様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 俺は朝になるシュレに起こしてもらった。
 蘇り……ふふふ、この俺は今や無敵の男となった。
 分かるな、北島の気持ち。
 この圧倒的存在感。ラスボスの力をさらに越えてしまった感覚。

 まあ、それでもよく考えたいのでまだ40億ポイントは保留中だ。

「保存食を買いました」

 俺たちは絶賛買い物中だ。
 それなりに人混みが激しいから小柄なシュレは突き飛ばされて、俺の胸元に抱きかかえながら歩くことになった。

「食料品重そうだな。持とうか?」

「ですが、殿方に持ってもらうのは」

「それなら問題ない。俺の本体に保管すればいいだけだから」

 シュレは人混みから離れて人気のない方へ歩いて行く。
 それが間違いだったのは言うまでもない。

「んっ……ふっ……ふッ――」

 嫌な息遣いがだんだんと大きくなっていき、目に飛び込んできたのは一糸纏わぬ男の筋トレ風景だった。
 腕立てふせをしているのに輝くケツが妙に締まっていて岩のようだ。
 人間楽をしようとすると悪い方に転ぶというわけか。

「きゃあぁああ――」

 相当シュレは驚いたらしい。

 全身から滴る汗。隆々とした筋肉。
 もっこりと黒い毛に覆われた股間から伸びるだらしない肉棒。
 こちらに気づいたマッスル男はシュレの前に立つとかなりの巨漢だった。
 顎が張った極太の眉を持ち、その唇はタラコのように厚い。

「なんだ? 何を恐れている。何も怖がらなくていい。私は何も隠していないのだから安心したまえ」

 前を隠せ前を。
 仁王立ちする男はまさしく全身真っ裸である。

 慌てて逃げようとする俺たちの前に回り込んだ男は口を覆うように考える仕草をする。

「思うに君たちはここへ何かをしに来たのだろう。私には構わず、さあ、やりたまえ」

 鋭い。男の一物はまだ下を向いているからシュレがどうこうなることはないと思いたいが。

「そ、そこをどいてください」

「それは出来ない。何故なら君たちの邪魔をしたのは私だ。私の流麗な筋肉と私の圧倒的な肉汁が本来ここで行う君たちの行為を台無しにした。それはつまり、肉の罪」

 なんだこいつ……何を言っているんだ……。

「わ、私たちは何もしにきてません」

 指を左右に倒す筋肉男。

「それは嘘だ。君たちはその服の下にある肌を隠すように嘘で自分を覆ってしまっている。解放するんだ、己の全てを」

 宗教か? 宗教なのか?

「そうか、解放の仕方がわからないのなら私が見せて上げよう」

 筋肉を隆起させるポーズをとりながら(サイドトライセプス)→(オリバー)→(サイドチェスト)男はふぅと息を大量に吐いた。

「これが美しさだ。全てを見せる心。全てをさらけ出す心。そしてそんな自分に自信を持つということ! さあ、まずはお互い名乗ろう!」

 シュレと俺は完全にどん引きしていた。というか両手で目を覆ってしまった。
 今度は背を向けた。

「我が名は筋肉の王国。ザ・キンニズムだ」

 ひどい名前の男もいたものだ。

 でも自分で筋肉王国を自称するだけのことはあって逆三角形の見事な体型はボディビルダー顔負けの凄まじい隆起だ。

「キンニズム君。今日もやってるかね」

「お、おおこれは我が盟友、スパーク君か。今朝は早かったでござるな」

 きたじまぁああああ!
 またこいつ裸だよ! しかも今度は仮面さえ着けてねえ! どうしてそうなった!?

「なんと! そこにいるのはもしや俺の級友の狭間じゃないか」

 お前ら2人ともパンツくらい履けや!

「そうだったのでござるか」

 キンニズムはいきなり口調が壊れてるが、どうした? かなりキモいぞ。

「きたじまぁあああ――!!」

 北島の頬を俺は思い切りぶん殴った。

「はべしっ」

 拳が痛てええ! だがそんなの関係ねえ。

「見損なったぜ北島。お前はただの変態どころか犯罪者の域まで到達しやがって!」

「誤解だっ、この街では裸でいたって誰も文句は言わない。チンコびんびんでエロ単語を絶叫しながら 真(ま)っ 裸(ぱ)で歩いても誰も捕まらないんだよ!」

「そんな街あるかボケェ!」

 キンニズムは俺の腕を掴んだ。
 見た目の筋肉通り俺の腕はぴくりとも動かなくなる。単純質量の差か。

「それが本当なのでござる。この街では全ての性癖が許されているのでござる。 幼女趣味(ろりこん)も露出狂もうんちぶりぶり君も全員1人でやる分にはオールOKなのでござる」

「ハク、聞いてくれ。この世界に来てから俺は妹にクズ呼ばわりされ、眞鍋さんには変態扱いの挙げ句絶交され、そしてコウにも友情を裏切られた男だ。もうここしかだらだらと生きていける街はないんだよ」

 後半のだらだらって何だよ!

