様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 シュレに抱きかかえられたまま寝床に入った。
 俺はその間、彼女の腕の中で光ったままであった。
 とりあえず、ウンカの様子でも見に行こう。

「ツバキの舞――」

 そこでは少女とウンカが激闘している様子であった。
 そしてウンカが何かを言ったとき、その姿がブレた。
 薄い刀が高速で周囲を駆け回る山巫女を捉えたのだろう。衣服の切れ端が落ちる。
 たんたんと床を踏む音が聞こえた。
 山巫女の足跡に桜色の魔力が残っている。

 ウンカの姿も消えると壁に血糊が吹いた。
 決着したように2人の姿が現れると首を斬られた山巫女がよろけていた。
 抑えた首元から今もとめどなく血が溢れている。

「魔女……殺し――」

 崩れ落ちた魔女の後ろに立つもう一つの影。

「山巫女様、やはり朱雀と玄武を殺めたのもそのお力ですか」

 寸分違わぬ2人目の山巫女がそこにいた。
 仮面を着け、血溜まりに伏した山巫女の脇に立っている。
 全く同じ武器を手にし、戦う前と全く変わらない姿。

「よくやったウンカ。一度でも魔女としての私を殺せたのだ、誇れ。そしてもう一度私を殺すんだ……私という 存在(チート)が世界の理から外れるまで……」

 そこで俺は視点移動をやめる。
 俺はEメーターの消費を惜しまずシュレに体当たりする。

『シュレ!』

「え・・・何……」



 シュレに事情を説明する。

「そんな、お兄様が」

『俺をその場所まで連れて行ってほしい』

 シュレが走り出すが、その歩みは遅い。

『シュレ、このままだと間に合わない』

「どうすればいいのですか」

『あんまりこの手は使いたくないだけどね』

「それでお兄様が助かるならしてください」

『やり方を聞いてからして了承してほしいだけどね。シュレは俺とキスできるか』

「キス・・ですか」

 シュレの顔が赤く染まっていた。
 やっぱり恥ずかしいよな。
 
 しばらくするとシュレが俺に顔を近づけてきた。
 そのままシュレと俺はキスをした。
 俺はシュレを抱きしめた。
 Eメーターが増えているのがわかる。
 そしてシュレとのキスを終える。

「俺はいくよ」

「待ってください。わたくしも連れて行ってください」

「いいのか」

「はい」

「じゃあ、行く」

 シュレを横抱きにして、俺は窓から飛び出した。

「キャ〜〜」

 シュレが悲鳴を上げ、こちらをぎゅっと抱きしめる。
 ハクの鼓動もシュレに抱きしめられドキドキとしだした。
 Eメーターが上昇。
 そのまま、ハクはシュレを連れて、急いだ。



 城に近づき、3階に行くとロウカという少女に出会った。

「あなたは・・・それにシュレ」

 驚くロウカ。

「ロウカさん・・・・お兄様が危ないです」

「そんな」

 シュレ事情説明。

 ロウカが決意し、一緒にウンカのもとに向かう。
 そして、4階に行くと手に取るように分かる2人の間にある張り詰めた空気。
 先ほどとは段違いの互いの闘気が踊っている。

『あいつ……死ぬ前より強くなってやがる……!』

 あれが魔女だったとしたら人間の器しか持たないウンカが勝てる道理はない。
 いや、俺自身が魔女という存在をただ魔法という力が使える程度の存在だと見くびっていた。
 あれが魔女の到達点だとしたら――誰も勝てない……俺以外は!


Menu

メニューサンプル1

メニューサンプル2

開くメニュー

閉じるメニュー

  • アイテム
  • アイテム
  • アイテム
【メニュー編集】

編集にはIDが必要です