様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 勇者パーティの編成はこうだ。
 まず全員が10代から20代の女性で編成されている。
 年齢は全て俺のスキャンから算出したデータ上での憶測。名前だけは後から分かった者もいる。
 とりあえず全員分わかったから整理しよう。

・マウリール 11歳
 (回復支援 死霊術担当)
・ターニャ 15歳
 (精霊術担当)
・カナリア 16歳
 (魔女)
・フレデリア 18歳
 (回復支援 夜担当)

 尚、戦闘要員以外の女性が
・シュリ 12歳
・カミール 13歳 
・アンナ 14歳
 この3人については全員前の街から強請った王族直系の貢ぎものである。

 これに勇者マポル13歳を含めて系8人。
 まるで観光だ。

 すっかりクリストラの街からは離れてしまった……。
 つまり級友たちともある意味これでお別れだ。必ず帰りたい。
 カナリアがルチェルに話を通してくれればチート集団の出迎えが来てくれるとは思う……まあ、こっちもかなりのチートだが。

 勇者マポル。ふざけた弱々しい名前だが、その名前からは想像も出来ないほどの凶悪なチートを発揮する。
 マポルのチートは言霊の具現化。
 死ねとか消えろ、もげろとか禿げろとかある程度の意志を持って放った言葉は大抵現実のものとなる恐ろしいチートだ。
 正直俺の見てきたどのチートよりも太刀が悪い。
 自分自身への使用も可能で、足が速くなるとか力持ちになるとかそういう漠然とした言葉でさえ現実になってしまう。
 まさに最強最悪のチートと言えるだろう。
 というかこれ、世の中に存在していいのか?

 もちろんそんなわけだから13歳にしてもの凄く偉そうだし、敵なんかいないと信じて疑わない様子だ。

『あのぅ、ハク様』

 あれから3日は経ったか。
 アリヤと俺はこの密室空間で3日過ごした。
 敬語はいらないと言ったのに捨てられるのが怖いのか、家主が俺とでも思っているらしく気を遣って世話を焼きたがる。

 トイレや食事が必要ない空間だからまだ救われてはいる。
 暇になったら勇者たちの同行を観察してお互いに感想を言うのが日課みたいになりつつある。

『勇者様たちはどこに行こうとしているんでしょうか』

『知らないし、わからないよ。俺はあんまり旅とかしてきてないから』

 カナリアがまるでこちらの意図を察したかのように 勇者(マポル)に質問していた。

「この先にはイルムイトの領地となっておりますが、もしや国境を越えるのでしょうか」

「僕の行動に逆らうつもり?」

 マポルは少し機嫌が悪かった。
 基本的にマポルは甘えたがりなのか夜専門のフレデリアに抱かれていつも寝ている。
 最近は性欲というものに目覚めつつあり、いつもフレデリアの股間に皮に包まれた肉棒を挟んでいる。
 そういった知識はまだはっきりとはないらしく、フレデリアもそれで良しとしているようだ。
 当の本人のマポルはその緩慢な刺激に日々悶々と苛立ちを募らせているようだな。
 まああれだけ女性の線がしっかりとしたフレデリアだ。マポルが男として目覚めるのはそう遠くはないだろう。

「いえ、そんなことはありません。ただ、イルムイトの領地に入ると魔物も強くなりますのでご報告までに」

「いらないよ、そんな報告」

 カナリアは俺を睨んでいる。
 あんたが言ったんでしょうがみたいな顔されても困る。
 というか、カナリアに声は聞こえないはずだから単純に俺を見ているだけだろう。

 野営地は生憎の曇り空だ。
 立派な馬車で8人の旅だが、連れてきた姫様3人の様子を俺は毎日見てきた。
 このパーティの生活力は精霊術師のターニャが一挙に請け負っている。
 11歳のマウリールはターニャの指示に従って川辺で皿を洗ったりするだけだ。

