様々な小説の2次小説とオリジナル小説

ーーーーーーエドガー軍務卿邸宅−−−−−−−−−−−−−−−

「これは大チャンスだな。ブライヒレーダー辺境伯め、ルックナー財務卿あたりと水面下でコソコソ企んでいるようだが・・・いやまだ連携していないのか?どちらにしても俺の目は誤魔化せんぞ!」

 陛下は違うが、王城にいる連中の中には軍人然とした俺を頭の悪い野蛮人扱いするのがいて困る・・・わけがねえ。
 むしろ、大助かりだぜ。
 俺のことを軍で厳しい訓練するしか能がないと勝手に思い込んでくれるからな。
 最近の王都で一番話題になっている貴族といえば、バウマイスター男爵とファブレ男爵だ。
 何度か顔をあわせているし、あいつらの兄の寄親は俺だ。
 そのために新しく法衣騎士爵の枠を2つ準備したり、婿入りの世話をしたりもしたが、パルケニア草原解放に伴う王国軍予算の増加とポスト増加と魔道具利権に比べれば微々たる物だ。
 加えて、今度は巨大地下空軍基地に複数の大型魔導飛行船、ドラゴンゴーレム以下の兵器用魔道具の大量確保もあった。
 正確に言うと空軍連中とは派閥が違うんだが、新しい基地には警備兵を置かないといけないからな。
 いやあ、本当にバウマイスター男爵とファブレ男爵様様だぜ。
 陛下は、バウマイスター男爵やファブレ男爵に膨大な報酬を支払った。
 少し常識を疑う額だが、それに見合うものを王国は得ている。
 そして、バウマイスター男爵やファブレ男爵に王国が大金を集めた理由は一つ。
 あいつらの実家がある大陸南端部と東南端部を開発させるつもりであろう。

「となると俺達も手を貸してあげないとな」

 この相当な規模になる新領地には、それを守る防衛力が必要となる。

「バウマイスター男爵やファブレ男爵には、生え抜きの家臣が少ない」

 あのエルヴィンとリッドとかいうバウマイスター男爵とファブレ男爵の友人の小僧たちは、剣や武器には優れているが軍を率いるとなると経験が必要だ。
 ほかは、側室候補の女や文官ばかりだし、ここは俺が諸侯軍幹部になれる人材を推薦してやろう。
 みんな、我が家と寄子の三男以下だが、教育はちゃんとしてある。
 バウマイスター男爵やファブレ男爵を支えるいい家臣になるはずだ。
 おっと、これは押し付けじゃないぞ。

 貴族同士の互助精神、お互いに助け合う心は大切だろう?

 だが、俺達だけで独占するとやっかみがうるさいからな。
 アームストログ伯爵家にも声をかけてみよう。
 あそこの当主とは仲がいいし、バウマイスター男爵やファブレ男爵に魔法を教えているアームストロング導師とも知らない仲じゃない。
 美味しい料理は、友達と分け合えないとな。

「とはいえ、ただ結果を待って動くのも愚策だな」

 貴族はお互い様だからな。

 バウマイスター男爵やファブレ男爵にどうやって南端未開地と東南端未開地を開発させるのか?

 あそこは、書類上はあいつらの実家の持ち物のはずだ。
 となると、それをバウマイスター男爵やファブレ男爵に分割譲渡させて、本家からの独立か・・・。
 いや、その時点で本家はバウマイスター男爵やファブレ男爵に移るな。
 彼らは功績もあるし、最低でも伯爵にはなるだろう。

「実家は面白くないかもな・・・」

 前に少し調べさせたが、バウマイスター男爵とファブレ男爵の実家は偏屈な田舎貴族という感じだ。
 バウマイスター男爵やファブレ男爵に領地や爵位で抜かれて、怒りの余りに害意を・・・という可能性がある。

