様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 中等部本校舎の地下に存在していた謎の空間。
 ぼくたちはそこに降り立つ。

「ピラミッドのなかみたいですね」

 アカネが口をぽかんと開けて呟く。
 まさにコンピュータ・ゲームのダンジョンを思わせる石造りの玄室だった。
 広さは学校の教室の半分くらいで、天井までの高さは五メートルほど。

 前後左右に通路が延びている。
 ぼくたち全員に暗視をかけてあるから、真っ暗でも周囲は見渡せるけれど……。
 どの通路も、少しいったところでふたつに分岐していた。

「おお、無事でござったか」

「結城先輩たちもですか?」

「アンデットが、突然、塵となって消えたので、来たしだいである」

「アリハとカナーグが言うには、マナが暴走していて、危険だそうです」

「・・・危険と」

「はい、おそらく楔が暴走しているものと思われます。ですが暴走を誰かが抑えているようにも見えます」

「ルシアか?」

「ルシお姉さまでも楔の暴走をここまで抑えきれるのかどうかわかりません」

「ともかく急ぐでござる」

 ぼくたちは、アリハの誘導で穴を伝って下へ、下へと移動する。



 辿り着いたのは、学校のグラウンドがまるまる入ってしまいそうなドーム状の空間だった。
 天井の高さは三十メートルくらいあるんじゃないだろうか。
 赤土が露出した地面だ。

 ここに到達するまで、百メートル以上は降りた気がする。

 大広間の中央付近には、全長三メートル近い巨大な正八面体の宝石が赤く輝き、光を放っていた。

「間違いありません、楔です……」

 アリハが呆然とつぶやく。

「六本目の楔。本当に存在したのですね」

 この大陸を地上に留める楔のうち、これまで存在すら知られていなかった幻の一本。
 まあ、そりゃこの世界の住人にして地底樹の管理者であるエルフの王族だったんだから、びっくりしてもおかしくはないか。

「何をしにきた」

 とそこで、黒き影が僕たちに問いかけてきた。
 見てみると楔の上に前足を置いているようだ。

「アルガーラフは、楔の暴走を食い止めているのです」

 そこで、リーンさんの声が響く。
 僕の頭の上に鷹が舞い降りた。

「彼が暴走を食い止めていなかったらどうなった」

「知れたことよ。世界が崩壊する」

 僕たちは、驚きと納得の顔をする。

「楔の暴走を止めるにはどうすればいい」

「魔王を倒すしかない。だがその役目は、マレビトたちがすでに行っているはずだ」

「カズたちが向こう側に渡ったはずです」

「となると和弘たちを待つしかないか?だがアルガーラフ、聞きたいことがある、どのくらい持つ」

 黒き獣が苦悶の表情を浮かべているのを見て問いかける。

「おそらく夕刻が限度だ」

「後、2時間少々といったところでござるな」

「サモン・ファミリア:カナーグ」

 僕は、カナーグを召還して、楔を押さえ込めるかどうか聞いた。

『全力で押さえ込めれば10分程度ならば可能です』

「カナーグでそれぐらいか。リーン」

「はい・・・今、用意します」

 少し待つと転移の光があふれ、リーンさん本人が来て書簡を3つほどもって来てくれた。

「・・・問題は、レベル上げか。リーンさん」

「少々お待ちください」

「モンスターを倒すことでレベルが上がり、白い部屋に行く。間違いないな」

「ああ・・・そうだ」

 アルガーラフの言葉に訝しげながら答える。

「この地に転移の石柱がある。そこにオークたちがいる」

「ありがとう」

 僕は、一旦、パーティを解除した。

「結城先輩、アカネとハクカとリーンさんをお願いします」

「任せるでござる」

「アリハ」

「はい、フライ」

 アリハがフライをかけた。
 僕とアリハは飛び上がり、オークたちがいる転移の石柱を目指す。
 
 3分少々

 オークたちを見つけた。
 剣でサクッとオークたちを倒し白い部屋に赴いた。
 白い部屋には、リーンさんしかいなかった。

「もしかして、一旦パーティを解除したせいか」

「そのようですね。では、アキ」

 リーンさんが3つの書簡を読んでくれた。
 繰り返し、読み聞かせてくれた。
 ある程度彼らについてわかった。

「リーンさん、ありがとう。所でリーンさん、白い部屋で遊びませんか」

「よろしいのですか?」

「ああ」

 リーンさんがプールを所望したのでプールに切り替えた。
 水着なんて便利なものは持ってないので、服を着ながら水を掛け合ったりしながら遊んだ。

「・・・あ」

 僕は、リーンさんから視線をそらしたのだが、それがいけなかったのかリーンさんから大量の水がかけられた。お返しに水を大量にリーンさんにかける。お互い水で盛大に濡れ、服は透けていたのだ。

「・・・・きゃ〜〜〜〜〜〜」

 リーンさんの可愛らしい悲鳴が木霊する。
 僕は、リーンさんの大きな胸を凝視することになった。
 リーンさんが胸を隠そうと手で隠すがそれがさらに胸を強調する結果になった。



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