様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 王都で下級官吏を勤めるアンディ兄さんの結婚式に出るため、俺達はブライヒブルクから出ている遠距離馬車へと乗り込んでいた。

「いい眺めだな」

「うん」

 馬車から見える森の風景を見て楽しんでいた。
 乗客は、馬車の座席の関係で最大54人ほど座れるようになっている。
 俺の両隣にハクカとミュウが座り、俺に向かい合うように座っているのはリッドである。そして、ハクカに向かい合うように座っているのはファラである。ミュウに向かい合うように座っているのはミスミである。キャロルは、ミュウとミスミの真ん中の座席である。
 その馬車が横に3列、縦に10列も続いているのである。

「休憩だ」

 どうやら、昼食のようだ。
 遠距離場所の場合だと最寄の村に行き、そこで寝泊りや食事をしたりするそうだ。ちなみにその最寄のむらとかでは、結構繁盛していた。もちろん観光客が落とすお金によるものだけどね。

 今日の昼食は、白パン2つ、大盛りの野菜炒め、野菜スープである。

 そんなこんなで、馬車を移動させ2日後。
 街道では馬になり鎧を着けた集団がいた。

「あれは・・?」

「ブライヒレーダー辺境伯様の軍ね」

 どうやら主に治安維持のために派遣されているようだ。

「この辺でお昼にしましょう」

 馬車での昼食はパン2つ、乾燥肉1切れのようだ。
 俺たちは、立ち上がり近くにいるウサギ数匹を倒した。他の冒険者予備校の生徒たちや冒険者たちもウサギなどを倒していた。

 魔法の袋から、鍋や鳥の出汁や各種野菜を取り出し、調理していく。
 本日の昼食は、パン2つ、ウサギ肉の野菜炒め、野菜スープで決まりだ。

 それから4日後。
 馬がスピードを上げていた。

「いったい何・・・キャ」

 馬がスピードを上げたので馬車の揺れがひどく、俺の横の座席に座っていたハクカが床に倒れ掛かりそうになったので、慌ててハクカを抱きとめる。

「・・・・ありが・・・とう」

「みんな、後ろ」

 リッドが絶句し、ファラの叫びがしたので俺、ハクカ、ミュウは後ろを振り返る。

「・・・あれって」

「・・・ああ」

 俺も冷や汗を流す。

「骨だよね」

「ああ」

「・・・りゅう?」

「ああ・・・・それもでかいな」

 およそ全長100mクラスの骨の竜がいた。
 この竜がいるので馬がスピードを上げていたようだ。
 問題は、骨竜が魔力をためるのが分かった。
 危険を感じた俺は、魔力をためる。
 骨竜は、口から馬車めがけてドス黒い毒霧のようなブレスを広範囲に吐き始める。

「危な!」

 危険を感じて準備はしていたので、すぐに『魔法障壁』を発動させるとほぼ同時に『魔法障壁』を張っている魔法使いがいたようだ。その魔法使いの『魔法障壁』同士が干渉したので、師匠の授業を思い出した。

『もし同じ魔法が干渉するようでしたら、すぐに魔法をやめるかもしくは、その人の魔力に干渉して歩調を合わせて魔法を使うといいでしょう。そうすれば歩調を合わせた魔法は強力な魔法を生み出せます』

 魔法使いの魔力に干渉して

「・・・ん・・・」

 あたかも『器あわせ』をした感覚に陥るが慌てて魔法使いの魔力に歩調を合わせ『魔法障壁』を馬車郡をすっぽりと覆うように張る。そして、ブレスが『魔法障壁』に干渉する。

 ブレスが『魔法障壁』に干渉するたびにギシギシと音が鳴り響く。
 そして、数時間のときが過ぎたように感じたが実際には、数分程度である。
 するとブレスが収まった。
 俺と魔法使いはどうにか骨竜の攻撃から馬車郡を守ることに成功したのだ。
 周囲を見渡すと草木や木々は枯れ果てていた。

