「大きい……。うちの実家と比べるのは無駄だけど、ブライヒレーダー辺境伯様の館よりも遙かに……」
お城を見上げながら正面の門に到着するが、ワーレンさんがいたので門番は俺たちの身元確認すらしないで通してくれた。
城内に入ると、兵士は、騎士の指揮下で警備と警邏を行い、貴族たちは、廊下で話していたり、書類を持って移動したりしていた。
城内は、活気に満ち溢れているようであった。
ただ、なぜか俺たちに注目しているので、それが気になって仕方がない。
「古代竜討伐の話はもう王都中に広がっていますからね。しかも、それをなした2人が、まだ12歳のヴェンデリン殿とルーク殿なのですから」
ワーレンさんの言うとおり、気になるので実際に目を凝らして見ている状態なのであろう。
上野動物園にいるパンダになったような気分だ。
ワーレンさんを先頭に暫く城内を歩いていた俺たちであったが、ついに目的地である豪華な扉の前へと到着する。
この先が、謁見の間のようだ。
「陛下は気さくなお方なので、最低限の礼儀さえ守っていれば問題はありませんよ」
「そのフォローをブランタークから頼まれたんだが、ヴェンデリンやルークなら心配いらないよな」
アルテリオさんがそこまで言ったところで目の前の豪華な扉が開き、視界の先には赤い絨毯が敷かれた床や数段高い玉座に座る男性の姿が確認できた。
そしてその両側には、十数名の警備の騎士たちや地位が高そうな貴族たちの姿も十数名確認できる。
「古代竜を討伐せし、ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター殿とルーク・フォン・ストラトス・ファブレ殿とリア・フォン・ラングレー様とブランターク・リングスタット殿の代理人のアルテリオ・マーシェン殿の御成り!」
昔に映画で見たように俺たちの入場を高らかに読み上げる貴族らしき人の声を聞きながら、俺たちはワーレンさんの誘導で玉座から三メートルほどの位置にまで接近する。
するとワーレンさんは、騎士たちが立っている場所へと戻ってしまい、あとは俺とヴェルとリアとアルテリオさんだけになってしまった。
緊張でなにをしていいのか忘れてしまったが、すぐにアルテリオさんがひざまづいて頭を下げたので、俺たちもそれを真似してことなきを得た。ちなみにリアは、膝を深く曲げながら、カーテシーを行い、頭を下げていた。
こういう時は、経験者でもあるアルテリオさんの真似をするに限る。
「突然の呼び出しで大変であったであろう。頭を上げるがいい」
「ははっ」
陛下にそう言われたので頭を上げると、そこには四十歳前後であろう。
高貴な身なりをした美中年の男性が笑みを浮かべていた。
「改めて名乗らせてもらうが、余がこのヘルムート王国国王、ヘルムート三十七世である」
「ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスターと申します」
「ルーク・フォン・ストラトス・ファブレと申します」
「ふむ、改めて見ると本当に若いの。いくつになった?」
「はい、13歳です」
「11歳です」
こうして、陛下との謁見は始まったのであった。
次
お城を見上げながら正面の門に到着するが、ワーレンさんがいたので門番は俺たちの身元確認すらしないで通してくれた。
城内に入ると、兵士は、騎士の指揮下で警備と警邏を行い、貴族たちは、廊下で話していたり、書類を持って移動したりしていた。
城内は、活気に満ち溢れているようであった。
ただ、なぜか俺たちに注目しているので、それが気になって仕方がない。
「古代竜討伐の話はもう王都中に広がっていますからね。しかも、それをなした2人が、まだ12歳のヴェンデリン殿とルーク殿なのですから」
ワーレンさんの言うとおり、気になるので実際に目を凝らして見ている状態なのであろう。
上野動物園にいるパンダになったような気分だ。
ワーレンさんを先頭に暫く城内を歩いていた俺たちであったが、ついに目的地である豪華な扉の前へと到着する。
この先が、謁見の間のようだ。
「陛下は気さくなお方なので、最低限の礼儀さえ守っていれば問題はありませんよ」
「そのフォローをブランタークから頼まれたんだが、ヴェンデリンやルークなら心配いらないよな」
アルテリオさんがそこまで言ったところで目の前の豪華な扉が開き、視界の先には赤い絨毯が敷かれた床や数段高い玉座に座る男性の姿が確認できた。
そしてその両側には、十数名の警備の騎士たちや地位が高そうな貴族たちの姿も十数名確認できる。
「古代竜を討伐せし、ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター殿とルーク・フォン・ストラトス・ファブレ殿とリア・フォン・ラングレー様とブランターク・リングスタット殿の代理人のアルテリオ・マーシェン殿の御成り!」
昔に映画で見たように俺たちの入場を高らかに読み上げる貴族らしき人の声を聞きながら、俺たちはワーレンさんの誘導で玉座から三メートルほどの位置にまで接近する。
するとワーレンさんは、騎士たちが立っている場所へと戻ってしまい、あとは俺とヴェルとリアとアルテリオさんだけになってしまった。
緊張でなにをしていいのか忘れてしまったが、すぐにアルテリオさんがひざまづいて頭を下げたので、俺たちもそれを真似してことなきを得た。ちなみにリアは、膝を深く曲げながら、カーテシーを行い、頭を下げていた。
こういう時は、経験者でもあるアルテリオさんの真似をするに限る。
「突然の呼び出しで大変であったであろう。頭を上げるがいい」
「ははっ」
陛下にそう言われたので頭を上げると、そこには四十歳前後であろう。
高貴な身なりをした美中年の男性が笑みを浮かべていた。
「改めて名乗らせてもらうが、余がこのヘルムート王国国王、ヘルムート三十七世である」
「ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスターと申します」
「ルーク・フォン・ストラトス・ファブレと申します」
「ふむ、改めて見ると本当に若いの。いくつになった?」
「はい、13歳です」
「11歳です」
こうして、陛下との謁見は始まったのであった。
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