様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 翌日。

「久しぶりに戻って来た感じだな」

「そうだな」

「本当に久しぶりね」

「うん」

「ルーク様、ここがブライヒブルク」

「ああ」

 と俺は、ヴィルマに答えた。
 ヴィルマがここにいる理由は簡単で、俺たちがいなくなったら食事に困るからついてきたのだ。
 この答えに誰もが納得した。何しろヴィルマは1日、30人前は食べるからである。
 俺の『瞬間移動』の魔法は、自分を含めて8人まで運ぶことができる。イシュルバーク伯爵の古代地下遺跡の攻略したおかげで魔力量が上がり、魔力運用等も少しだけ上手になったはずだ。現在の魔力量は、50万まで上がっていた。ちなみにイシュルバーク伯爵の古代地下遺跡攻略前は6人まで運ぶことが出来た。
 俺たちは、ブライヒブルクの門から少し離れた所まで『瞬間移動』すると門番に入街税を払い、ブライヒレーダー辺境伯の館を歩いて目指すのであった。

「じゃあ、俺が知らせてくるよ」

「ああ」

 尚、別にリッドが知らせる必要性はないのだが、お忙しいブライヒレーダー辺境伯の時間が空いているのかどうか調べる意味もあるのだ。ブライヒレーダー辺境伯へ取次ぎを頼むと問題なかったようだ。
 俺達は、ブライヒレーダー辺境伯の元に通されたのだ。

「お久しぶりですね」

「はい、お久しぶりです」

「いよいよ活動なさるので」

「そうです。それとお願いに来ました」

「お願いですか。ブランタークから報告を受けていますが、出来るのですか?」
 
「今のところ青色写真がいいところです。何しろ、肝心の物が作れるかどうかわかりませんから」

「なるほど」

「あとは職人か」

「こちらで紹介しましょうか?」

「いいんですか?」

「ええ。構いませんよ」

「ただ先に御用職人に依頼してからです」

「その辺はファブレ男爵の判断にお任せしますよ」

「それでも大半がブライヒレーダー辺境伯に紹介してもらわないといけないんですけどね」

「そんなにいるの?」

「いるよ」

 俺は、必要な職人をあげていった。

「船大工で1911人・・・」

「多いね」

「ああ・・・だが、効率よく製作するとなるとこれぐらいになる」

 全部で22629人である。

「・・・少々お待ちを」

 ブライヒレーダー辺境伯が家宰に命令していた。
 俺達は待つことにした。

「・・・所で、どのていどで完成すると見ていますか?」

「職人集めと材料集めで1ヶ月、木材の加工等で21日ですね」

「2ヶ月・・・そんなにかかるんだ」

 ハクカが思わず声を上げる。

「本当なら木材の乾燥等で3ヶ月〜2年はかかるみたいだけど」

「かかるみたいだけど・・?」

「時期が丁度いいのですよ」

 俺の話の後をブライヒレーダー辺境伯を引き継いだ。

「時期?」

「木材の伐採は9月〜2月に行われる」

「建材として使える木材になるのが3月ぐらいになります」

「時期が丁度いいって・・そういう意味なんだ」

 ハクカが納得した所で話しを進めることにした。

「それと廃鉱になっている鉱山での鉱物の採取許可をください」

「構いませんよ。こちらの規定ですと」

 銀貨1枚の支払いであった。
 元々、魔法使いによって鉱石を搾り取った後だから、鉱物がさほど残っていないから当然である。
 当然、俺も鉱物が大量の鉱物が残っているとは考えていないが武器に回せる程度の鉱物ぐらいは残っていると考えている。
 俺たちのような魔法使いが廃鉱での鉱物の採取する理由がこれであるし許可も簡単に出せる理由が搾り取った後だからである。

