朝日で目を醒ます。
ぼくの隣で、ハクカが心地よい寝息を立てていた。
桶に水を召喚して顔と身体を洗い、ハクカとアカネと共に、コテージの外に出る。
リーンさんの住居兼執務室と化している木のうろの前では、志木さんが腕組みして待っていた。その隣に和弘たちもいた。
ぼくたちを見ると、
「おはよう、志木さん、アリス、タマキ、和弘」
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう」
「おはようございます」
「おっは〜」
「ところで豪華な朝ごはんは御所望ですかね」
「きっとそういってくると思ったわ。愛してるわよ」
その愛は和弘じゃなくて、和弘が召喚するごちそうに向いているんですね。
木のうろのなかでは、リーンさんのほかにルシアと結城先輩が待っていた。
そろそろぼくたちが来ると思ったと口をそろえる。
「カズ、わたしからいうべきことは、ふたつです」
ルシアがいう。
「次はわたしも」
「あ、はい、もちろん。いちおう聞くけど、もうひとつは」
「甘いお菓子をたくさん出してください」
ちらりと結城先輩を見ると面頬を取って笑いかけてきた。
和弘がテーブルごと、豪華フルコースを召喚する。
その横にルシアが喜びそうなケーキとデザートのセットも。
おいしそうな匂いが、とても広い木のうろのなかに充満して……あ、いま壁の奥から、生つばを飲み込む音が聞こえてきたぞ。
「ひとまず、ご飯にいたしましょう。この量、わたしたちだけでは食べきれませんし、供の者たちにわけてもよろしいですか」
気をきかせたのか、リーンさんが提案してきた。
もちろん了承する。
なんなら、追加でもっと召喚してもいい。
時間を無駄にしないためにもということで朝食をとりながら、昨日の夕方、和弘とミアの身にあったことを語っていた。
和弘くとミアは、なにかアレな存在につくられた学校の山のなかで、ミアに模したアレな存在と遭遇したこと。
ミアとその模造体が融合してしまったこと。
結果として、ミアは彼女いわく「変態しなきゃいけない」という事態に陥ったこと。
そのほかにも、彼女のなかに和弘の子供がいるはずであるとか、そういうことも語っていた。
結城先輩は、軽く和弘のお腹にパンチを入れたあと、祝福の言葉をくれた。
「ミアの小学生のころの夢、聞いたことがあるでござるか」
「ええと、知りませんけど、どうせロクなもんじゃないんですよね」
「『ゲッターと融合して火星に旅立ちたい』でござる」
どんな小学生だよ。
ある意味でこれ以上なく夢を果たした気がするぞ、ミア……。
こらえきれず、結城先輩がげらげら笑い出した。
ほかのひとは、なぜ兄である結城先輩が笑っているのか意味がわからず、きょとんとしていた。
いまさらだけど、異様な話だよなあ。
その異様さを受け入れる結城先輩とミアが、すごいんだろうけど。
「ミアちゃんがこれ以上、変態さんになるの」
ハクカが呆然とつぶやく。
「・・・ハクカちゃん、その・・・変態さんじゃないと・・・思うよ。ですよね、志木さん」
「さあ、どうかしら」
志木さんがニヤリと笑みを浮かべ、アカネとハクカとアリスとタマキを恐怖に陥れていた。
「ところで変態と変態が混じったら真人間になるのか?どうなの、和弘」
「僕にそんなことを聞かないでくれ」
次
スキル 人物 特殊能力 魔法
ぼくの隣で、ハクカが心地よい寝息を立てていた。
桶に水を召喚して顔と身体を洗い、ハクカとアカネと共に、コテージの外に出る。
リーンさんの住居兼執務室と化している木のうろの前では、志木さんが腕組みして待っていた。その隣に和弘たちもいた。
ぼくたちを見ると、
「おはよう、志木さん、アリス、タマキ、和弘」
「おはようございます」
「おはよう」
「おはよう」
「おはようございます」
「おっは〜」
「ところで豪華な朝ごはんは御所望ですかね」
「きっとそういってくると思ったわ。愛してるわよ」
その愛は和弘じゃなくて、和弘が召喚するごちそうに向いているんですね。
木のうろのなかでは、リーンさんのほかにルシアと結城先輩が待っていた。
そろそろぼくたちが来ると思ったと口をそろえる。
「カズ、わたしからいうべきことは、ふたつです」
ルシアがいう。
「次はわたしも」
「あ、はい、もちろん。いちおう聞くけど、もうひとつは」
「甘いお菓子をたくさん出してください」
ちらりと結城先輩を見ると面頬を取って笑いかけてきた。
和弘がテーブルごと、豪華フルコースを召喚する。
その横にルシアが喜びそうなケーキとデザートのセットも。
おいしそうな匂いが、とても広い木のうろのなかに充満して……あ、いま壁の奥から、生つばを飲み込む音が聞こえてきたぞ。
「ひとまず、ご飯にいたしましょう。この量、わたしたちだけでは食べきれませんし、供の者たちにわけてもよろしいですか」
気をきかせたのか、リーンさんが提案してきた。
もちろん了承する。
なんなら、追加でもっと召喚してもいい。
時間を無駄にしないためにもということで朝食をとりながら、昨日の夕方、和弘とミアの身にあったことを語っていた。
和弘くとミアは、なにかアレな存在につくられた学校の山のなかで、ミアに模したアレな存在と遭遇したこと。
ミアとその模造体が融合してしまったこと。
結果として、ミアは彼女いわく「変態しなきゃいけない」という事態に陥ったこと。
そのほかにも、彼女のなかに和弘の子供がいるはずであるとか、そういうことも語っていた。
結城先輩は、軽く和弘のお腹にパンチを入れたあと、祝福の言葉をくれた。
「ミアの小学生のころの夢、聞いたことがあるでござるか」
「ええと、知りませんけど、どうせロクなもんじゃないんですよね」
「『ゲッターと融合して火星に旅立ちたい』でござる」
どんな小学生だよ。
ある意味でこれ以上なく夢を果たした気がするぞ、ミア……。
こらえきれず、結城先輩がげらげら笑い出した。
ほかのひとは、なぜ兄である結城先輩が笑っているのか意味がわからず、きょとんとしていた。
いまさらだけど、異様な話だよなあ。
その異様さを受け入れる結城先輩とミアが、すごいんだろうけど。
「ミアちゃんがこれ以上、変態さんになるの」
ハクカが呆然とつぶやく。
「・・・ハクカちゃん、その・・・変態さんじゃないと・・・思うよ。ですよね、志木さん」
「さあ、どうかしら」
志木さんがニヤリと笑みを浮かべ、アカネとハクカとアリスとタマキを恐怖に陥れていた。
「ところで変態と変態が混じったら真人間になるのか?どうなの、和弘」
「僕にそんなことを聞かないでくれ」
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