「そろそろ、夜も更けるしみんなおやすみだよ。今日も馬車はフレデリアと奴隷姫だけだからね」

 4人は形だけ納得した返事をして設営したテントに入って行く。
 フレデリア以外はまるでマポルに好感がないようだ。

 俺も当然のようにマポルの首飾りとして入って行く。
 憐れにも衣服をはぎ取られた姫君3人は首に鎖を繋がれて人のそれの扱いじゃない。
 それでも大人しくしているのはマポルのチートによって思考力を奪われたからだ。
 この歳の子供は大人より残酷な側面を持つことを再認識させられたのはこうなってからだ。

「じゃ、今日はお前かな」

 紫色の髪をした女の前にマポルが立つと全身の衣服を脱ぎ捨てる。
 それをフレデリアが集めて綺麗に畳む。

「ほら、舐めるんだよ。いいっていうまで」

 チロチロと拙い舐め方に腰を引いたりしながら一喜一憂するマポルは少年そのものだった。
 完全に姫3人は玩具だ。

「ほら、もっと舐めて!」

 舐めようと迫ってくるアンナにマポルは腰を引いて逃がす。
 無様にも前につんのめるアンナを見てマポルはけらけらと笑っていた。

「そうだ、そっちのお前股開いて」

「いけません! マポル様!」

「あ」

 それは唐突に起こった。
 カミールが苦悶の表情で股を開くもその開脚は180度を優に超えてバキバキと間接が壊れる音を発する。

「ぐぎギ……」

 歯を食いしばり奥歯が割れる音がしてだらんとおかしな方向を向けた両脚はもはや開くなんて限度を越えていた。
 股間は膣を中心にばっくりと裂けるように見えていてフレデリアはマポルの視界を覆っている。

「もう飽きた……寝る」

 凄惨な光景だった。
 マポルにその意志がなくとも命令された対象はその現象を体現させられる。
 誰の基準かは分からないが、こんなものを幼少期に見れば女の身体に興味などなくなってしまいそうだ。
 そういった意味ではフレデリアはマポルをよく見ている。
 そしてマポルもフレデリアと寝るときは一言も発しない。

 勇者といわれる力は大きすぎて、そして幼い体に宿っていた。
 俺は固唾を呑んで死にかけた女を見る。

『あ、あの人死んじゃいますよ……』

『ああ……』

 裂けたところは容易に戻らないだろう。泡を吹いているし……。
 あんなものを見せられて気分が完全に萎えた。

 誰かの気配が馬車に近づいてきた。

「カナリアです。先ほど人体が破損する音が聞こえたのですが」

 そんな音分かるのかよ。

「そこのを回収して」

 フレデリアの胸に顔を埋めるマポルを横にカナリアが壊れたアンナを引き摺っていく。
 滅茶苦茶シュールな光景だ。

 一国の姫をそこのとか言ってるあたりがもはや人間のそれじゃない。
 他の2人も涙を流しはするが、声を発することを禁じられているので口をぱくぱくとするだけだ。
 こんな恐ろしい少年が大人になったらどうなってしまうんだろうか。
 カナリアは転移門を開いて王国へ返しに行ったようだ……。あんな変わり果てた娘をどんな顔をして受け入れるのか想像を絶する。

『ハク様、絶対に外には出たくなくなりました』

『奇遇だね、俺もだよ』

 その日はなかなか寝付けなかった。

 次の日のマポルは昨日に輪を掛けて機嫌が悪かった。
 昨日の出来事でマポル自身もフラストレーションが溜まっているのだろう。
 ううん、全くもって危うい状況だ。
 カナリアが御者台に乗り、休み休み馬車を走らせているものの時折魔物にエンカウントしたマポルは死ねではなく、粉々になれと言っていた。
 まるで自分に向けた言葉のようにも聞こえてくるから不思議だ。

 今はさして美味くもない保存食を各々口に含み、みんなで一服している。

「このまま進むと西の国境が見えてきます。一応聞きますが、通行証の類はありますか?」

 もはやカナリアは勇者と会話していない。
 フレデリアが薄着の身体をカナリアに向けて声を上げる

「勇者の文様が世界に通じる通行証です」

「そうですか」

 それはさしもの魔女も知らなかったのか。
 話はそれだけと言わんばかりに一行は進んで行く。

 2日経ってマポルがまた姫をダメにした。
 おしっこの臭いがすると姫にダメだししてきちんと拭くように言ったら股間が擦り切れてしまったのだ。
 マポルの力は万能ではないことを知りながら共に旅をしている3人はどう思っているのか。
 カナリアに至ってはそれらを冷静に見ていたが、際立った行動は未だに起こしていない。