 続けてその足で、冒険者ギルドのブライヒブルク支部へと移転届けを出した。
 そして、ラングレー公爵家に訪れ

「なるほど・・・あれの製造ですか」

「ええ・・・・ブライヒレーダー辺境伯には、すでに伝えてあります。船大工等の手配も依頼しましたが、欲しいのは家具等を製造してくれる職人たちです」

「なるほど・・・それなら問題ないでしょう」

 ラングレー公爵家は、スズネが婚約者なのですぐに対応してくれた。俺の隣に当然ながらスズネとハクカがいる。事情を説明すると快く協力してくれた。そして

「・・・・いいでしょう」

 王国軍の会計役を頼んだ。

「あれ・・・?ザフト騎士家は」

「人数が少ない」

 ヴィルマが端的にいった。

「あ・・・そうだよね」

「俺の金とカードを使うから大丈夫だろう」

「あのカードか」

 別名、貸借カードと呼ばれる物である。王国は、ファブレ男爵家に浄化、グレードグランド、地下遺跡の莫大な借りがあるのだ。尚、ホーエンハイム家もファブレ男爵家に王国と同様の借りがあるのだ。ホーエンハイム家が1450枚、王国が2220枚の賃貸カードである。王国に対して、軍の派遣と指名で6枚ほど消費する予定である。
 アスガハン準男爵家は、ヴィルマがいたのですぐに対応してくれた。

「なるほど、私の子供を」

「ええ・・・臨時になるのか正式になるかは不明ですけどね」

「その辺は仕方ないでしょう。正式になった暁に雇ってもらえればよろしいですよ」

 輸送の責任者役をお願いしたのだ。
 ストラトス騎士家

「俺に頼みたいのはこれと」

「はい・・・・ストラトス家なら簡単に出来ますよね」

「可能だな。そういうことなら協力できるぜ」

 俺は、ストラトス家の協力を得るのであった。
 ザフト騎士家

「ルークは、戻ってくるのがずいぶん早いね」

「用事があったので・・・アンディ兄さんに頼みたいことがあります。御用職人の手配をお願いしたいです」

「手配はいいけど・・・何かするのかな」

「実は・・・」

 アンディ兄さんに事情を説明した。

「なるほど・・・それなら仕方ないね・・・・大規模になるね」

「そうですね。俺が直接雇用する人数だけでも7万人は超えていますから」

 ザフト家の協力を得た。

「これだけ大規模だと魔導飛行船の監督役や会計と検査員を雇った方がいいよ」

「監督役に会計と検査員ですか?」

「ああ、会計は、原材料の個数や値段の確認や雇った人たちの勤怠の計算かな。検査員は、商品の検査をする人だね。監督役は、棟梁がいるとはいえ、サボりとかを監督する第3者の目があったほうがいいからだよ。最低でも船の知識がある人が望ましいだろうね。ルークが、冒険者を続けるなら必要だね」

「分かりました」

 アンディ兄さんと共に必要になるであろう検査員と監督役と財務関係者を調べたら検査員で355人、会計員で170人、監督役で38人、臨時家臣の会計役が7人ほどである。検査員は、ラングレー公爵家、ブライヒレーダー辺境伯家に頼むことにした。会計は、ザフト騎士家、ラングレー公爵家、ブライヒレーダー辺境伯家である。監督役は、ラングレー公爵家である。
 ファブレ騎士家、アームストロング子爵家を訪れ、御用職人と理由を説明したのであった。

「某の子供と」

「はい・・・軍の編成については、アームストロング伯爵に任せる予定です」

「いいである」

 アームストロング子爵家の子供が造船工房と空港の警備責任者や工事関係者の警護責任者である。要するに現場における最高責任者である。その子供が軍の指揮をするのだが、アームストロング伯爵家がフォローすれば問題なく指揮できるはずなのだ。

