様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 リネンハイム氏から購入した屋敷の改装に関してだが、ブライヒレーダー辺境伯に頼ろうと思ったがブランタークさんが王都にいる以上、王都にいないことに気づき、ラングレー公爵家の伝を頼ることにした。

「構いませんよ」

「ありがとうございます」

「早速、手配しましょう」

 ラングレー公爵が、大工さんを手配してくれた。

「この場合ですと新装ですね」

「王都だと改装ではなく新装だと?」

「ええ・・・そうです。屋敷を購入した貴族の半分以上が改装ではなく新装にしているのです。その方が見栄えや家族の人数などの部屋数など変えやすいということもあります」

「なるほど」

 俺は、大工に魔道具を取り付けることを伝えたり、間取りを決めたりと割と忙しかった。
 ファブレ男爵家の土地は、3600屬任△襦9さ的には縦横60mである。
 男爵家では、標準ぐらいの広さの土地である。
 元々貴族の屋敷の大半は、新装にするため屋敷の評価額ではなく、土地の評価額で決めるらしい。
 取り付ける魔道具は『魔導給水ポット』『魔導コンロ』『魔導灯』『魔導バイオトイレ』『魔導風呂』『魔導給湯ポット』『魔導オーブン』『魔導シャワー』『魔導冷凍箱』『魔導冷蔵箱』『魔導氷箱』『発風機』『冷風機』『軽減結晶』『開閉認証結晶』である。ちなみに『魔導給水ポット』は、旧型を回収して新型をラングレー公爵家とザフト騎士家にプレゼントしてある。旧型は、グラムとリョウに渡してある。魔力も補充されているので問題なく稼動できる。

「かなり魔道具が作れるようになったようですな」

「ええ、おかげさまで、王都で修行していなかったらもっと魔道具の開発は遅れていたと思いますけどね」

「でしょうね。所で、瑕疵物件だったとか聞いたのだが」

「それなら『浄化』しましたよ」

「抗議に行かなかったのですか?」

「ホーエンハイム枢機卿に抗議には行きましたよ」

『リネンハイムは、表の高級物件の売買では有名な男だ。だが同時に、裏の瑕疵物件の売買でも有名でな』

 どう見ても売れそうもない物件を安く買い取ったり、もし売れたら高額の手数料を支払うと物件の持ち主に言わせた後、独自のコネで浄化を行って普通の物件にして利益を上げる。
 そのコネというのは、大半が教会とのコネであると思われるが、そのための経費は十分に使っているようだ。

『あの男はどういうわけか、こちらが新しい教会を作りそうな場所を見抜くのが上手い』

 事前に整地までして揉み手で現れ、しかも少し相場よりも安く売ってくれるらしい。
 胡散臭いが、不動産屋としての才能はある。
 そういう男らしい。

『それで、『浄化』の優先順位が高いと?』

『寄付金もケチらないのでな。平民出の司祭に大人気だな』

 ホーエンハイム氏に言わせると人の欲に敏感なのだそうだ。

『御爺様! いきなり素人のヴェンデリン様やルーク様に、あそこまで難易度の高い浄化なんて!』

 話に割って入ったエリーゼが、また激高してホーエンハイム枢機卿に苦言を呈した。

『すまぬの。エリーゼの大切な旦那様に無理を強いて。昨日は、愛しの旦那様と仲良く浄霊できたから良しとしてくれぬか?』

『愛しの旦那様……』

 エリーゼは顔を真っ赤にさせて俯いてしまう。

『浄化の良い練習にはなりましたけどね』

『それにだ。婿殿たちが自分で稼いだとはいえ、いきなり中級貴族街で大枚など叩いて屋敷など購入してみよ。どうなると思う?』

『えっ、そこまで酷いんですか?』

 俺たちが、貧乏騎士なのが良くないようだ。
 普通に新参者が、いきなり中級貴族街で有り余る財力を使って元男爵以上の屋敷を購入する。
 それだけで、『成り上がりの新参者が……』と陰口を叩かれるそうだ。
 『お前なんて、下級貴族街の屋敷で十分だ』と。

