様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 どこが焼かれるのか。
 それについてフレンは言及する。

「まずダンジョンの深層については現在189層まで進んでいます。そこにあるメモリと呼ばれる魔石が神話の伝承と同じ記録を残している」

「 記憶(メモリ)の魔石がそんな下層に?」

 フレンはフレデリアの手を握ろうとして叩き落とされる。

「真面目に話さないなら帰ってください」

「話しますとも」

 神話、もしくはマキトの英雄譚。
 その話は500年前に突如として現れた。
 たった500年で神話というのもおかしな話だが、記憶媒体の少ないこの世界では500年は神話の域のようだ。
 力を求めし愚かなる人間は地下へ身を隠し石となる。
 大地はその石によって穢れ、不浄を極めたとき不浄なる大地に現れし、黄金の竜。
 その光は瞬く間に人々を不浄でもって焼き尽くす。
 その竜に焼かれた人々は水を求めて彷徨い歩く。

「それは終焉の書では?」

「メモリの魔石ではセットになっているのです」

 彷徨い歩く 人間(まもの)に犯される人々は不浄を身に纏う。
 来たれと願う人の想いがこの世界に新たなる力を呼びつける。
 祖は神にして全能の者。
 災いを討ち滅ぼし力を持ったその者を人々はマキトと呼んだ。
 古の娘を従えて不浄なる者を(血と贖いを持って)救済し、世界に再び安寧を降臨させたし。

「これがメモリの魔石の全てです」

「人間? 魔物というのが神話のはずです、しかも血と贖いは聞いたことがありません」

「私も魔石によって初めて知りました。恐らくこれでも全てではないのでしょうが、終焉の書と神話が繋がった文を見たのは初めてです。500年前のダンジョンと言われていますから信憑性は高いものと見ています」

 俺はアリヤに揺すられた。

『起きてくださいハク様。2階が大変なことになってます!』

 見てみると3Pが始まっていた。
 マポルは裸の3人と時折交わってはびくびくと剥けたばかりの股間をびくつかせてその行為に夢中になっている。

『ほっとけ、あのチートでする命令もあれ以来事故は起きてないんだから』

『そうですけど……まだあんな小さいのに』

 外から俺にキスする者がいなければ出ることはできない。
 それに喋れなくなったカナリアを保護したのはいずれマポルに治して貰わないといけないからだ。
 それらを考えるなら放置がいいと思う。

「さて、ここの店主に何か食事を頼もう。あるいは外に食べに行こうか」

 言うまでもなく2階、俺の目の前ではマポルが全裸で絡み合っている。

「あなたとの外食は身の危険を感じますのでご遠慮致します」

 店主を呼びつけるフレンはあるものを用意するように頼んだ。
 さて、2人が食事している間にこの状況をなんとかするか。

『カナリア、ちょっとマポルに繋げて』

 目を見開いて首を振る。そんなに脅えなくても大丈夫だって……。
 しぶしぶとカナリアが手を翳す。カナリアの肩に手を置いて俺はマポルに念話のようなものを飛ばした。

『ええ、聞こえるかマポル君!』

「師匠!?」

 しかし、本当に凄いぞマポル……既に3人目のターニャにまで手を着けようとしているなんて……。

『ずっと見させて貰っていたが、君は女の子を服従させるだけで満足しているようだな』

 疑問符を浮かべたようにマポルが組み敷いたターニャを見下ろしている。

「でも、マウリールもシュリとは違った感じがあってとても気持ちよかった。こうやって女の子とどんどん気持ちよくなっちゃいけないの?」

 くそうらやま――じゃなくて今は目的を考えないと。

『考えてごらん。君のその女の子は今君の動くなという言葉に従って制止している。しかし、そんな道具のような女の子は物と同じ。そんなものはオナホールだ!』

「そ、そうか……僕は道具で満足していたんだ……」

 マポルは相当ショックだったのかゆっくりと裸のターニャから離れる。

『俺の国にはラブドールという女性そっくりの人形もある。女性と寝ることが自由に出来る君はラブドールで満足するのはもったいないとは思わないか?』

「で、でも……自由にさせたら逃げられちゃうんだもん」

 そりゃそうだろ。誰だって犯されると分かったらんなもん逃げるわ。
 でも逃げられないで犯される状況って意味分からん……ここはムレルだかフレルだかに振っておこう。

『下に居る男がその方法を知っている。――「わかった!」

 あ、まて! 俺をここから出せ!