「見えました」

 聳え立つ灰色の城壁。
 旅の末に辿り着いたその城門の前までいくと兵士が荷台の中を見てぎょっとした声を上げた。

「奴隷商の方ですか?」

「ここにおわすのは勇者様だ」

 マポルの金の腕章を見て兵士は目を丸くする。

「し、失礼致しました!」

 フレデリアの声に背筋を一度は伸ばすものの、兵士はすぐに弛緩してだらしない嘲笑を浮かべた。
 意外にもマポルは切れなかった。
 遠ざかるとフレデリアに甘えるように胸に飛び込む。

 そうか、普通の街ではこういう反応なのか。
 そりゃ誰彼構わずイラついたら殺していたら人間社会は全ての存在意義を掛けてその者を消しにくるだろう。
 マポルは小さいながらにも殺していい人間とだめな人間を心得ている。
 最も殺してならないのは民間だというのがマポルの見解に違いない。

 民を殺せばそれを束ねる王も考えなければならない。しかしそれなりの重役ともなればマポルに無礼を働いたという言い訳が立つ。
 なかなか賢い子なのかもしれなかった。
 城下町を馬車で横断し、小高くなったところに聳え立つ城へ近づいて行く。
 ところどころに様々な色の煉瓦が組まれた家があり、なかなか文明の度合いが高く見える。
 城の門番はこの馬車を止めるとフレデリアの言葉に驚いていた。

「ゆ、勇者様がわざわざ来て下さったのですか?」

「西北の巨大ダンジョンへ向かう。そこまでの道のりを援助してほしい」

 フレデリアがマポルの代わりに城の門番へ説明している。
 あれだけ持て囃されていた街でのマポルとは似ても似つかない対応の違いだ。
 待合室に通され、日取りを明日にされると一行は部屋を宛がわれた。

 奴隷を引き連れて部屋に入った3人はそれなりに疲れの色を見せている。

『勇者様……』

 アリヤはここのところすっかり勇者に同情してしまっていた。
 まだ13歳にして過酷な旅だ。
 フレデリアのような母親然とした女性がいなければこの少年の心はとっくに折れていたかもしれない。
 そう思わせるくらいにマポルはフレデリアに依存している。

「どうして僕なんだ……どうして僕ばっかり」

 マポルは今まで吐いたことのない弱音を吐いた。
 豊満なフレデリアの胸に抱かれたマポルはぶつぶつと不平不満を呟いていた。

「だいじょうぶ、みんな協力してくれます。これが終わったら世界はマポル、あなたのものになるのです」

「僕は世界なんかいらない。フレデリアがいればいい」

「ありがとう、でも私は世界もマポルも欲しいの。そうしないと、悪い人が私を殺してしまうから……」

「それは絶対にやだ!」

 どんな事情があるにせよ、この密室ではお互いの打算が見え隠れしていた。

『アリヤ、よくこんなので感動できるな……』

『だって……可哀想じゃないですか、マポル君のお姉さんは命を握られてるんですよ』

 どこまで本当かは知れない。
 この豪華絢爛の部屋に蚊帳の外としている最期の姫。シュリは無表情でマポルたちに視線を向けている。

「マポル、そろそろ心を落ち着ける方法を覚えていきましょう」

 そのとき、部屋にノックが響いた。
 フレデリアが緩慢にノブを回すと立っていたのはカナリアだ。
 少し背が低いが、芯のある瞳でフレデリアとマポルを交互に見る。

「侍従長がお呼びです。明日の謁見の手はずを確認したいそうです」

「わかりました、マポルのこと少し見ていて下さい」

 この時初めてマポルとカナリアが一緒になった。
 フレデリアが退室するとカナリアはテーブルに置かれたペンダントに一瞬視線を泳がせる。
 ひょっとしたらという淡い期待の下、カナリアはまるでそれを察したように俺の目の前まで来た。

「マポルさん、1つ聞きたいのですが、このペンダントを着けることで何か変わったことはありましたか?」

「……何も、お前僕にそんなことを聞いてどうするつもりだ」

 堅い対応にやれやれとカナリアはペンダントを持ち上げる。

「使い方をお教えします」

 ……え? よせ、よせったらおい!
 どんと浮遊感の後に俺が部屋に落ちてしまう。
 あれ? 俺1人?

