様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 僕は、穴の外に出た。
 まだ、日も昇り始めたばかりの早朝なので辺りは薄暗く、肌を刺すような冷気を感じる。かなり冷え込んでおり、寒さに身体を震えさせる。
 洋服が乾いたのか確かめてみた。まだ冷たいので、外で干すことにした。
 洋服は、木の枝に引っ掛けているので大丈夫だ。

「まだぬれてた」

 毛布に包まれながら座っている光お姉ちゃんに報告した。

「・・そうなんだ」

 光お姉ちゃんが、

 チラチラ

 とこちらを見ては頬を赤く染めた。

「・・・入っていい」

「・・・ええ」

 僕は、毛布の中に入る。
 光お姉ちゃんの体温で温められていたので毛布の中は割りと温かった。
 光お姉ちゃんが料理を作るのを背後から見る。相変わらず、光お姉ちゃんを背後から抱きしめた体勢である。光お姉ちゃんの背中の体温と甘い匂いにドキドキする。
 ご飯を食べ終え、少し休憩したら、出かけることにした。
 目的は、スキル習得である。

「ん? 何か感じる」

 微かに、ほんのわずかなのだが、何かの気を左前方から感じる。それも二つ。

「ゴブリンか、昨日の幼虫か」

 剣を取り出し右手で握りしめる。左手は、光の手を握っている。
 森の中に小さな泉がありそこにゴブリンが二体いる。

「ゴブリンか?」

 ゴブリンたちは棍棒を手から外し、泉に口を付けて直接飲んでいる。油断している今がチャンスだな。
 足下のゴブリンたちは楽しそうに、水遊びを始めていた。
 隙だらけだな、今ならいけるか。

 大きく深呼吸をする。精神統一をして、意識を高めないといけない。
 体に漲る気の流れを感じ、剣に力を集めるイメージ……イメージ。ゲームやアニメだと、こうやって剣に気を集中させていたはず。
 剣が熱くなってきているし、本当に出そう。早くしないと漏れちゃいそう。

「風の傷」

 剣に纏わりついた気を風に変化させて、風の刃として放つ技である。犬夜叉の代表的な技だが、あそこまでの威力はないし、技そのものも別物である。
 何が起こったのか理解できず上腹と下腹が分かれたゴブリンの姿を目の端で確認する。

 シュ

 光お姉ちゃんが手を向けると、風の渦がゴブリンの身体に当たり、吹き飛ばす。

「『風の傷』」

 ゴブリンに止めを刺し、真っ二つ。
 戦闘終了。
 今の僕の敵ではなかった。

「・・・ここで、水を補充するのは駄目かな」

「そうね」

 僕たちは小川を目指す。
 場所は『第6感』を頼りに進んでいるので大丈夫だ。
 小川で水を補充した後、僕は、身体を洗った。
 僕が身体を洗い終えると光お姉ちゃんが身体を洗うために小川に行った。

「・・・気をつけて」

「光おねえちゃんもね」

 僕は、光お姉ちゃんが身体を洗っている間に、転移者の元に向かうことにした。
 僕の目的は、なくなっている転移者に出会うことである。



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