「後、もしかしたら王国に一枚かんでもらう案件があるかもしれません」

「何かあるであるか?」

「単純に魔石です。ブライヒブルク大森林で見つかるならいいのですが、なかったら王国が把握しているか保有している魔石でお願いするしかいないです」

「なるほど、それは必要であるな。ぜひとも王国としては一枚かみたいものであるな」

「今のところ青空写真でしかないから、出来るとわかってからですね」

「それもそうであるな」

 他の家々も応対が早かったのは、身内や顔見知りだからである。
 王国に賃貸カードを見せつつ、

「輸送の現場の責任者にアスガハン準男爵家、パルケニア草原の施設や工事関係者の警護の責任者にアームストロング子爵家、派遣される王国軍の最高責任者にアームストロング伯爵家でお願いします」

「いいだろう」

「王国の最高責任者にラングレー公爵家を指名します」

「なに・・」

「軍はともかく周辺の商業が活性化すれば財務等の責任者は必要ですよね」

「そうだな」

 というわけで、快く了承してくれた。派遣される王国軍の兵士は1万名である。俺の希望を伝えたのでアームストロング伯爵家が計算してくれたのだ。1万名の1ヶ月の雇用費用は金貨3000枚である。金貨1万5000枚ほど支払ったのだ。王国の賃貸カードは、10枚ほど消費したのだ。
 ブライヒブルクの屋敷に行き、それぞれの寝る場所等を決めた。
 そして、この2日間はブランタークさんの付き添いでブライヒブルクから一番近い魔物の領域で普通に魔物を狩っていた。いきなり王国強制依頼されることはありえず、普通はこのように段階をふんでから魔物を狩るのが普通である。

 ギルドから指示された魔物の領域である森へと向かい、そこで次々と魔物を狩る。
 熊に似た魔物に、狼に似た魔物、猪に似た魔物、牛に似た魔物、鳥に似た魔物。
 この手の魔物は、長生きした野生動物がなぜか領域に誘われ、そこで突然変異を起こし、魔物へと変化するらしい。
 その他の特徴としては、普通の野生動物の数倍もの大きさである事と、その体内に魔石を持っている事。
 あとは、繁殖力と成長が尋常では無くなるのと肉や骨や毛皮や牙などの素材が高く売れる事であろうか。
 ただ、通常の数倍の大きさの熊など、普通の人間にどうにか出来る物でもない。
 下手をすると腕の一振りで即死してしまう。
 そういう危険性を含めての高額の報酬を得られる冒険者稼業でもあったのだ。

「何か、リッドとファラとミュウとキャロルが張り切ってるな」

 森に入った直後からリッドとファラとミュウとキャロルは最前線で魔物を狩り続けていた。
 鳥に似た魔物は、リッドが弓矢で一撃で倒していた。
 熊に似た魔物は、ミュウが脳天目掛けて唐竹割りで倒していた。
 狼に似た魔物は、キャロルが槍で捌いていた。
 牛に似た魔物は、ファラが突進した所をひらりと変わり、横から頭を蹴り上げて倒していた。
 俺とハクカは、後方の魔法障壁の中で万が一の時に備えて待機していたが、もう数は十分に狩ったはずだ。
 俺はそう判断して、撤収をみんなに薦めていた。

「そうだね。もう十分に狩ったみたいだし」

 この数日、リッドとファラとミュウとキャロルは自分達が中心となって結構な数の獲物を狩っていた。
 これだけ狩れば十分に満足したであろうし、良い経験にもなったであろう。
 別に俺達が手を抜いたり、気を抜いているわけではないのだ。

「他所の無責任な外野が、リッド達に文句タラタラなんだよね」

 どの世界でも、恐ろしきは他人の嫉妬という奴であった。



 俺たちが、古代地下遺跡で手に入れた魔導飛行船は、増便や目的地の増加などを行い、王国内で旅客船として利用され始めていた。
 運賃で維持費や船員の給料を賄い、修理や運用技術などの習得も行える。
 普段は王国内の流通に貢献し、戦時には有力な遊撃戦力や兵站維持などにも役に立つ。
 ヘルムート王国では、俺達が王都に行く前までは予備も含めて八隻が稼動状態にあった。
 それが、アンデット古代竜から出た超巨大魔石が手に入り、今までは究極の場所塞ぎであった超巨大魔導飛行船の就役に成功。
 この船は、俺達が住まう大陸であるリンガイアの名を付けられ、現在は軍で訓練が進んでいる。
 続けて、グレートグラントから出た魔石でもう1隻が就役可能となり、この船は既に既存の航路を飛行していた。
 そして今度は、地下遺跡から出た使用可能な七隻に、ドラゴンゴーレム二体から出た魔晶石に、地下遺跡の動力源であった二つと合わせてもう四隻が稼動可能になったそうだ。

