様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「ようやく結婚できるな」

「リョウ兄さん、俺も含めて笑えない」

 とある日の夜。
 今日はアンディ兄さんの案内でザフト邸において夕食会が開かれていた。
 メンバーは、俺達いつもの6人とスズネとヘルムートとアリス姉さんとアンディ兄さんを含めたザフト家の面々。
 そして、今度結婚する事になったリョウ兄さんが婚約者と共にだ。婚約者の名前は

「皆様、初めまして、リョウ様の婚約者のリュックと申します」

 金髪のセミロングと何より特徴的なのは右目が青、左目が緑の目をしている少女であることだ。

「初めまして、リュックさん、俺はルーク・フォン・ファブレだ。こちらが俺の婚約者たちの」

「ルーク様の婚約者のスズネ・フォン・ラングレーです」

 スズネが頭を下げた。

「同じくルーク様の婚約者のハクカです」

 ハクカも頭を下げた。

「リュックさん、初めまして、ルークの兄のアンディ・フォン・ザフトです。こちらが妻の」

「ミリアリア・フォン・ザフトです」

「アンディの養父のトガー・フォン・ザフトと申します。こちらが私の妻の」

「マリン・フォン・ザフトよ」

 アンディ兄さん達もそれぞれ頭を下げた。

「初めまして、ルーク様の家臣のリッドです」

「同じくルーク様の家臣のユメイと申します」

「ルーク様の家臣のミュウです」

「ルーク様の家臣のキャロルです」

「アンディとルークの兄でグラムだ」

「同じく兄のヘルムートだ」

「ルークの姉のアリスと申します」

 なお、グラムとヘルムートとアリス姉さんも近々婚約をする予定だそうだ。
 お相手は、リョウと同じくエドガー軍務卿が紹介をする予定らしい。

 近々、お見合いを行うようだ。

 このお見合いの特徴としては、『今回は、縁が無かったという事で……』という結論にならない点にある。
 グラムとヘルムートとアリス姉さんが、貴族としての未来を投げ打つ覚悟があるのなら別であろう。

「寄子で、娘さんしかいない騎士爵家があるんだと」

「とんでもない好条件だな」

「その分、ルークが悲惨な目に遭っているからな」

「悲惨な目というよりラングレー公爵とアスガハン準男爵に浄化の修行で悪霊付き物件を紹介してもらっただけなのに、どこで嗅ぎつけたのか教会がエリーゼ経由で依頼してくるんだよな……」

「魔力が多いのも大変だね」

 俺は、アンディ兄さんから慰められていた。
 例の『血塗れ王兄屋敷』の浄化に、それ以降舞い込むようになった王都周辺にある超厄介な悪霊付き物件の浄霊。
 魔法の修練にはなるが、苦労はしている自覚はあった。
 そのせいで、俺がいきなり貴族街に屋敷を構えても批判はされず、逆に『浄化』の腕前で評価は上がっているそうだ。
 上級貴族からすると今まで悪霊のせいで住めなかったり購入できなかった屋敷が使えるようになるのだ。
 それを行った俺を役に立つ奴だと思っているのであろう。
 ある意味、ホーエンハイム枢機卿の思惑通りでもあったのだ。
 尚、俺はホーエンハイム枢機卿に一切感謝はしていない。
 向こうも俺に感謝されているとお花畑思考はしていないはずだ。

「そのルークの多大な苦労のおかげで、俺達は結婚できるか」

「その代わりにエドガー軍務卿なんてお偉いさんに目を付けられたわけだ」

 俺のせいで、順調にエドガー軍務卿に囲われているようであった。

「警備隊勤務だからな。一応は、軍人の下っ端ではあるわけだけど」

「普通に考えると俺とリョウ兄貴とヘルムートなんて死ぬまで名前すら覚えて貰えないと思うけど」

 王国全土に騎士爵家だけで4000家以上も存在しているので、大物貴族が全員を覚えているはずもなかった。王国の統治が長いので、騎士爵から準男爵になった人たちがそれなりにいる。

