様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 泣き出した少女を抱きしめ、しばらく少女の嗚咽が響く。

「・・・ありがとう」

 少女がお礼を言ってきた。

「・・・うん」

 グ〜

 僕のお腹の音が響く。
 僕たちはお昼を食べることにした。
 ご飯は、少女が持っている食料品を食べた。



 昼食を終えると草原の中を進み、岩陰を越える。
 そこには、ブヨブヨと太ったカブトムシの幼虫にムカデの脚を生やしたような巨大な生き物がいた。全長は一メートル以上あるだろう。
 無数の脚が小刻みに動き、小走りぐらいの速度でこちらに向かってきている。

「きゃあ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

「・・・うわ〜〜〜〜〜〜〜」

 僕と少女は、あの虫から逃げ出した。
 必死に走るが、ところどころにある小石などがあるせいで走りづらい。

「ジュルゥゥゥゥ!」

 残りが少なくなった飲み物をストローで吸った時の様な音に背後を見る。
 すると白い糸が少女へ向かって飛んでくる。
 慌てて、少女を突き飛ばす。

「キャ」

 糸が僕の左肩をかすめた。
 何かしらの痛みがあるかと覚悟したのだが、軽く手で押された程度の感覚しかなく、どうやら直接的なダメージを与える攻撃ではないらしい。

 体が前に引っ張られるが予め覚悟していたので、腰を下ろし踏ん張っていた事が功を奏し、何とか踏みとどまった。
 引っ張られた原因は肩に貼り付いている粘着力のある糸だ。
 幼虫が吐いた糸は蜘蛛の糸のように粘着性があるようで、体を振ってみたが離れそうもない。

「外れろっ」

 思わず手を伸ばして糸を握ってしまった。結果、僕の右手は糸に密着している。手を開こうとしても指が完全にくっついているので、右手を完全に封じられてしまった。
 握りしめた幼虫もどきの糸に意識を集中する。
 そんな僕を見て幼虫もどきは再び大きく口を開ける。
 また糸を吐き出し、僕の動きを完全に封じるつもりのようだ。
 絶体絶命の状態。左右に避けようにも引き寄せられるのに抵抗して踏ん張っている状態で、片足でも浮かせれば一気に手繰り寄せられてしまう。
 幼虫が体を後方へ逸らした段階で、僕は、幼虫の元に自ら飛び込んだ。
 口元が大きく膨らんでいく。発射寸前なのは間違いない。

「ジュ――プギィィッ!」

 ザン

 と刀で【気】を発動させて斬り付ける。幼虫の斬る感触に顔をしかめる。
 そして、幼虫は悲鳴をあげた。
 幼虫は大きく二度痙攣すると草原へと転がっていく。僕は、都合3回ほど幼虫を斬り付ける。
 すると幼虫は光の粒子と化した。僕の肩にくっついていた吐き出された糸も光と化し消えていく。

「はぁ、はぁ、ギリギリだよ」

 僕は、石を回収すると、少女を連れてその場から離れた。



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