「やっぱり……魔力を逆流させるとあなたが出る気がしていたのよ」

「か、カナリア……」

「誰コイツ」

 ヤベぇ! マポルにめっちゃ見られてる。
 てかなんで俺を外に。

「ふふ、さあ、マポルさま。ここにいる男を殺して下さい。この者は不法に入って来たので」

 なんとまあ、俺を売るのか。
 ああ、ルチェルの一件を根に持ってるのかこいつ?
 くそ、もうどうにでもなれだ!

「俺は怪しいもんじゃない! マポル君、君の苦悶はよぉおくこの俺が見させて貰った」

「え……」

 戸惑うマポルに俺は矢継ぎ早に続けていく。

「思うに君は今まで年上の男と仲良くしたことがないだろう? じゃなきゃあんな苦しい思いをいつまでもするわけがない」

「何を言ってるんだ」

「君が夜、フレデリアに抱かれている時の君の気持ちを当てて上げよう。どうして僕はいつも変な気持ちなんだろう、あそこが熱いよ。なんか変な気分だ」

「……」

 俺は大げさに両腕を上げて首を振る。

「勿体ないなあ。実に勿体ない。君は誰よりも力を持っているのにその力の使い道をいいように大人たちに操られている」

「デタラメを言うな! 殺すぞ!」

 一瞬背筋が凍ったが、殺すといえば誰でも怯むと思っている感じが逆にイラついた。

「その証拠の1つに君自身がこの旅を楽しんでいないことを上げさせて貰う。楽しいか? 誰もがうらやむような美女を周りに侍らせて置きながら君はこの旅で笑顔1つ見せなかった。何故か……その答えを俺は知っている」

 考えろ、考え続けながらこのガキの興味を引く会話を探るんだっ。

「なんだ?」

「気持ちよさだ」

 少年の顔がぴくりと反応する。

「思うに君は全く気持ちよくないと思っている。本当は気づいている、フレデリアのお股にちんちんを入れているときや姫様に舐められたときにこそばゆさと同時にわずかな気持ちよさがあったことを……」

「それは……ッ」

 マポルが声を詰まらせる。

「誰かにダメだと言われたんだろう? フレデリアか」

 あの女見た目はエロスの化身のくせして中身はガチガチか。

「いけないよ、マポル。君は全てを自由にできるが故に全ての愛を享受する権利がある」

「いけません、マポル様。この男の言葉を聞いては――「黙れカナリア!」

 うぐっと声を噤んでしまうカナリアはその場に尻餅を着いた。
 怖えぇ。なんとか会話を続けなければ……!
 震える脚に鞭打って立っているのがやっとだ。

「そうなんだ、僕のことを誰も愛してくれない。愛、愛ってなに?」

 マポルの目がキラキラしてきた。

「愛とは好かれることだ。慈しみ、本当に大切だと他人から思われること。君にはいなかったのかい?」

「いた……いたけどみんな僕が殺した……」

 そらきついわな。最後がフレデリアってことか?
 そうか、それで加護を求めたか。フレデリアか自分自身かはわからないが、声のチートを無効化するために。

「大丈夫だ、俺が君を導こう。心を解放すれば愛は内から感じられるものだ。さあ、そこにいる奴隷姫をベッドの上に運ぼう」

 すまん、姫。俺の命のために犠牲になって貰う。

「でも僕……いつも変な命令して失敗しちゃうんだ」

「うん、それは君のせいじゃない。君が求めているものを引き出せないせいなんだ。大丈夫、声にしなくても気持ちを行動で表すんだ。そうすれば、君は必ず求めていたものが手に入るはずだ」

 何言ってるのかもう自分でもわかんねえ!

