様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 余は、1人の老人と謁見をしていた。
 老人の背後には一人の美少女が控えていた。
 エリーゼが華やかな美少女ならばこちらは華やかさはないが控えめな感じの美少女である。
 まさに太陽のエリーゼと月の・・・である。

「それで、余と話したいことというのは、後に控えている少女に関係しているのか」

「はい、ご慧眼であらせられます。さすがは陛下」

「世辞は良い」

 この程度で褒められることではない。
 それは、この老人も分かっている。

「彼女は、我が娘です」

 余に見られてカルラが

「カルラ・フォン・ブロワと申します」

 カルラが、スカートを少しだけ持ち上げ膝を少し曲げた。

「余が、ヘルムート37世である」

「カルラをつれてきたのは、竜殺しに嫁がせたいと思い、陛下のご許可を頂きたく思います」

「正妻と?」

「出来ますれば、それがいいでしょう」

 竜殺しの英雄に高位貴族の娘を妻にか。
 なるほど、エリーゼと変わらぬ美しさに年齢、通常ならそれもよいだろう。

「残念ながら不可能だ」

「すでに」

「竜殺しには、聖女と姫がいる」

「・・・!」

「意味が分かるな」

 聖女には、あの男がいる。
 そして姫は、辺境伯より位が上の娘なのだ。
 正妻になるには、聖女を蹴落とすしかないがそれをあの男が許すとは思えぬ。

「姫の年齢では」

「通常ならであろう」

「はい」

「突如として襲い掛かった邪悪なる古代竜は、馬車に向けてブレスを放ち、男と少女が『魔法障壁』を張り、ブレスに対抗したのであった。男と少女の『魔法障壁』にブレスは打ち破れず、古代竜は、叶わぬと見て魔導飛行船の方に向かった。そして1人の男が魔導飛行船から出てきて、古代竜と対峙し、聖なる光を放つも苦戦していたところを馬車を守った男も古代竜と対峙し、二人の男は、聖なる光を放つも古代竜は、抵抗し、男達の魔力が徐々に少なくなりつつあり、このままでは、男の命も危機になりつつあるところで少女の祈りの力が届いたのであった。少女の祈りの力を得て聖なる力は、輝きを増し、ついには、古代竜を聖なる光で浄化したのであった。古代竜を相手に共闘した少女は、命を助けてもらった英雄の妻になるのであった」

 立派な英雄談になるのだ。
 尚、この話にうそが全くないのが怖い所である。
 ここから姫の年齢が年齢なので正妻の座を引きずり落とすのは不可能である。
 命を救ってもらった竜殺しの英雄に姫が嫁ぐのである。

「第2正妻なら可能ではございませんか?」

「確かに可能だ」

「姫はまだ幼い」

 要するに貴族社会を教えるために幼い姫より自分の娘の方が教えられるだろうということか。
 そこから利権を狙うか。ラングレー公爵家以上の利権を狙うには、カルラの頑張り次第ではあろう。

 ファブレ騎士爵の正妻候補は、スズネである。
 側室候補は、ハクカ、ユメイ、ミュウの3人がいる。

「ダメだな」

「南部との関係でしょうか?」

「そうだ」

 東部と南部の仲の悪さは、悪い意味で有名である。逆に言えば、西部と南部の関係は、普通なのである。
 通常の法衣貴族のまま終わらせるなら、カルラをいれるのはいいが・・・アーカート神聖帝国も北の未開地に力を入れてきておる。
 このまま法衣貴族のまま終わらせるのは惜しい。

「アーカート神聖帝国の件はご存知でしょうか?」

 いたい所をついてくるな。

「知っておる」

「では、条件付の第2正妻では可能でしょうか」

「・・・・!」

 初めから、それが狙いか。

「東部の現在の状況は、中央と大差ありません。それは南部や西部も同じですが」

「・・・数十年先の話になるがな」

「それは、承知しております」

「他家の利権に首を出すなよ」

「要請されれば、手助けしますが」

「それは仕方ないの・・・」

 ブライヒレーダー辺境伯家に増長されても困るから許可するしかないの。
 
「当主たちの許可を得てからならば、第2正妻の件は認めよう」

「承知しました」

 ブロワは、謁見の間から退出した。

「お疲れです。父上」

「ああ」

「第2正妻は、よろしいのですか?」

「状況を正しく理解しておるからの」

「では?」

「当人たちが欲しいと望まない限り、婚姻を許可するわけにはいかぬ」

 カルラは少々惜しい娘だな。
 カルラとファブレ騎士爵を婚姻させて南部に楔を入れるのも悪くもない。
 とはいえ、スズネとの婚姻についてラングレー公爵が話しを通してきたばかりである。もちろん公爵本人も言っておったがファブレ騎士爵の希望次第では、婚約は流すといっておった。最もラングレー公爵のことだからルークとスズネの婚姻を成立させるであろう。
 本来ならスズネは、第2王子に嫁ぐ予定であったがな。これについてはラングレー公爵から同意は得ておらぬが、成人したら100%そうなるであろうと予想されておったからの。

 しばらくは第2王子の正妻探しになるの。

 ここで、ファブレ騎士爵に魔物領域の解放命令に加えて更にカルラを妻にするべく強行したらアーカート神聖帝国に逃げかねぬな。
 だから、しばらくは様子見だな。



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