様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 数分後。
 ぼくたちは、かつて育芸館があった瓦礫の近くに着地していた。
 もっと本校舎に近づこうと思ったのだが、下から魔法で迎撃されてしまったのである。

 虹色のビームの魔法だった。
 それが放たれている前に啓子さんが警告してくれなければ、誰かがその一撃を浴びていただろう。

 虹色のビームは、ナハンのシールドによって完全に防ぎきった。
 だが、こちらを発見している敵がいる以上、そのすぐ近くに降りるのは危険だ。
 ゆえに勝手知ったる育芸館の跡地に降りた。

「すぐに敵が押し寄せてくるでござるな。拙者たちの班が敵を引きつけるゆえ、カズ殿とアキ殿の班は先行して欲しいでござるよ」

「結城先輩……」

「なに、すぐに追いつくでござる」

『時間がない。ディアスネグスの軍勢が楔を確保することだけは防がなければならない』

 クァールが首を持ち上げ、そういった。
 ここは戦力分散もやむを得ないか。

「ナハン、ぼくたちだけに姿隠しの魔法を。あと、きみは小型化してくれ」

『承知』

 亀の身体は、ぼくが片手で抱えられる程度になった。

「それじゃ、いこう。みんな、手をつないで」

 シー・インヴィジヴィリティを使えるのはぼくと和弘とナハンだけだ。
 左手でナハンを抱えた和弘を先頭に、手を繋ぎ一列に並んで小走りに走り出す。
 ちなみに和弘の次がたまきで、その次がルシア、その次がアカネ、その次がアリス、その次がアリハ、その次がハクカ、最後尾が僕である。

 たまきは背中のリュックサックに剣をくくりつけられるけれど、アリスの槍は手で保持する必要があるため、どうしても片手をあける必要があるためだ。
 で、クァールは和弘に並走している。

 背後でたて続けに爆発音が響く。
 ちらりと振り返れば、派手な火柱があがっていた。

 火魔法コンビがさっそく暴れているのだろう。
 これだけやると、まわりの敵も全部、あっちに集まるんじゃなかろうか。
 いまのうちにさっさと中等部本校舎に辿りつきたい。

「そういえば、本校舎のどこに入口があるんだ」

『知らぬ』

「おいおい……じゃあなんで、楔があるってわかるんだよ」

 クァールはふん、と鼻を鳴らす。

『マナの流れを探査したのだ』

「あ、そういうこと……。入口がわからないのは問題だなあ」

 と、クァールが足を止める。

『察知されたな。右手だ』

「ナハン!」

 和弘は天亀を放り出す。
 ナハンは空中で巨大化し、シールドを張って右側から放たれた虹色のビームを防ぎきった。
 拡散されたビームが周囲の木々をなぎ倒す。

「余波だけでこれか……。ナハン、透明化を解除。ここで迎撃するぞ」

「任せて! アリス、いくわよ!」

「はい、たまきちゃん! わたしに掴まってください!」

 同士撃ちを避けるためインヴィジが解除される。
 たまきとアリスは、ライトニング・ムーヴですぐに飛びだそうとした。
 和弘は、ふたりのジャージの襟をつかんでそれを止める。

「待て、まだだ」

「え、なんで……」

「相手がわからない。念のため、ルシアが先だ」

 和弘はルシアに目で合図する。
 ルシアは求めに応じ、プロミネンス・スネークをつくり出して、それを放つ。

 虹色のビームが射線上の枝葉を払ってくれたおかげで見通しがいい。
 直線上に見えるローブをまとった人型のモンスターが次の呪文を詠唱し……。
 二発目の虹色のビームと炎の蛇が衝突する。

 巨大な爆発が起こった。
 敵の放った虹色のビームとルシアのプロミネンス・スネークが衝突し、巻き起こった爆風がぼくたちに届く。
 熱波に顔をしかめつつ、和弘は命令を下す。

「いけ、たまき、アリスっ」

「わんっ」

「はいっ。ライトニング・ムーヴ」

 爆発の衝撃で土砂が巻き上がり、視界がとれない。
 アンデッドは特別な知覚で対象を探知しているというが、それでも土砂は充分な目くらましになるとナハンが太鼓判を押してくれていた。
 ゆえに……土煙を隠れ蓑として、ふたりの少女が稲妻となってかき消える。

 シャ・ラウが頻繁に活用している魔法、ライトニング・ムーヴ。

 剣戟の音が聞こえてくる。
 どうやらうまく接近できたようだ。
 彼女たちの腕なら、いちど距離を詰めてしまえば……どうやら倒したようだ。



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