き出させる狙いがあるのであろう。

 他にも貴族以外が貰う下級の勲章が存在し、優秀な職人や広大な農地の開拓や用水路の掘削などに貢献した豪農。

 そして、名を挙げた冒険者なども叙勲の対象になるらしい。

 そして問題の双竜勲章であったが、これは武勲に対して与えられるもので、ここ二百年以上は誰も貰っていない勲章なのだそうだ。

「あたらしいしゃくいですが」

 俺は未成年だが、例外として俺のような継承権がない貴族の子供を別家の当主として独立させたり、小さな娘しか残っていないような家に、その婚約者として他家の子供を婿として入れる際に爵位を継がせたりとそういうケースは、たまにあるらしい。

「ルークさんは、こうせきできぞくになりました」

 リアの話によると俺は実家のファブレ騎士爵家から籍が抜け、この度新しい別のファブレ家の当主になったということらしい。

「りょうちはないのですがねんきんがでます。準男爵なので、きんか30まいです」

 続いて階位の話であったが、これは第1位から第13位まで存在している。

 第1位 陛下
 第2位 王妃殿下と王太子
 第3位 王子と王女
 第4位 他の王族や公爵
 第5位 侯爵と辺境伯
 第6位 伯爵
 第7位 子爵
 第8位 男爵
 第9位 準男爵
 第10位 騎士爵
 第11位 士爵
 第12位 大爵
 第13位 戦爵

 ちなみに、第11位から第13位は基本的には、継承権が付与されていない。
 功績を挙げて昇進した平民出身者か、男爵以上の成人した子供に一代限りで与えるための階位として存在しているようだ。
 言うまでもないが、功績を挙げて昇位しないと、その子供は平民に転落してしまう結果となる。
 そんな話をしている内に、馬車は無事にローラン兄さんが住む屋敷へと到着するのであった。



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