『そこでだ。あの胡散臭いリネンハイムと裏に居る教会に騙されて、性質の悪い瑕疵物件ばかり数軒も紹介とは名ばかりで『浄化』させられた。その苦労を思えば、あの男爵屋敷くらいという話になる』

 ホーエンハイム枢機卿に言わせると成り上がり者にはこのような配慮も必要らしい。
 貴族達からの悪評も俺たちを上手く使って多額の利益を得たリネンハイム氏に向かっているらしい。
 彼の場合は、元々胡散臭いと評判なので余計にだそうだ。

『浄化した性質の悪い瑕疵物件も普通に売れますしね』

『手頃な屋敷が無くて、高位貴族側で順番待ちをしている連中もおるのでな。そういう連中に婿殿たちは恩を売ったとも言える』

 たかが屋敷一つ買うくらいで、俺は本当に貴族という生き物がわからなくなってくる。
 中身が元庶民なので、余計にそう思ってしまうのだ。

『挙句に無料で貰ったあの屋敷にも、変なのが憑いてましたね』

『俺も普通に買った屋敷にも変なのがいたな』

『何? リネンハイムの奴、報酬の屋敷や購入した屋敷まで瑕疵物件を渡したのか?』

『俺とエリーゼとルークなら、浄化可能だと思ったんでしょうね』

『相変わらず、油断のならない……。後で、少し絞らないと駄目だな』

 翌日、ホーエンハイム枢機卿に呼び出されて絞られたのか?

 リネンハイム氏がお詫びに来て、もう一軒屋敷を譲渡しますと言って権利書を押し付けて行く。
 すぐにその権利書に記載された屋敷へと向かうと、そこは元は某王族が使用していた屋敷であるらしい。
 物凄く広大な敷地に大邸宅が建っていた。
 と同時に、また周囲の塀全てに教会謹製のお札が張られ、敷地の中では数百もの悪霊が真昼間から飛び交う最高級の瑕疵物件でもあったのだが。

『何々……。(10代前の王兄様のお屋敷で、この人は使用人や家臣やその家族までもを多数地下室で拷問にかけて虐殺するのが趣味でして。でも、内緒ですよ)……』

 あまりに酷い話だが、王様の兄が大量快楽殺人者だと世間にバレるのも問題なわけで、結局その王兄は病死した事にされたらしい。
 もっとも、その隠密処分のせいで、殺された人達の怒りが屋敷と敷地に澱んで溜まってしまい。
 今では、教会すら匙を投げる災厄クラスの瑕疵物件と化しているようであったが。
 そういえば、この屋敷と同じ区画にある屋敷は全て無人となっていた。
 上級貴族なので当然この屋敷の由来は知っていて、近所に引っ越す事すら躊躇われる物件なのであろう。 

『あのインチキ不動産屋め!』

『ルーク?』

『所持しているだけで、邪魔じゃないか!』

 結局この屋敷、ハクカとミュウ

「大丈夫か?」

「大丈夫、ハクカとの合体魔法でいけるよ」

「そうか」

 共同でエリア浄化を行い悪霊を浄化する事となった。ミュウ曰く、中級魔法使い並の魔力でも剣に聖の魔力を込めれば切れるのでハクカの護衛には最適とのことだ。
 しかし、歴代の教会関係者が匙を投げるほどの物件だったので、その『浄化』には時間と魔力を消費する羽目になった。