 つまり、俺達のおかげで王国は稼動可能な魔導飛行船が倍以上の20隻になり、更に軍でも一隻の超巨大魔導飛行船の戦力化が進んでいる。

 北方のアーカート神聖帝国に対して軍事的にかなり優位に立てたはずで、それだけの報酬を貰う権利があるという事なのだ。

「そうだな。そろそろ帰るか」

 リッドも、もう十分だと思ったらしい。
 剣を布で拭いながら俺達に声をかける。

「良い切れ味の剣のようだな」

「そりゃあ、大金を得たんだ。良い得物を買うさ」

「しかし、今日も大猟で良かった」

 獲物を仕舞う魔法の袋であったが、これは俺が別に幾つか製作していた。

「魔物だから、普通の動物のお肉よりも高く売れるね」

「現状で、俺達にさほど金は必要ないけどな」

 魔法の袋に獲物を回収してから、俺達はブライヒブルクへの帰途に着く。
 『瞬間移動』魔法で、一気にブライヒブルクのギルド裏庭まで飛び、受付で獲物を納めてからヴィルマを迎えにいくと

「ミリィといいます」

 一人の少女と友達になったようだ。
 ヴィルマをつれて商業街へと向かう。
 今日はみんなで仕事をしたので、夕食はレストランで済ます事にしたのだ。
 いつもは、なるべく女性陣が作ろうとするのだが、彼女達も俺達と同じ条件で冒険者として働いているのだ。
 家事で、余計な負担をかけるべきではない。

「結構、魔物との戦闘にも慣れたと思うけど」

「そうだね」

 元々リッドもファラもミュウもキャロルも他のパーティーに居ればすぐに超一流の強さを持つ冒険者として認識される存在だ。
 もう魔物の領域の入り口近くで、戦闘に慣れるための狩りは必要ないはずだ。

「もう少し奥で戦うとか?」

「でも、そんなに魔物の種類は変わらないと思うけど」

 よほど奥に入らないと魔物の種類などそう変わる物でもないし、どちらかと言うと場所や地域差の方が大きいからだ。
 あとは、属性竜などのその領域のボスにして食物連鎖のトップが魔物を纏めているのは常識であったが、その存在が発見される事は滅多にない。

 そう簡単に見付かって討伐されていれば、とっくに魔物の領域など全滅しているはずだからだ。

「冒険者稼業なんて、大半がこれだしな」

 今さら近場で、そう新しい遺跡や迷宮など見付からないのが普通だ。
 見付けたければ遠出をしないといけないし、見付かってもそんな遠方に探索に出かけるには実力が無いと難しい。
 人里離れているので、野営や戦闘の機会が増えるので素人には難しいからだ。
 
「上着の装備に必要な魔物の皮素材も入手できたから、後は、製作依頼を出すだけだ」

「次は、どうするの?」

「ブライヒレーダー辺境伯からの許可は取ってあるから、俺たちは廃鉱にいって鉱物採取だな」

「ミスリルってあるの?」

「少しはあると思うぞ。リッドとファラとミュウとキャロルの装備分さえ入手できたらいいわけだ」

 ちなみにこの3日間で倒した魔物の数は864匹である。

「多いよね」

 現在の稼ぎは、一人頭金貨1万4400枚である。装備に魔物素材、食料のためある程度の肉を取ると全部、売りに出したのであった。そのため、おれ自身の稼ぎは、金貨1万枚である。そこから更に、魔導飛行船などに必要な魔石を購入した。魔導飛行船に必要な魔石は1500個である。



