様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「しかし、古代竜の骨格一式にとんでもない大きさの魔石か。大儲けじゃないか」

 無事にアンデット竜を倒した俺たちを多くの人たちが歓声と共に出迎えてくれたが、ブランタークさんは例の魔石が気になってしょうがないらしい。

 彼の要望に答えて袋から出すと、あまりの大きさに周囲から再び歓声と感嘆の声があがっていた。

「確かに、大きいですね」

「この魔導飛行船を動かしている魔晶石でも、せいぜい直径五十センチほどですよ」

 全長が百メートルを超える魔導飛行船のエネルギー源でもある魔晶石が、この目の前にある巨大な魔石の四分の一の長さとは。

 なら、この四倍の直径を持つ魔石ともなると、はたしてどれだけのことができるのであろうか?

 俺は、その評価額と共に非常に気になり始めていた。

「そうですな……。これだけの大きさの魔石となりますと相場は白金貨250万枚からでしょうな」

 まるで俺の心の声を見透かしたように、一人の商人がウンウンと頷きながら声をかけてくる。

 年齢は五十歳ほどであろうか?

 その身なりを見るに、かなりの商いを行う商人らしい。
 運賃が最低でも金貨一枚の魔導飛行船に乗っているのだから、零細商人のはずはないのだ。

「アルテリオか。やはりその魔石が欲しいのかね?」

「ああ、私なら白金貨250万枚からスタートだな」

 ブランタークさんは、その大商人らしき人物と知り合いのようだ。
 二人で魔石を見ながら、仲良さそうに話をしていた。

「白金貨250万枚! 珍しいけど、そんなにするのか!」

「ええと……。君は、この古代竜を倒した小さな勇者殿達の友人だったかな?」

「同じ冒険者予備校の同級生です」

 エルは、アルテリオさんに自己紹介と挨拶をする。

「なるほど、そうだったのか。ブランターク、君の雇い主はいい冒険者を育てるのに熱心なんだな」

「そいつも、剣はいい腕しているぜ。騎士団の下っ端じゃあ、話にもならねえ」

「その若さでか。それは素晴らしいな。おっと、この魔石の相場の話だったな。この魔導飛行船を動かしている魔晶石は、七千年の寿命を誇ったシナプス火山を住処とした老火竜の魔石を材料に作られている。長さはこれの四分の一だったが、それでもこれだけの大きさの船を動かせるのだ。ロストテクノロジーである魔導飛行船を動かせるかどうかの瀬戸際だ。いまだ大きな魔晶石が不足しているせいで動かせない魔導飛行船も多いなか、魔石はオークションにかけられ、王国の依頼を受けた政商が競り落としたのさ。その金額は、白金貨二百七十五枚だった」

 『魔晶石』は、燃料タンクとエンジンの特性を併せ持つのだ。
 『魔晶石』が大きければ大きいほど出力や容量も比例して大きくなるのだ。
 そのため100mの魔導飛行船を動かすための『魔晶石』の値段が白金貨275枚というのは、割と妥当な金額なのだ。

「じゃあ、その四倍の大きさの魔石は?」

「ええと、エルヴィン君だったよな。当然、最低でもそれだけはする。私が〜からと言っているのは、これほどの大物ともなると、絶対にオークションで競り落とされるからだ」

 このレベルの大きさの魔石は、隣国であるアーカート神聖帝国にも現存していないらしい。
 アーカート神聖帝国でも古代魔法文明の遺産である遺跡やダンジョンが多くあり、中からたまに現在の技術では到底製作不可能な大きさの魔晶石が出土するが、その内容はヘルムート王国と似たり寄ったりである。

 この大きさの魔石は手に入れていないそうだ。

「しかし、今回はそのオークションさえ行われないだろうな」

 アルテリオという商人がそう独り言を呟くと周囲にいる他の貴族や商人たちもその意見に賛同して静かに頷き始める。

「あの、それって?」

「王国が買い取りに出てくると」

「そういうことだ」

「・・・俺は、そろそろ行くよ」

「・・・え?」

「リッドたちが心配だからな」

「じゃあ、またな」

「ああ」

 俺は、気絶しているハクカを連れて馬車を目指した。



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