『あの物件を『浄化』とは! 某なら、挑戦する気すら起きないのである!』

 あのアームストロング導師がそこまで言う物件ではあったが、何とか屋敷の浄化には成功していた。 

『あのインチキ不動産屋、まさか揉み手で売却の相談に来ないよな?』

『無いとは言えません……何しろこの血塗れ王兄屋敷ですけど、周囲の屋敷は全てリネンハイム不動産に安く買い叩かれていまして……』

『さすがは、インチキ不動産屋』

『同業者の間でも、胡散臭いって有名ですからね』

『絶対売ってやらねえ』

 暫くしてその買い叩いた周囲の屋敷が全て売れたようだ。

「あの『浄化』にはそんな話があったんですね」

 屋敷を購入してから1ヶ月後。
 季節は、夏から秋である。
 屋敷の改装が完了したのだ。
 基本的に自分のことは自分で出来るため使用人の存在意義が薄かったのだが、アンディ兄さんに雇わないとダメだといわれたので急遽、使用人を雇うことになったのだ。それとついでに写真を専門に扱い、撮影する使用人や本の印刷をする使用人などを雇ったりしたのだ。写真専門部隊の使用人は、専らお見合い写真が主であった。他にも披露宴の写真を撮ったりする仕事などもある。本の印刷は、小説等を出版するための印刷である。これら写真や印刷が結構な収入となったのだ。

役職    人数  月々の賃金
執事    1人  9600セント
護衛兵   4人  6000セント
伝令    1人  4000セント
メイド長  1人  9600セント
メイド   10人 4000セント
料理長   1人  6000セント
料理人   10人 4000セント

 必要最低限の使用人である。
 全てラングレー公爵家の紹介である。
 使用人は、週休2日、実働6時間、年2回の賞与、3食付、仕事用の制服付きである。
 王都の下級警備隊の月々の給料は、2500セントからであり、この給料と待遇は破格である。

「執事のコスロです」

 頭を下げてきたのは灰色の髪の20代の若者である。

「料理人のエディタと申します」

 同じく頭を下げてきたのは、黒髪の20代の女性である。

「侍女のマリアといいます」

 20代の茶髪のショートカットの女性が挨拶してきた。
 彼女は、スズネの専属メイドであり、所属はラングレー公爵家である。
 ちなみにファブレ男爵の使用人たちは若い人間で占められている。

「お館様、スズネ様が来られました」

 居間で、寛いでいたらメイドのアリスに話しかけられた。
 アリスは、金髪碧眼の12歳の少女である。

「分かった。通して欲しい。後、紅茶を」

「畏まりました」

 マリアに連れてこられたスズネが来た。

「おはようございます。ルーク様、ハクカさん、ファラさん、ミュウさん、リッドさん、キャロルさん」

「おはよう、スズネ」

「おはよう、スズネちゃん」

「おはよう、スズネ」

「おはよう、スズネ」

「おはよう、スズネ」

「おはよう、スズネ」

 スズネがソファーに座り、マリアが紅茶を入れていた。

「どうかしたのか?」

「はい、エリーゼ様についてはご存知でしょうか?」

「?」

 スズネの問いに疑問を持った。

「そのお噂については」

「・・・うわさ?いや知らないけど」

「じつは」

 どうやらヴェルの屋敷にエリーゼが移り住んだらしい。
 そのせいで、エリーゼに対してヴェルを誘惑して婚約者になったふしだらな聖女という話が貴族の間で広まっているようだ。ホーエンハイム枢機卿に対してエリーゼはヴェルの婚約者に相応しくないのではという話が出回っているらしい。

「すごい話だな」

「エリーゼは気にしていないんだよな」

「はい」

「ホーエンハイム子爵様のご命令ですね」

 とマリアが見解を示した。

「そうなのですか?」

 スズネが首をかしげながら聞いた。

「ええ・・・ただ、結婚前に屋敷に暮らすのは少々いただけませんわ。この様子ですとホーエンハイム枢機卿は本気でヴェンデリン様とエリーゼ様と結婚させる気のようですわ」

「珍しいのか?」

「ええ・・・・とても珍しいことです。ですからあのような噂が立つのです。本来なら通いながら屋敷に出入りするのが普通ですわ」

「なるほど」

「ヴェンデリン様やエリーゼ様やホーエンハイム家に限って大問題を起こす真似はなさらないですわね」

「マリアの言うとおりですね」

 スズネがその言葉に賛同したのであった。
 確かに教会の重鎮たるホーエンハイム家が貴族関係で大問題を引き起こすとは考えられないし、ヴェルも同じだな。



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