 翌日。
 革素材の装備依頼をラングレー家とアスガハン家の御用職人に依頼をした。
 今日は、スズネも一緒に同行しており、俺の右隣にスズネ、左隣にハクカ、右前方にミュウ、左前方にキャロルである。リッドとファラとヴィルマは、後方にいる。

「リッドさんとファラさんとハクカさんとミュウさんとキャロルさんとルーク様とヴィルマ様とスズネ様の革の製作依頼ですね。革ですが、何を製作いたしましょうか?」

 選択肢は、割とあるのだ。
 まず、上着関係、次に『魔法の袋』といった小物関係、ソファーのカバーといった雑貨品、次に見栄えのための装飾品関係である。
 自分達の希望を伝えた。

「そうですね。装備品関係であれば上着と靴の素材にも使えますね」

 1、上着と靴の製作
 2、魔法の袋
 3、財布
 4、ソファーのカバーの依頼

 である。
 自分達の命が優先なので、防御力強化は当たり前である。
 『魔法の袋』に関しては、物理防御力、魔法防御力に秀でて、美しさを鑑みれば普通の素材より魔物素材の方が上なためである。

「9ヶ月ほどかかります。よろしいですか」

「ええ」

「結構かかるのね」

「革にするまでには時間がかかりますからね」

 奥さんが計算していた。
 
「素材持込で1人頭8万セントになります」

 俺が、64万セントほど支払い、後でリッド、ファラ、キャロルから徴収することにした。ハクカ、スズネ、ミュウは、自分の好きな相手なので徴収する気は皆無であった。それより二人だけで無人島でデートをした方がよほどいいからである。ヴィルマは、下級貴族の子供なのでさほどお金持っているわけでもないから徴収する気はないのである。
 廃鉱に向けて馬車で移動である。

 3日かけて、廃鉱に到着した。

「『鉱物探知』」

 を使った。

「・・ん?」

「どうかしたの?」

「いや、まだ鉱石大量にあるな」

「え」

 それもそのはず、ルーククラスの魔法使いが調べることはまれである。
 大体が中級よくてブランタークさんクラスの魔法使いである。
 
「でも廃鉱だよね」

「ああ、そのはずだ。後でブライヒレーダー辺境伯に伝えておこう」

「『抽出』」

 を行い、大量の銅・錫・孔雀石・水晶・鉄・銀・金を

「『再結合』」

 させて、インゴッドさせた。
 インゴッドさせた物は、ハクカ達が別の魔法の袋に入れていた。

「『抽出』」

 を行い、少量だが金剛石や黒瑪瑙が取れた。
 極微量にわずか15gほどのミスリルが取れた。

「少ない」

「ああ。やっぱりミスリル鉱山に行かないと無理かもしれないな」

 俺は、鉱毒の水から『抽出』して、銅,鉛,亜鉛,ヒ素,カドミウムを『再結合』させた。

「俺でもこれが限界だな」

 再び、銅と亜鉛を『混合』させ『再結合』を繰り返して黄銅を製造する。銅65%、亜鉛35%の割合で出来た。

「ルーク、それどうするの?」

 ハクカがヒ素などを指差して言う。

「簡単なことだよ。鉄などを再結合させて地中深くに1g単位でバラバラにして埋める」

「そんな方法で大丈夫なの?」

「自然界にはこれら毒性のあるものを食べている生物がいる。ならばその処理に彼らを任せればいいわけだ。というわけでハクカ、力を貸して」

「え・・・うん」

 俺は、ハクカの『魔法威力増大』で探知できなかった鉱毒の全種類とヒ素、カドミウムに鉄・銅・錫および廃石を再結合させ混ぜ込んで、地中深くに1g単位で埋めたのであった。ルークの前世は学生である。そのため公害に対して、学び、それらを浄化する方法や鉱物を混合させることで安全で無害化できることも分かっている。ただしルークには、どの微生物が有効なのか、どの鉱物を混合させれば安全なのかは分からないのである。そのため、現在、出来る適切な対策を行ったのである。