「北島……俺はてっきりお前が悪を裁く正義の味方をやっていると思っていたんだがな」

「そ、それこそ本当に誤解だ! この島にはヤマミコという悪党がいるとこの街の地主から頼まれている。確か求人募集欄には死なない奴が条件だった。それで俺は来ている」

 一歩遅ぇえ! そして玄武えげつな。よくそんなアホみたいな求人出せたな。
 というか、北島死なないの?

「死なないというより、どんな攻撃を受けたところで効かないな。全身が雷、つまりゴッド雷神だ」

 なんだよそのホット湯沸かし器みたいな名前は。
 しかしそれだと俺の蘇りチートが霞んでしまうな……ああ――蘇りとかチートでも何でもねえわ。

「スパー君は私の盟友にして最強の友。私達は感化し合い、お互いをより高めていくのでござるよ」

  温泉(スパ)君に聞こえてきたの俺だけか?

「キンニズム、お前だけだ。俺を理解してくれる真の友は……」

 がしりと腕を組み交わす2人を見て俺は頭痛がしてきた。
 湯上がりのテンションきめてんじゃねえぞ。
 こんなやつが同じ地球人だったなんて。

「北島、今のお前何も……パンツ1枚すら持ってないじゃないか」

「何言ってるんだ。ちゃんと玉袋がついてるだろ」

「いやそういうのいいから」

「ッチ、捨てたよ。文句あるかよ」

 こいつ態度急変したぞ。

 何か黒いものを背負って北島がぬらりと立っている。

「雨が降ったよ。あの後すぐ、街を出てすぐだ。やってられねえと思った。服を着てると良い子ちゃんな自分がこれじゃいけないって言ってくるんだ。……んでよ、街に戻ってすぐ仕事を貰ったんだよ。結構大変な討伐隊が組まれる話でよ。俺は一夜で結構な額を稼いだ。いやぁ、女とヤリまくって豪遊してからはたと気がついたんだよ。俺の正義はどこへってな。」

 ――服のせいだろ……どう考えてもよ。俺が服なんか着たせいでよくわからねえ女と一日中やりまくって穢れちまったんだ。

「俺はもう二度と服なんか着ねえって心に誓ったぜ。これからは身も心も完全解放して悪党だけぶっ殺して金品を奪い、そして気楽に生きていく」

 長い長い長い!
 しかも動機がクズそのものじゃないか。そら妹にも見限られるわ。

「そう、俺は生まれ変わった! その名も真・スパァァアッっあんっク――ジュエルッ!」

「そして! 雄大なる筋肉の園! 我が名はキンニズム――っうん♡ジュエルっん!」

「「我ら正義の刃と盾! ジュエルんズ!!」」

 やべえ、精神的にも肉体的にもチートな奴が異世界で好き勝手するのはやべえよ。

「じゃあな北島。達者でやれよ」

 俺も見限ろ。

「フッ、邪道の道が交わるとき正義の雷がお前を救うだろう」

 完全に中二退行してるな。

 シュレの横抱きにして連れていき俺が去った後、後ろで悲鳴が上がり続けていたのは言うまでもない。
 あんな筋肉男(マッスルマッパ)まで仲間に入れて……あいつらはどうなっていくんだろうか。
 まあ、旧友のよしみで困っていたら助けてやるくらいはしてやるか……。

「話は終わったのですか?」

「まあ、な・・・ところでシュレの得意なものって何だ?」

「私ですか?そうですね。剣とか得意です」

 シュレが剣を見せてくれた。

「そうか」

「それがどうかしたのですか?」

「実は」

 ハク説明中

「ですがそれで強くなっても」

「まあ、そうなんだが、俺はお前が心配だから、だから頼む」

 シュレを真剣に見つめながら言う。

「・・・わかりました」

 シュレが顔を赤くして頷いた。
 その後、宿に戻り、ご飯を食べた後、シュレを絶頂させた後、魔石に戻り、シュレのポイントをあげることにした。
 まずは頭から知力の他にも智力や思考速度、ストレス強度、精神力やひらめきなどがあることはすでにルチェルのときに体感済みである。そこで、智力と精神力とひらめきなどを挙げた。ほかにも柔軟性や器用さといった戦闘などに関係あるポイントに振った。
 次に美容に関係ある、肌の弾力や髪の毛の艶などにポイントを振った。
 そして、次にSEXに関係ある性感帯や股間敏感などにポイントを振った。
 全部で6000ポインを消費した。
 戦闘が1000ポイント、美容が3000ポイント、SEXに関係あるのが2000ポイントである。


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