「三男以下になると、よほどコネと才能が無いとな」

 何とか娘しかいない貴族家に婿入りするか、子が居ない貴族家に上手く養子に入るか。
 この時点で、かなり奇跡に近くその確率は低い。
 続けて、大物貴族の陪臣家に婿入りするか。
 これも普通なら、主人の次男以下を貰うか、陪臣同士で融通し合うので難しい。
 最後に同じ境遇の次女以下と結婚し、人生をかけて出世を目指すか。
 大抵は駄目で、子供の代で平民に落ちてしまうそうだ。
 もう最初から諦めて、平民の娘と結婚してしまう人もいる。
 利点は、無駄に見栄を張る必要が無いので、あまりお金を使わないで済むという点にある。
 結婚後には、豪農や商人などを目指す人向けらしい。
 あとは、意地でも貴族に拘って結婚しないで人生を終えてしまう人。
 実は、少なからず存在しているようだ。
 リョウは、こうならないで済んで胸を撫で下ろしていた。

「ルークも一緒に狩りに行くか?」

「良いですね。アンディ兄さんも行きましょうよ」

「そうだね。5人で、狩りにでも勤しもうか」

「なあ、ルーク」

 兄弟5人で狩りの相談をしていると、そこにリッドが加わってくる。

「何だ? リッド」

「いつの間にか、家を出たファブレ家の派閥が出来ているぞ」

「人は、三人居ると派閥が出来るから」

「それは良く聞くけどな」

 とは言っても実家がこちらを放置しているので、こちらは出て行った者同士で固まるしかないわけだ。

「普通は年長者が纏めるんだけど、うちは逆」

「アンディは頭が良いし、ルークは魔法が使えるから」

 家を継げない悲哀を共に経験しているせいで、家を出た兄弟同士は集まる傾向が強い。
 ただ、運良く他の兄弟が婿入りなどで貴族になれたり、出世したりすると、その関係が呆気なく崩壊してしまう事も多いようであったが。

「俺達は、並の才能しかないからな」

 とは言うが、警備隊で部下達を統率しているので、先の諸侯軍でも無難に兵を率いていたと聞いている。
 軍で中隊長(100人規模)くらいなら、普通に勤まりそうではあった。

「うちは、トニー兄さんが一番微妙だと思う」

「従士長の家に婿に入ったルパン兄さんは、ファブレ家では、一番剣に優れていたからな」

 兄弟の中で一番体が大きくて見た目は少し怖いのだが、実際に話すと気さくで、領内の警備では上手く領民達を率いているそうだ。
 自慢ではないが、俺はほとんど話をした事が無いので良く知らなかったのだ。

「トニー兄さんは、どうなのです?」

「最近、父上が衰えたらしくて独自に判断している節はあるな。家を出る前は、父上の言う事を良く聞く真面目な……」

「普通の人だな。うちの兄弟の中では……」

 俺からの質問にリョウとグラムがそう答えていた。 
 一番駄目でも、長男なので跡を継げる。
 家の秩序の事を考えると、これは仕方が無いのであろう。
 それに領内の統治が駄目になるほど無能というわけでもないのだ。

 平凡の平凡。

 これが、上の兄さん達に共通したトニー兄さんへの評価であった。

「王都在住ファブレ一族閥ねぇ……」

 その後は、話題をリョウの結婚に戻して食事会は楽しいままで幕を閉じる。
 それと三日後にエドガー軍務卿の紹介でグラムの見合いが行われるらしい。
 断られる心配はまず無いそうで、見合いというよりは顔合わせだったのだが、その席になぜか俺達も呼ばれる事になってしまう。

「エドガー軍務卿が、見合いの後で会いたいそうだ」

「俺も、まだ5回しか会った事が無いですよ」

 一回目は、骨竜を倒した謁見の席。
 二回目は、グレードグランド討伐後の謁見の席。
 三回目は、誕生パーティーでプレゼントのお礼を言ったような記憶が……。
 4回目は、魔道具製造依頼の時にあったような記憶がある。
 5回目は、ヴェルの誕生パーティでだ。

 というか、あまり話をした記憶すら無かった。
 見た目は五十歳前後で、常に勲章が沢山付いた儀礼用の衣装に身を包んだ。 
 ブラウン色の角刈り短髪とカイゼル髭が特徴の、いかにも軍人と言った風貌の人であったのだが。

「俺なんて、直接に顔を合わせるのは初めてなんだけど……」

 そんなわけで、俺は貴族同士の見合いの席に顔を出す事になってしまう。
 リョウ兄さんのお見合いなので、保護者扱いなのかは微妙な線ではあったのだ。



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