「あいつらがそんな簡単に殺されるとは思わないが、万が一ということもあるからな」

 何かあると困るから、ここは護衛でも出しておくか。
 警備隊には燻っている連中がたくさんいるからな。
 適当に選んで彼らを守らせよう。
 そして・・・。

「バウマイスター男爵やファブレ男爵とは、もっと仲良くしないとな」

 俺達を幸せにしてくれるいい奴だからな。
 というわけで、お礼に俺の切り札を贈呈しようと思う。

「おーーーい!アスガハン家にいってヴィルマを呼んできてくれ」

「分かりました」

 家臣の一人にヴィルマを呼びに行かせた。
 しばらくするとヴィルマが来た。

「ヴィルマは、ファブレ男爵を知っているよな」

「当たり前、狩猟仲間」

「それもそうか。そのファブレ男爵がよ。ちょっと東南方で色々とあるらしいんだよ」

「色々?エドガー様は何かを掴んだの?」

「そうだ。貴族的な色々だ。後は、美味しい話というやつだな」

 我が家も歴史が長い大貴族だからな。
 法衣だから領主貴族様に比べれば大したことないが、これでもいい耳は持っているんだぜ。

「いつ色々なの?」

「もう少し時間がかかると思うけどよ。丁度いいタイミングでヴィルマを護衛に送り出すからな。準備しとけよ」

「分かった」

 ヴィルマは口数が少ないが、勘がいい娘だからな。
 これだけで、ほぼ察してくれる。

「でも、ちょっと搦め手?」

「あいつに女を近づけると色々と面倒だからな」

 この2年半ほど、ファブレ男爵やバウマイスター男爵に妹や娘を押し付けようとする貴族は多かった。
 だが、ホーエンハイム枢機卿の孫娘とラングレー公爵家の娘が正妻で、ブライヒレーダー辺境伯も2人側室候補を送り出している。
 ここに割ってはいるのは難しい。

「本当は、ヴィルマを養子にしたかったのだがな」

「私を養子にしたら色々煩い」

「そうだよな」

 偶然とはいえ、ファブレ男爵の狩猟パーティに加入しているんだよな。貴族社会では、ヴィルマはファブレ男爵の側室候補として認識されているからな。
 この状態で養子にして、ファブレ男爵に送り込めば貴族連中からの反発はでかい。
 その前に決定的な条件があった。

「例の地下遺跡の詳細を聞いたが、あいつらの婚約者は全員、冒険者として参加している」

 バウマイスター男爵やファブレ男爵は、暫く冒険者を続ける。
 ということは、その妻となる女性にも相応の能力が求められるわけだ。

「私も参加したかった。未成年だから無理だけど・・・」

「残念だったよな。ヴィルマなら戦力になるのに。だが、これからならば戦力になる」

 ヴィルマほどの戦闘力を持つ娘はそうはいない。
 他の貴族令嬢じゃあ、ファブレ男爵やバウマイスター男爵のこれからの生活についていけるはずがねえ。
 ところがヴィルマなら十分に対応可能だ。

「ファブレ男爵も向こうで退屈するだろうから、その辺もちゃんとお相手して差し上げろよ」

「何とかやってみる」

 こうして既成事実を作り、最終的にはファブレ男爵の側室にしてしまう。
 俺の娘は品切れだし、いくら俺でも娘にまで戦闘訓練はしていない。
 その点、ヴィルマなら条件は満たしているし、アスガハン家は俺の縁威だから繋がりには使える。
 準男爵家の三女だから側室でもよく、ラングレー公爵への配慮も十分だ。
 というかルークの屋敷に招かれている時点で、ヴィルマが側室になる可能性ぐらいラングレー公爵も分かっているはずだ。あえてクギを刺さないで放置しておいたのは、万に一つも正妻になる可能性がないからだ。そもそもファブレ男爵が婚約指輪を贈ったのはハクカやスズネ以外存在しないからよ。

「ヴィルマは、ファブレ男爵は嫌か?」

「ううん。結構好き」

「好きか」

 生まれのせいで貴族社会には疎い部分があるようだがな。
 俺もどちかというとそいうのは嫌いで、義務でやっている部分もあるから、結構気が合うかもと思っているんだが。

「甲斐性もあるから、ヴィルマも食いっぱぐれないで済むぞ」

「それは一番大切」

 ヴィルマはよく食べるからな。将来の夫になる条件にそういう現実的な部分も必要となる。
 現実的すぎてちと面白みにかけるが、世の中の結婚観なんてそういうものだろう。
 ブライヒレーダー辺境伯が大好きな本のお話でもあるまいし。

「未来の旦那様と狩猟にいけるのは素晴らしい」

 ヴィルマは、狩猟が趣味でもあるからな。
 一緒に行けば、ほらデートという扱いになるわな。
 ファブレ男爵がどう思っているか知らないが、俺やヴィルマがそう思えばいいのさ。

「でも、まだ魔物領域には入れない」

「それなんだけよ・・・別に問題なくないか?」

 東南端未開地の大半は魔物の領域じゃないから、そこでの狩猟は問題あるまい。

「俺達とファブレ男爵、お互いの幸せのために頑張らないとな」

「エドガー様、いいことを言う」

「だろう?」

 ただ、まだ情報が不十分でもある。
 俺は家臣たちに更なる詳細な情報の収集を命令するのである。
 その過程で、思わぬ好機に遭遇したんだぜ。



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