様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「うーーーん。困った……」

 戦闘開始から一時間ほど俺達は完全にこう着状態となった戦況に困ってしまっていた。

「外殻が、全てミスリル製だからな」

 ブランタークさんの言う通りで、このドラゴンゴーレムは外殻が全てミスリルで覆われていて、こちらの魔法が一切通じないのだ。
 更に強烈なブレスを連発して吐けるので、現在、俺達は全員で固まって、俺の魔法障壁でそれを防いでいる状態であった。

「ブレスも尻尾とかの物理的な攻撃もルークとヴェルとブランターク様の魔法障壁で防げるけど。これからどうしようか?」

 ルイーゼの言う通りで、こちらはドラゴンゴーレムからの攻撃は全て防げるのだが、一向に俺達が死なないのが不満らしく。
 狂ったようにブレスと尻尾による攻撃を連発し、こちらは攻撃に出る機会を封じられていたのだ。

「しかし良くあんなに連発でブレスが吐けるよな」

「よほど良い魔晶石を内臓しているんだろうな」

 エルの疑問に答えるようにブランタークさんが説明を始める。
 竜という種族は、小型のワイバーン種以外はブレスを吐く事が可能である。
 そしてそのブレスの元とは、竜が持つ膨大な魔力なのだそうだ。

「いくら火属性の竜でも体内に燃える物質を大量に蓄えているわけではないのさ。人間で言えば、火属性の魔法に長けた魔法使いのようなものだ」

 魔力が続く限りなら、いくらでもブレスは吐けるらしい。
 しかも、その魔力が空になっても竜が休めば二日間程度で満杯になってしまうそうだ。

「その竜の体の仕組みを利用して造られたのが、あのドラゴンゴーレムというわけだな」

「内蔵している魔晶石が肝なんですね」

「そういう事だな」

「でも、そんなに保つ物なんですか?」

 生きている竜であれば、休めば魔力は回復する。

「それは多分、あの変な鏡のような装置だと思う」

 ドラゴンゴーレムの額や耳の部分、あとは首の後ろや背中の部分などにソーラーパネルのような物が張られていた。

「あれで、空気中の魔力を集めているんだろうな」

 これも文献には書かれていた事らしい。
 元から空気中にも微量の魔力が漂っている事は知られていたのだが、今の魔法技術ではそれを集めて利用する方法は確立されていない。
 なので、やはりあのドラゴンゴーレムは古代魔法文明時代の遺産であるようだ。

「でも、そんな微量の魔力で大丈夫なんですか?」

「連続して、侵入者が来る想定にはなっていなかったんだろう」

 いくら古代の魔法文明でも、そうすぐにドラゴンゴーレムが使った魔力が補填できる装置の開発は不可能であろう。
 何しろ空気中に漂っている魔力の量は本当に少ないのだから。

「何年かに一度来る侵入者への対策なら、これでも十分なのさ」

 確かにブランタークさんの言う通りで、実際に実力者揃いであったベテラン冒険者のパーティーは、ドラゴンゴーレムによって全滅させられている。

 間違いなく、あの初撃のブレスで全滅させられてしまったのであろう。
 地面を良く見ると焼け残った装備品の小さな残骸が、所々に落ちているのが確認できた。

「しかし、何と言うブレス。人間の方は、骨まで灰になっているとか」

「こりゃあ、ある程度魔法障壁が得意な魔法使いじゃないと戦闘にも突入できなかったんだろうな」

「それで、これからどうするんです?」

「どうもこうも。これからも交代で、ブレスを防ぎ続けるだけだな」

「魔力切れを狙うんですね」

「決まっているだろう! こんな化け物、正面から戦うだけ無駄だ!」

 幸いにして、俺とブランタークさんはドラゴンゴーレムからの攻撃を全て魔法障壁で無効化できる。 
 こちらもドラゴンゴーレムに魔法を撃ってもミスリル装甲で弾かれてしまうし、一度試しにイーナが魔法で威力を上げた槍を撃ち込んでみたのだが、その槍はミスリル装甲は突き破ったものの、その下にあると思われる次の装甲で弾かれてしまっていた。

 ブランタークさんの推論では、ミスリル装甲の下にオリハルコン装甲が張られているのであろうとの話であった。
 ミスリル・オリハルコン複合装甲とか、前世で見たロボットアニメの設定なら面白いかもしれないが、敵に回ると迷惑の種でしかなかった。

「しかし迷惑な最強戦術兵器だな」

 それでも、戦術兵器なだけマシであった。
 頑丈で火力も最強クラスだが、命令が侵入者の阻止に限定されているし、燃費が良いのか悪いのかは知らないが、その補充方法が貧弱なので、じきに活動を停止すると思われたからだ。

「ところで、ブランタークさん」

「何だ?」

「これって、あとどのくらい動き続けるんですか?」

「さあな? 俺が知りたいくらいだ」

「……」

 それから約半日後、ドラゴンゴーレムはようやくその動きを止めるのであった。
 動きが止まったドラゴンゴーレムを観察することにした。

「これだな」

「へえ・・・こんな風になっているんだ」

 俺とルイーゼは、ドラゴンゴーレムの腹を見た。
 ルイーゼがポチっとスイッチを押した。

「動きを止めたとはいえ、また空気中から魔力を貯めて再稼動という恐怖も……」

「それなら、大丈夫だよ。ヴェル」

「何でだ?」

「あのね。お腹の下にスイッチがあったんだ。それをオフに切り替えた」

「そんな、玩具でもあるまいし……」

 約半日にも渡り、俺とブランタークさんが魔法障壁でその攻撃を防ぎ続けたドラゴンゴーレムは、遂に魔力切れで活動を停止させていた。

「・・・少しこのドラゴンゴーレムを調べたいんだけどいい」

「好きにしろ」

 俺は、ドラゴンゴーレムの魔道具について研究した。
 魔力パネルは、案外簡単な仕組みだな。
 ブレスの仕方に関しては、これは解体しないと分からないので、魔力パネルについて分かっただけでよしとするか。
 結局、ドラゴンゴーレムについて1時間ほど調査して分かったのは魔力パネルについての仕組みであった。



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