 カナリアがかなりぷるぷると震えてきた。そろそろ魔力が枯渇するか?

『一旦止めよう』

『ッ――はぁ……はぁ……』

 何か言おうとしているカナリアは小さい口をぱくぱく動かしている。
 あれどうすんだ? みたいな顔してるけど、俺だってあんなの止められるわけがない。
 せめて男に目覚めてくれなければいい。

「フレン!」

 そうか、フレンって名前だったな。

「これはこれは勇者様、そんな生まれたままのお姿で勇ましいですね、そういえば今朝のお約束を忘れていました」

 フレデリアはしまったという顔をして急いで2階へ駆けていく。

「どうやって女の子に逃げられないで済むの?」

「ほう、これはまた異な事を。マポル様ほどの男前であれば大抵の女性は逃げはしないでしょう」

 いやそれはどうだ? マポルは別にイケメンじゃない。ただのエロガキだ。
 潰れた鼻から鼻水垂らして厚い唇の端から涎垂らしてるようなガキだぞ。
 フレンもそれは言い過ぎたと思ったのか、格好良く考える仕草をした。

「すみません、そうですね。女性というのは男性の何に惹かれて寄ってくると思いますか?」

「わかんないよ! 僕、この力で無理矢理女の子にびくびくってしてたんだ。けど、それじゃだめだって師匠が」

「師匠?」

 フレンは顔を上げる。

「うんっ、ジュエルっていうんだ。僕にびくびくを教えてくれた人だよ」

「それは素晴らしい師匠をお持ちのようだ。是非私もお会いしたいですね」

「いいよ、今出すね」

『は?』

 俺はまったく予期せぬ言葉に呆けてしまう。

「ジュエル来て!」

 馬鹿なっ!? チートで呼び出せるのかよ!

「うぉっ!?」

 両手を着いて四つん這いに召喚。
 顔を上げればすぐにフレンだ。
 こんなイケメンに顔を知られながらエロい話はしたくない。
 というか、イケメンのほうが絶対経験上なのに同じ土俵でエロ会話とかしたくねえ!

 山巫女の仮面を俺は取り出した。山巫女……お前の名誉は墓場まで持っていくつもりだっ。

「仮面の君がジュエルかい?」

「いかにも」

「師匠、フレンは教えてくれない! 殺していい?」

 おい。

「殺すのはだめだ。この男はこれからも君に助言を与える存在、もちろん君がよりエロエロになるために必要な男でもある」

 フレンはふと笑みを作る。

「お褒めに預かり光栄です、ジュエル。それで? 女性に逃げられない方法を私から聞き出したいということでいいのかな」

 お、なんだこの上から目線。

「そうではない、女性を用意すると言った君に活躍のチャンスを与えたまでだ。マポルに君が無能ではないことを証明してみせろ」

 フレンの瞳に怪しげな火が灯る。
 うおぉ……後に引けない。
 俺の経験ってこっちの世界に来てからだけだからマジで全部フレンに任せたいんだが。

「いいだろう。それで、マポル様は誰と気持ちよくなりたいのかな」

「ターニャとはまだびくびくやってない」

「…………」

 フレン、どうした。まさか妹だからといって手加減するようなことはないだろう。

「どうしたのだ、ターニャでは何か問題があるのか?」

「うっ、いや……マポル様の子を孕むのはいいと思う。しかし、私の手法を使うのは……」

「できないの?」

 マポルの顔が怖い。今にでもじゃあ殺すねとでも言いそうじゃないか。

「出来ます。ですが、私の妹に私のものが通用するかは未知数です。そう、まずはマポル様とターニャの関係が知りたいですね。試しに何か話に言ってみてください」

「わかった!」

 ――2分後。

 マポルが階段を降りて帰ってきた。
 頬に平手打ちの後がある。

「なんか叩かれたから殺そうと思った」

 おおおい!

 フレンが青ざめてるぞ。

「つまり、話し合いの余地もない相手ということですか」

「うん、もう今日はびくびくいいや。マウリールとシュリで満足したし後はフレデリアのおっぱいにする」

 気まぐれ旅行かよ。
 だめだこいつ……はやくなんとかしないと。

 マポルが去ってからフレンは椅子から転げ落ちた。

「くっ、無事かぁ……ターニャ……」

 なんだこのイケメン、精神脆すぎるだろ。
 不意にマポルがひょこりと帰ってきた。

「僕の石しらない?」


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