「・・・ハァハァハァ・・・」

「・・ハクカ・・・大丈夫か」

 ハクカが崩れ落ちそうだったので抱きとめ『魔晶石』で魔力を補充させる。

「・・うん」

 大量の廃石とヒ素やカドミウムなどを再結合させ、埋めた。

「さて、最後の仕上げだ」

「・・・仕上げ?」

 俺は、リッドたちに木や花の種を手渡した。

「俺が風で種をやるからリッドたちは、適当に投げて」

「おう」

 リッドたちが種をとある場所に投げ、俺が風で種を吹き飛ばし、最後に微量の土を広範囲にかぶせる。

「ハクカ」

「うん」

 ハクカの植物成長によって木々が花が成長していく。

「・・・ハァハァハァ・・・」

「お疲れ」

 ハクカの魔力を回復させ、広範囲に水をかける。
 こうして、出来たのは綺麗で浄化された水と廃石の人工山となり公害を引き起こしていた禿山は、ルークの再結合によって、ただの無害な土とかし、春の訪れを感じさせる緑豊かな若木と色とりどりの花が咲き誇る美しい山に変化したのであった。

「これってもう大丈夫なの?」

「ああ・・・人体等には無害だが、しばらく自然に任せた方がいいだろう。人間がやるより自然の浄化作用のほうが高いからな」

 こうしてルークとハクカは、見事、鉱毒に汚染された土地は緑溢れる綺麗な山と透き通った川を作り出したのであった。まず先に微生物が移り住み、次に虫が、次に植物が、次に動物たちが山や川に移り住んだのであった。

 急ぐわけでもないので馬車にてブライヒブルクに帰還した。
 丁度、その頃、ヴェンデリンたちが王都から『瞬間移動』しブライヒブルクにて冒険者としての活動をしていた。

「実は、廃鉱に行ったときにですが大量の鉱石を抽出したんだですが、どうしましょうか?」

「それほど大量にありましたか?」

「ええ・・・・出しましょうか?それとも税金で徴収しますか」

「・・・そうですね。残念ですが規則で税金として徴収するわけには行きません。ですがどの程度、確かめてみてもいいでしょうか」

 ブライヒレーダー辺境伯の願いで、出したのであった。
 ブライヒレーダー辺境伯が家臣を呼びどのくらいの量があるのか調べたのであった。
 魔法の袋を使えば容易だが、それは家臣の仕事を奪うので駄目だそうだ。

 鉱石量
 銅 540kg
 錫 1040kg
 孔雀石 800kg
 水晶 400kg
 鉄 800kg
 銀 400kg
 金 400kg
 金剛石 40kg

 黒瑪瑙 40kg
 ミスリル 60g
 黄銅 850kg

「結構ありますね」

 ブライヒレーダー辺境伯が廃鉱に調査指示を出し、それを調べた人物が汚染されていた土壌が汚染から解放された緑溢れる土壌であることが判明するのが、漆黒の翼が旅立った2週間後のことである。

『ルークの坊主は、鉱毒に侵された土壌を正常化したか』

『ブランタークは可能ですか?』

『お館様、無理を言わんでください』

『ファブレ男爵に依頼が殺到しそうですね』

『後は、ヴェルの坊主にも依頼が殺到しそうだな』

 尚、鉱山再開は、ルークが鉱石を取ったためならなかった。一応、鉄鉱石などは鉱山に埋まっているので採掘しようと思えば出来るが、採算が取れないので断念することになった。



 主人公一行紹介
タグ

Menu

メニューサンプル1

メニューサンプル2

開くメニュー

閉じるメニュー

  • アイテム
  • アイテム
  • アイテム
【メニュー編集】

編集にはIDが必要です