様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「というわけである」

「なるほどのう」

 ファブレ男爵とバウマイスター男爵の修行から1ヵ月後。
 ブランタークがふたりの修行を引き受けた日の深夜である。
 余は、訪ねてきたクリムトとワインを飲みながら話していた。

「某の独断であったが、止めるのも変であったゆえ許可したのであるが陛下のご判断を仰ぎたいのである」

「いや、構わぬよ」

 冒険者としての修行から外れているとはいえ、王国にとって悪いことではない。

「では・・・・やるので」

「王国200年の膿を出さねばならぬが」

「受け皿であるか」

「そうだ、あるいはこちらの方が大変やもしれぬ。ファブレ男爵が王国に『魔晶石』を売っていることは、数多くの人間に知れ渡っておる」

「王国にとっては得になっているであるな」

「そうよの」

「では」

「それしかあるまい」

 ここで無理をさせれば、ファブレ男爵が潰れてしまうかも知れぬ。
 それでは、膿が出せても後が続かなくては意味がない。

「某は危機感が出るのであれば、受け皿は不要であると思うのである」

「そうよの」

 クリムトの考えに余は賛成した。
 ただし、あやつらに危機感が出るかといえば首を傾げてしまう。
 冒険者達はまだいい、命がけの報酬が高額なのは当たり前なのだから、問題はあやつらの方だ。
 あやつらの殿様勘定ぶりは・・・・。
 あやつらにしか作れないのだからどうしてもあやつらの言い値で買うしかないのだ。だが、もしもその選択肢が広がるなら、そこにあやつら以外にも作れる人物がいれば、どうだ。

「それとファブレ男爵に頼んで売ってもらった魔道具ギルドで作れない代物である」

「ほう・・・・見事よの」

 クリムトが取り出したのは、見事の細工が施されたポットであった。

「これの効果は?」

「何の変哲もない水を出すポットであるな」

「水か」

「水である・・・ただし250リットルの水が1年である」

「相当な水が出せるの」

「冒険者や商人あるいは金持ちや一部の貴族に人気である。これがあれば水を大量に持ち運ばなくてもいいのと安心して水が飲めるという点と冷たい水という点である。値段は、大よそ金貨32枚である」

「・・・手ごろな値段よの。水売り屋に配慮したのか」

「そうである。夏場に水を売っている商人を見かけたので、その値段から計算したようである」

「なるほどな」

 水売りの場合は、1リットルの水1杯が2セントである。

「・・・この時点で魔道具ギルドの成果を上回っておるな」

 魔道具ギルド謹製の水は、会心の出来の魔道具でさえ1リットルの水が出せるだけである。
 平均がコップ1杯程度の水である。

「『加速弓』『魔導灯』『ライター』などは、先人が復興させた成果である」

「かくも先人は偉大であるの・・・・・・エリーゼは惜しかったのう」

「後ろ盾であるか」

「ファブレ男爵はラングレー公爵家の後ろ盾が見込めるから中央においては十分だな」

 ラングレー家は、公爵なので王家や他の大物貴族たちの力も借りれるのだ。

「某としては、エリーゼが危険に巻き込まれずに助かったと思うのである」

「ブライヒレーダー辺境伯は、エリーゼを暗殺したり、子供が出来ない身体にしたりする男ではないからのう」

 余は、静かにワインを飲むのであった。



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