「う、うん。そうだね」

 マポルは裸になる。次いで俺も姫を裸にした。

「さあ、見てご覧。君が見たがっていた不思議な場所だ。よく目をこらして近づいて見るんだ。そう、もっとだ……もっと……何か感じてくるだろう? でも言葉にしないんだ。さあ、自分の体で一番熱いところを触るんだ」

 マポルは迷うことなく股間に手を持っていった。

「ドキドキするか?」

 マポルは頷く。
 俺は姫の狭い膣道に小指を入れてゆっくり出し入れしてみせる。

「見ろ、ここに穴があった。不思議な穴だ……まるで生き物のように蠢いている。美しいと思うか?」

 マポルは何度も頷いた。まるで宝石でも見つけたような羨望の眼差しを俺に向けているではないか。

「さあ、君もやってみるんだ。はぁ……ゆっくり慎重に……はあ」

 俺は緊張で呼吸が荒くなってきた。
 喉はカラカラで今にも吐きそうだ。
 これで入らなかったら俺は殺される……だめだ、今は会話に集中しろ!

「どうだ、だんだん湿気ってきただろう? マポル君のそのギンギンに逞しくなったちんちんがその中に入るのを想像するんだ」

「だ、だめだ……我慢できないよ……」

「よし、手助けしてやろう」

 マポルの股間を姫の股ぐらに近づけて導いてやる。
 柔い。これが13歳のちんちんか……まだ剥けてすらいないが、入るか?
 背徳感と緊張感とで視界がぐらぐらしている。

「入らない……」

「落ち着け、落ち着くんだ。誰でも最初はそうだ、唾で良く濡らしてゆっくり宛がうんだ」

 入らないという言葉はチートになってしまわないか?
 待て、どうせ入るかは入らないかでいうならここでチートを使わせるのがいいか。

「マポル、今こそ君の力を解放するときだ。入ると言うんだ。僕のぴんくおちんぽがはいると!」

「うん! ぼくのぴんくおちんぽがはいる!」

 吸い込まれるように姫の股にマポルのナニが入った。
 や、やった……やり遂げたぞ……。

「い、いたい……」

「なに?」

「いたいいたい!」

 まずい、キツすぎたか!?
 マポルの表情は必死だ。抜こうにも痛くて動かせないといった感じか。
 姫の表情も苦痛に歪んでいる。前戯が足りるとか足りないとかじゃなかった。

「大丈夫だ、ぬめぬめできもちよくなると言うんだ!」

「うんっ……ぬめぬめできもちよくなるっ!」

 希に分泌液が足りない女性というのはいるが、マポルの場合は包茎チンポだからより敏感なんだ。
 中に入ったときに剥けてしまったのかも知れない。

「き、きもひ……」

 マポルはぎこちなく腰を動かしている。

「いいだろう? そのままゆっくり動かすんだ」

「なんか、変な感じ……体がぎゅってなる……」

 俺は年端もいかない子供にナニを教えてるんだ……!?
 ダメだこんなところでやめるわけにはいかないっ。俺の命が。

「そのまま好きなだけ繰り返せ」

 途端にマポルの体が止まる。荒い息を漏らして姫の胸の上に倒れ込んだ。

「なんか、びくびくってなった」

「それでいい。どうだ、変な感じはあるか? マポル、今のお前は解放されているはずだぞ」

「うん、兄ちゃんの言ったとおりだ……変な気持ちが全然ない。すごくすっきりした」

 マポル。大人の階段を上ったな。

「じゃあな、少年。また気持ちよくなりたくなったらお前のチートがお前を救うだろう」

「うん、ありがとう! 兄ちゃん名前は?」

「ジュエルだ。愛を囁けば全ての女性はお前に愛をもたらす、これを忘れるな」

 俺は二本指を揃えて額から倒し、カナリアごと石に戻った。

『あ、ハク様……どうやって外に出たんですか?』

『はあ、死ぬかと思った』

 こいつのおかげでな。
 俺は首を横に振って声を出そうと四苦八苦するカナリアをどうしようか考え倦ねていた。


Menu

メニューサンプル1

メニューサンプル2

開くメニュー

閉じるメニュー

  • アイテム
  • アイテム
  • アイテム
【メニュー編集】

編集にはIDが必要です