様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「――ッ!?」

 俺は外にいた。
 金の光が視界を埋めている。
 手足の感覚はあまりない。

「……」

 黙って自分を見つめているカナリアはいつもの魔装と違うことに驚いているようだ。

「……やはり、魔女はいたのね」

 銀髪の少女がそよ風のように脇を通る。黒い衣装から覗かせる白い肌が映えている。
 視界が低い。そしてこの感じ、カナリアの柑橘のような香りが鼻腔に広がっていた。
 俺の体が柔らかい何かに密着しているようだ。
 カナリアの体? 俺はカナリアの魔装になっている!

 そう認識したとき、俺の視界は一気に開けた。
 ルチェルのときの比ではない魔力の波。
 荒々しい魔力の本流がカナリアの中から感じる。

『なんて魔力だ……』

 刺々しく刺すような魔力はピリピリと微弱な感覚を常に纏う。
 ゴーレムが近づいてくると自然にその魔力によって分解されてしまうほどだ。
 カナリアは自身の手足を眺めてから敵の群衆に突進する。
 金色の光。
 この世で最も価値ある色が一本の筋となってゴーレムを打ち砕く。

 ――――。
 ――。

 一方的な暴虐で埒が明かないと分かったのはいつからか、数は減らしてきたものの消滅しないという点においては同じだった。
 マポルは死ねとか消えろとか連呼しているが、喉が涸れてきたのか今は後ろに下がっている。

『カナリア、聞こえるか? ヤツらを倒す方法がある』

 分裂には周期があり、分裂中に殺されたゴーレムは両方死ぬ。
 そして驚くべき事に同時に他の場所でも分裂中にあるゴーレムは死ぬことが分かっていた。

『分裂中の奴だけを狙え。そうすれば、自ずと数は減る』

 これが出来るのはカナリアしかいない。
 光の速度で砲台と化すカナリア、もしくはコーナだけだ。
 カナリアはマポルのチートの影響下で今声を上げられない。コーナに意思疎通させることはできないだろう。

『カナリア、君がやるしかない』

 じわじわと俺の股間に力が入ってくる。
 どうやら魔力が少なくなればなるほど俺の肉体的な感覚が増長されてくるみたいだ。
 ペニスがうねうねとした生温かい何かに包まれているのが分かる。
 一体どうなってるんだこの魔装は?

「うぅっ……」

 くぐもった声を上げながらカナリアが股を閉じる。
 徐々に荒くなっていく息遣いを感じながら俺はカナリアの魔力が消えていくのを感じていた。
 同時に肉体的な快楽が高鳴っていく。
 だめだ……まだ、だめだ……。
 俺も努力してみるが、カナリアの中はまるで魔力を貪り尽くす蛇がいるようにうねっている。
 脈動する肉に俺はしがみついた。

 ふとカナリアの太腿に垂れる一筋の赤を見た時、俺の気が一気に抜けて意識から硬直が解ける。
 ぶびゅうっ――。

『しまっ――……』

 視界が点滅する。戦っていることも忘れて意識がどこか遠くに引っ張られ股間があり得ないほど脈打っている。
 俺の限界がカナリアの魔装限界なのにこんなに早くイッたらゴーレムを倒しきれない。
 空中で急に失速したカナリアが地面に落ちる。
 そのまま両肩を抱いて小刻みに震えるとカナリアの魔力が爆発的に上昇し、周囲に朧気な蒸気を帯びさせ始めた。

「ふぅっ……ふぅっ……」

 獣のようなだらしのない息遣いでカナリアはゆらりと立ち上がる。
 直線上の甲冑が流線型を帯びたものに変わっていた。
 魔力の本流が甲冑の形状を変えてしまったらしい。
 冠のような兜まで出来てカナリアはまさに黄金騎士のようになっている。

『く……あと2回が限界だ』

 それを聞いてカナリアは何を思っただろうか。
 侮蔑や軽蔑とは違う、いやそんな余裕は見えない。
 瞳から涙を溢しながら敵に向かっていくカナリアに俺は慰めの言葉を掛ける余裕は無かった。

