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「ルーク・・・もういいの」

「ああ」

 俺達はドラゴンゴーレムが守っていた後方の扉を開けて中に入る事にする。

「大丈夫ですかね?」

「空中の魔力は無限だが、量は微量だからな。再稼動に必要な量を集めるのに最低でも数週間はかかる計算だ」

 万が一停止スイッチが嘘でもドラゴンゴーレムが再び動き出せるまでには時間がかかるらしい。
 俺達のような想定外の敵にブレスを乱発した結果、一気に魔力を使い果たして停止してしまったようだ。
 それでも半日は全力で攻撃できるのだから、本当に性質の悪い兵器とも言えた。

「たまに来る侵入者に今までは強烈なブレスを一発で済んでいたんだろうな。ブレス一発分なら、数日もあれば魔力は貯まるし」

 それどころか、ドラゴンゴーレム停止後の調査では犠牲になったのは、先に侵入して行方不明になった冒険者達だけであった。
 遺跡は完全に隠匿されていて、その入り口を開くスイッチを見つけた学生はまさに奇跡を引き当てたらしい。
 当然、ドラゴンゴーレムは数千年以上も稼動しておらず、さぞや魔力は満杯に近い状態であったのであろう。
 地面に転がっている、燃え残った哀れな犠牲者達の装備品の量から推定するに、ここは本当に未盗掘の地下遺跡であったようだ。

「ねえ、ルーク。どうしてドラゴンゴーレムを魔法の袋に入れないの?」

「その理由は、ドラゴンゴーレムがつけている魔力回収パネルにある。魔法の袋の維持に使われている魔力も回収してしまうからだよ」

「それなら魔力回収パネルを切断したらどうなの?」

「それをするとせっかく無傷で鹵獲したドラゴンゴーレムの仕組みも破壊することになる。それは魔道具の技術発達の障害になりかねないわけだ。慎重に解体と調査するだけでも1日はかかるわけだ。それなら、さっさと先に進んで、後は王国に任せた方が早いわけだ」

「なるほど」

「さてと問題はこの先にある部屋か……」

 広いフロアに設置された強烈なブレスを吐くドラゴンゴーレム。
 それを活動停止にして、俺達はどこか気が緩んでいたのかもしれない。
 行方不明の冒険者達もここで果てていた事を知り、さすがにこの先には何もあるまいと油断してしまったのだ。

「お宝でもあるのかな?」

「人工とはいえ、竜が守備しているからかしら?」

「金銀財宝か」

 エルとリッドとファラと普段は真面目で慎重なイーナですらあまり警戒もしないで、そのままドラゴンゴーレムの後ろにある扉を開けてしまう。
 この時点で、4人に何の異常も無かったのも、かえって良くなかったのであろう。

「お前ら、もう少し罠の存在なんかも慎重に探れ!」

 4人に続いて、ブランタークさんもドアを開けて先に行った。
 続けて、ヴェルとエリーゼが入った。
 次に俺とハクカとリーリンが入った。
 最後に、ルイーゼとクララが後方を警戒しながら部屋に入る。

「あれ? 行き止まり?」

 その部屋は十メートル四方ほどの何も無い天井も壁も床も全て石で出来た部屋であった。

「行き止まりかな?」

「……まさか……」

「あのブランタークさん?」

「すぐに部屋を出るんだ!」

 呑気に行き止まりかと言っているエルの後ろで、突然、ブランタークさんが大声をあげる。

「一体、何があるんです?」

「いいから、早く!」

 だが、結局は間に合わなかったらしい。
 突然その部屋の床一杯に何か円形のような模様が赤く光りながら浮かび上があったからだ。
 実はそうは言われても足の裏がまるで瞬間接着剤でくっ付けられたかのように動かないので、もはや逃げようがなかったのだ。

「魔法陣! でも、探知できなかった!」

 古代魔法文明時代の遺跡には、魔法技術を用いた罠が多く存在している。
 当然、予備校の授業でその大半は教わっているし、普通の魔法技術を用いた罠は、ある程度実力がある魔法使いなら探知可能であった。

「ちっ、油断した!」

「ブランタークさん! 足が動かない!」

「すまない、現役時代に比べると勘が鈍っていたようだな。どこに飛ばされるかわからないから、臨戦体勢を解かないように」

「もう諦めかよ!」

 ブランタークさんがそう言い終るのと同時に俺は瞬間移動を唱えた時に感じる、どこかに引っ張られるような感覚を最後に意識を失ってしまうのであった。



 

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