様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 朝起きて、俺の腕の中で真っ裸のままスヤスヤ寝てるシュレをかなりの時間ウットリと眺めてからそっと起こした。
 そしてまだボ〜ッとしてるシュレの小さな体を抱きしめる。



「あまりもてなせなくてすまなかったな、ハク」

 俺の視線にウンカは疑問符を浮かべている。

「そうでもないと思いますわ。ウンカ様」

 とロウカが答えた。

「どういうことだ」

「シュレがおもてなししましたわ」

「・・・そうなのか・・・・シュレは」

「ですが山巫女様を倒した方ですから、大丈夫かと思いますわ」

「そうだな・・・」

 トテトテ

 と歩いてくる音が聞こえた。
 見るとシュレがいた。
 なぜか朝見た時と違う服装をしていた。

「・・・お兄様・・・おはようございます」

「ああ・・・その服は」

 ウンカが驚いた顔でシュレを見る。

「私がシュレにその服にしたほうがいいと伝えましたの」

「そうか」

「もう最後になるかな、ほら俺からの選別だ」

 手渡されたのは軽い包みだった。

「なんだ?」

「服だな。お前その恰好はいくらなんでも目立つぞ」

 確かにウンカには目立たない旅をしたいと話したこともあったか。

「ありがとう、恩に着る」

「普通に着ろよ?」

 あれ? 通じてない。
 日本人じゃないから当然か。



 馬車が外で待っていた。
 白塗りの塀だけみると日本だよなあここ。

「ガウガ、来てくれたのか」

「ああ、俺の命の恩人は俺が果ての街まで面倒みてやるぜ」

 果ての街ってなんだ?

「ハクとシュレも達者でな」

「お、おう・・・って・・・シュレもどこか行くの」

「・・・話してなかったのか」

 ウンカがシュレに聞く。

「はい」

 シュレが俺に向き直り

「不束者ですが、よろしくお願いします」

 頭を下げた。

「ああ」

 尚も疑問を浮かべるハクにウンカが

「シュレは俺の嫁候補だったんだが」

 その言葉で汗が流れるハク。

「この服装は旅装束になります」

 確かにシュレのかっこうは歩きやすそうな服であった。

「つまり大陸まで一緒に来てくれると」

「はい」



 そんなすったもんだの末、シュレが旅の仲間に加わった。
 ガウガが叫んだ。

「勇者様ご一行、出発――!」

 よく揺れる馬車だ。
 朝日が俺たちの道を照らす。
 次の街は少し遠くのようだ。



 ガウガと別れたのは日の暮れ出した頃だった。
 俺とシュレは果ての街と呼ばれるこの島の出入り口に来ていた。
 海に面したこの街は月に2,3度くる貿易船とやりとりしているらしい。
 ここはかつて四神の1人である玄武が治めていた土地で玄武の死後はガウガは代理を務めているのだとか。
 ガウガから金を手渡された。
 そういや宿についてガウガにその辺聞いておくべきだったな。

 この街は煉瓦造りの建物も多い。
 少し肌寒いのは海に面しているせいか?
 潮の香りが強い。

「すみません、この辺に宿はないですか?」

「宿? ははあ」

 なんだよははあって。

「宿なら向こうだよ。ま、楽しみな」

「どうも」

「ここは!」

 通りに男女のアベックばかりになってきたあたりから何かやな予感はしてたんだ。

「もう日も暮れたし俺はどこでもいいよ。何なら石に戻るしさ」

 シュレはそのイチャイチャしたカップルだらけの部屋に早くも顔を赤らめている。

「いらっしゃいませ」

 大人しい雰囲気を纏った優雅な女性が現れるとさすがに俺も気後れした。

「当店は男女限定のカップル宿となっております。お部屋は1泊300エルです」

 真珠を平たく潰したようなお金に店主は驚いておつりを計算し始めた。

「ええと……49700エルのお返しです……」

 じゃらじゃらと両手一杯のおはじきみたいなお金が返ってくる。
 ガウガの奴。もう少し気を利かせてくれたっていいだろうに。

 というか、これ100個くらいもらったんだけど、500万円くらい寄越したってことか?
 金持ち過ぎるだろ……。

 というか、ウンカからもお金もらったんだが、合計で3000万円ほどくれたのか。

 部屋に案内された俺たちは早速荷物を降ろす。
 もちろん、金しか入ってない鞄がどしゃりと変な音を立てて店主は目を丸くした。

「そ、それではごゆっくり……ほほほ」

 最後の笑みが余計だよ。
 駆け落ちした男女を見るような目、それ違うから。

「あの、どうしましょう?」

「そうだな。貿易船について明日港に聞くことにしよう。それまでは自由行動だな」

「・・・はい・・・・あの、私も一緒でいいのですか」

「構わないよ・・・今日の所は、ご飯食べて、体を拭いたら、俺は魔石に戻る・・・できれば起きたらキスをしてほしいだけどね」

「・・・はい」

 シュレが顔を赤くしながらうなずいた。
 シュレとともにごはんを食べ、シュレの体を拭いた。
 その際、いたずらでシュレを絶頂させ、眠らせたが些細なことだろう。


 久々に石に戻って驚いた。
 いや、そりゃもう驚いたね。
 ポイントが……いち、じゅう、ひゃく、せん……。
 52億1798万と893ポイント。

 とうとう俺の石としての機能もバグったか。
 52億て。
 確かに山巫女は強かった。死んでも生き返る不滅の魔女だったわけだし、それを取り込んだ俺の魔力が伸びたのも分かる。
 しかし、しかしだ。経験値として変換したらここまでになってしまうとは。
 宝くじで億万長者にでもなった気分だ。

 しかしなあ、これを片っ端からシュレに振っていったらオールMAXステータスになるわけだよな。
 高速排尿とか(食事)消化率とかどうでもいい項目もあるわけだし、慎重にやらないといけない。
 たしかMAXは99だったっけ?
 なんとかしてこのポイントを隠すようにできないか項目を見ている。


 見つけた。
 山巫女の使っていた魔術や魔法の類を習得できる項目があった。
 魔術の方は術という方法論しか書かれていない上に外で使う機会が少なそうだったので一旦置いておく。

【山巫女の魔法】(現在の対象者はハク)

・蘇りの魔法 10億P
 (施術者は呪われ続け、死亡時に発動。使用時の年齢のまま蘇りを得る。
  消耗したものは全て元に戻る。知識や経験は引き継がれる。)

・桜の足音   1億P
 (設置魔法。対象を捕縛する触手を召喚する。物理的なダメージ無効。
  解除には施術者の意志、もしくは完全な死亡が必要となる。)

 ふむふむ……他にも色々ある。
 俺今凄いこと考えてます。
 もし今10億P支払って蘇りを得る、42億Pになったとして、
 それを0まで使い切った後に死んだらまた42億戻ってるんじゃ?

 なんてことだ、チート×チートで超絶チート完成や。
 それにしてもマジでいいのか、これ試す価値ありだよな?

 仮に42億Pを失って戻ってこなかったとしても俺が蘇りの魔法で生き続ける限りはまたチャンスはやってくるだろう。
 山巫女それにしてもすげえ量の魔法を習得してたんだな。
 鉄火とかいう魔法が体内の魔力を爆発的に上昇させ、その後死亡するって書いてある。
 蘇りの魔法がなきゃ絶対使えないな。

 蘇りの魔法を習得した。
 ううん、蘇りのチートか。
 俺もこれでみんなの仲間入りだな。
 その他にも鉄火や桜の足音を習得した。
 それでも40億Pほど残っている。
 ほかに何かないか?


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