「ふっ、あっ……ぅっ」

 白い汗を撒き散らしながらカナリアが舞う。
 光に包まれ分裂する敵を目掛けて突進し、その敵を倒す。
 最初は拮抗していた数も次第に数を少なくしていくとカナリアのやろうとしていることが他の全員にも分かってきたらしい。

「グレン! 光り出すゴーレムを優先して叩け! コーナもだ!」

 大将、ようやく気がついたか……。

 視点移動しながら全体を俯瞰して戦ってやっと分かることだ。
 ヤツらは敵の目の前で分裂したりはしない。
 遠距離系の攻撃を持っていなければこの層は突破不可能。
 もう少しだ、もう少しで倒せる。

『あつ……』

 あそこに感じる熱が徐々に高くなってきた。
 俺は何も意識しないで精を解き放ってしまっていた。
 何か抜けている感じがすると思ったらすでにイッていた……。

『かな……りあ……』

 こいつ俺の魔力を絞り出すつもりか!

 さらに半分くらいになっていた魔力が倍増する。
 カナリアの金の魔装に色が着いた。
 ベールのような幕が背中に出現し、余剰魔力を循環させ始める。
 無茶苦茶だ……カナリアは熱に浮かされたような女の顔をしている。
 意識を保っているのもやっとだったのか。

 もはやルチェル同様、2回目以降は体の方が痙攣し続けてまともに動けていない。
 時折海老のように腰を折って子宮を跳ね上げる仕草をするが、そんなことをしなくとももう中身は一杯だ。
 とうとう倒れ込んだカナリアの意識が沈み、俺の意識がカナリアの体に浮上してくる。

『おいおい……冗談だろ……』

 ルチェルだけの仕様かと思ってたのに。

 ふるえる体で立ち上がる俺は周囲を見渡す。
 大将たちは壁際で戦っている。
 銀髪の少女もその前でひたすらゴーレムを砕いていた。

「……」

 俺が決められなければ彼らは死ぬ。
 俺はベールを広げて〔ゴーレム〕にマーカー。
 魔力放出を準備し、対象をロックオンしていく。

 力技も力技だ。
 もはや動き回って倒すのでは俺の方が持たない。
 ルチェルの経験からいくとあと2回で俺の意識も消えて魔装は解除されてしまう。

『くそっ、出るっ……ウッ――』

 ルチェルとは違う小刻みな痙攣。自然とカナリアの股が閉じたり開いたりしてあそこが震える。
 それでも中の方はルチェル以上に大胆な締め付けを繰り返してくる。
 子宮口が大きいのか俺の亀頭に何度もキスしてくるそこに大量の精を解き放つ。

 もう呑み込めないはずなのに新しく出たものを古いものと交換するようにカナリアの腰は何度も上下した。

『だめだ……射精感がなが、すぎ……』

 あとは魔力放出だけなのに一歩手前で快楽が俺の意志を刈り取っていく。
 カナリアお前の体が良すぎるのがいけないんだ……。

 変な言葉が頭に浮かんで俺はいつもの冷静な思考がやってこないことに今更になって気がついていた。

『いつもならもうとっくに賢者モードなのに……』

 いや、やってきていないわけじゃない。やってきてすぐに消えていくんだ。
 違いはこの体だ。
 ルチェルには胸がない。カナリアにはロケットみたいなのが2つ……。
 この豊満な肉体を俺のと擦り合わせているとあっという間にまだ出来るという気がしてくるんだ。

 ランク50のルチェルとは地力が違うという分けか……くそう。
 俺は子宮口の辺りを突きながらカナリアの体を貪っていく。

「はぁ……はぁっ――ぁっ……!?」

 何度も痙攣して一生懸命俺のを締め付けてくるカナリア、ほんとうに健気な反応だ。

「だが……この瞬間は俺が決めるっ!」

 行く直前にもやってくるクリアな思考。
 1秒にも満たないそこに俺は全身全霊で全ての破壊工程を注いだ。
 魔力放出と精液放出が重なる瞬間。
 俺の目の前は真っ白に染まった後、黒い幕が下りていった……。


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