様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 桜が聖樹へと変化してから、約半年。

 最大の脅威であるオークキングこと迎田が死に、平穏が訪れるかと思われたのだが、あの爆発で尋常ならざる力の余韻を感じとったドラゴンが、活発になるというイベントが待ち受けていた。

 オーガの村はドラゴンの暴れている区域に近いため、暫くの間、桜の聖樹の元に避難し、何とかドラゴンを撃退するまで、ここに仮住居を作ることになった。

 何とか騒ぎが収まった後もここには何人かのオーガが住み着いている。
 桜の花の美しさに心を奪われたのもあるのだが、もう一つの要因が大きかったようだ。

 ここが――聖樹の力により邪悪な魔物が近寄ることができない、この島唯一の安全地帯だということ。

 オーガたちは、ここに第二の村を築くと息巻いていた。

 それに、ここで生活をしているのはオーガだけではない。オークに支配されていた、コボルトの生き残りも共に過ごしている。

 大半のコボルトは僕たちとの戦いと、あの爆発に巻き込まれて死亡したそうだが、僅かながら生き延びたコボルトがいた。

 迎田が死亡し、恐怖による支配から解放されたコボルトたちが、今度は僕たちの元にやってきて、何でもするから住まわせて欲しいと懇願してきた時は、流石に驚いた。

 仲間やオーガと相談の結果、この近くに住むことを許すことにした。
 コボルトたちは、よく働き手先も器用なのでかなり重宝されている。
 今は、木造の家が四軒とコボルトの住む簡素な布張りのテントのような家が何軒かあるだけだが、何十、何百年後には、かなりの規模になっているかもしれない。



 先日、この島に辿り着いた一隻の船を乗っ取ったのだが、想像以上に楽に事が運んだ。
 この島で磨き上げられた僕たちの実力は相当なものだったらしく、護衛で雇われていた冒険者をあっさりと倒してしまった。
 念の為にオーガの戦士たちも潜んでもらっていたのだが、申し訳ないことに出番はなく、こちらが拍子抜けするほど、あっさりと船を占拠できてしまったのだ。



「行くの?」

「ああ」

 土屋さんが、力強く頷き、船に向かって歩いていった。
 僕と光お姉ちゃんは、土屋さんを見送った。



 僕と光お姉ちゃんは、贄の島の東部に住んでいる。
 オーガたちの村で暮らすという案もあったのだが、オークキングや竜を倒したので、脅威になりそうな魔物は西部の魔物ぐらいしかいないので放置することにした。



 そして、月日は流れ、秋と光の間に子供が生まれ、子供を育てながらも穏やかな人生を送ることになった。

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