様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 午後5時

 僕は、ハクカと一緒に座っていた。
 特にやることもなく、窓辺で空を見上げていた。

「きれいな青空だよね」

「ああ・・・そろそろ夕闇だけどね」

「うん」

 ドタドタ

 と足音が響く。

「ねえ、一緒に来て」

 となにやらあわてた様子のタマキたちがいた。

「何があった」

「これです」

 アリスが手紙を差し出してきた。

「・・・リーンさんのところにいこう」

「はい」

 僕たちは、リーンさんに事情を説明した。

「わかりました。あなた方をその場所に運びます」

「やけに、決断が早いね」

「実は後、数分であなた方を呼んで正面から奪還する予定だったのです」

「なるほど」

 志木さんも来ていた。
 準備は、すでに整っていた。
 いつもの転移門に乗れば、秘密の侵入路のすぐ近くまで一瞬でテレポートできるという。
 ぼくたちはリーンさんのもとを辞したあと、「気をつけてください」と心配するすみれからリュックサックを受け取り、転移門のある木のうろにやってくる。

 ぼくたちは、意を決して、転移門に踏み込む。
 そばに待機していたローブの兵士が、いつものように朗々と歌いはじめた。
 意識が途絶える。

 ぼくたちの身体は、遠く離れた地へ。
 ルシアの故郷たる、無残な爪痕が残る大地へ……。



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