「この竜、何属性のブレスを吐いたんだ」

 骨竜のブレスの威力にぞっとした。
 俺は、馬車郡の無事を確認したので、聖の魔法を発動するために貯めていた。
 あの骨竜に対抗するためである。

「うお〜」

 馬車が急に止まったおかげで、次々と乗客が馬車から外に吹き飛ばされていた。

「・・・ん・・・あれ?」

 骨竜が遠ざかっていった。
 俺たちは安堵した。

「・・・ねえ、あそこって」

 ファラが指差す方向を見ると

「魔導飛行船か?」

 帆をつけた木造船が空に浮かび、それに反応してか猛スピードで骨竜が向かっていった。
 木造船がスピードを上げ、骨竜も追いかけていった。

「ねえ、あれって、エルたちが乗ってなかった」

「・・・あ」

「おい、誰か・・・あれを倒せるか?」

「俺の弓は無理だな」

「私の蹴りなんて余計に無理じゃない」

「私の魔法でも無理だよ」

「槍も無理ね」

「ルークは?」

「飛べばいける(あの骨竜を包み込むほどの大きさの『聖光』を)さすがにエルたちが死ぬのは目覚めが悪いから行ってくる」

「気をつけてね」

「ルーク・・・私も連れて行って」

 ハクカが真剣な顔をしてきた。

「ちょ・・・危険だよ」

 ファラが慌ててとめる。

「はぁ・・・分かった」

「「「え」」」

 ファラとリッドとキャロルが驚いていた。

「ハクカ、ルークも気を付けてね」

「ああ」

「うん」

 ミュウの言葉を聞き、俺は、ハクカを抱きかかえて飛び出した。
 魔道飛行船が見え、骨竜もいた。
 その直後に骨竜はドス黒い毒霧のようなブレスを広範囲に吐き始める。

「危ねえ!」

 準備はしていたので、すぐに俺は魔法障壁を発動させる。

「魔導飛行船は・・?」

「無事みたいだよ」

 船を完全に包み込む『魔法障壁』が展開されていた。
 船の無事を確認した俺は、その僅かな時間の間にも魔力を聖の魔法を発動するために貯めていた。

「でも・・・あれ」

 ハクカのおびえた声に周囲を見渡すと骨竜のブレスを浴びた周辺の山や森は、草木や木々が一瞬で枯れ果てていた。

「あ・・・ルーク」

「ああ」

 骨竜の至近に到達していたヴェンデリンは、骨竜の両手と尾っぽからの連続攻撃を『飛翔』でかわしていた。
 ヴェンデリンが貯め込んでいた魔力を開放していた。
 聖属性特有の青白い光は、ヴェンデリンを中心として骨竜の全てを包み込み、聖光を浴びた骨竜は咆哮をあげていた。その間、骨竜は滅茶苦茶に手足や尻尾を振り回し、ヴェンデリンを弾き飛ばそうとしていた。

 俺はヴェンデリンを援護すべき青白い光を右手のひらから発射した。
 ハクカを左手で持ち抱き寄せ、ハクカは落ちないように俺の背中にギュッと腕を回していた。

「ルーク、それにハクカ?」

 ヴェンデリンが俺たちに気づき目を丸くしていた。
 骨竜は、それでも攻撃を諦めてない。
 俺の魔力が徐々に減っていくのがわかる。
 とんでもない魔法防御力だ。

「ヴェンデリン、やるぞ。魔力は」

「大丈夫だ」

 ヴェンデリンも白き光を強める。

「・・・ハクカ!」

「ルーク、私の力を」

 俺の背中や胸に温かな光が流れてきていた。
 ハクカの魔力補充と魔法威力上昇であった。
 単純に俺の聖光撃力は35万、ヴェンデリンの聖攻撃力は105万、骨竜の魔法耐性は単純に8000万である。実際にはルークの聖攻撃力は、105万を超えており、ヴェンデリンの聖攻撃力は315万である。聖の魔法に対して闇の属性を持っている魔物に対して特効を有しているからこそ、2人の攻撃力はこれほどの聖の威力になっているのだが骨竜が強すぎるのである。
 ハクカの魔力補充と魔法威力上昇で、俺の聖攻撃力は6億である。ヴェンデリンの聖攻撃力と合わせると7億を超える。
 そうしているうちに白き光が輝きを増す。

「いっけええ〜〜〜〜〜〜〜」

 残りの魔力をすべて放出する。
 次第に骨竜は断末魔の咆哮を上げていき、最後にはそのまま動かなくなってしまう。
 急ぎ魔力の反応を見ると、どうやら完全にアンデッドモンスターとしては、その活動を終えてしまったようだ。
 さすがは古代竜の骨とでも言うべきか聖の光を長時間浴びても骨には何一つダメージを受けていない。
 むしろ、アンデッド状態から脱したせいで、骨は美しい光沢を放つようになっていた。
 聖の光が収まってから数秒後、上空で竜の骨格図通りの形を保っていた骨であったが、次第にパーツ毎にバラけて地面へと落下し始める。

 アンデッドとしての活動を停止した骨は、ただの無機物でしかない。
 重力に引かれて落ちるのは、当然の結末と言えよう。

「・・・ハァハァハァ・・・や・・った・・ね」

「ああ」

 フワッ

「・・ハクカ」

 ハクカが眠るように気を失い、身体の力が抜けているようだ。
 俺は、ハクカを抱き寄せる腕を強め、落とさないようにした。

「おーーーい、坊主ども! 骨を回収しろ! 勿体無いじゃねえか!」

 男が、空中に浮いている俺たちにバラけて地面へと落下しつつある骨を拾うようにと叫んでいた。
 いくら伝説の古代竜の骨とはいえ、アンデッドの骨を素材として使うのはどうかと思ったのだが、俺たちが無事に聖の魔法で浄化したので問題は無いのであろう。

 素早く地面に落ちる前に全ての骨の回収に成功する。
 こういう時には、やはり魔法の袋は便利であった。
 そして、俺たちはもう一つ不思議な物体の回収に成功していた。

 直径二メートル。

 魔法の袋がなければ空中で拾えなかったであろう真っ赤で綺麗な光を放つ石の正体は、この竜の魔石であったらしい。
 本では、どんな魔物でもその体内に持っている魔物が魔物である根拠となる石であるようだ。
 加工すると魔晶石になるし、魔力の減った魔晶石の充電にも使えるそうなので、冒険者は必ず倒した魔物からこの魔石を回収すると予備校の参考書に書かれていた。
 授業でも先生が強調して教えていたほどだ。

「さすがに今日は魔力がほぼ限界だよ」

「大丈夫か?」

 フラフラと戻るヴェンデリンを心配になり、右手で、ヴェンデリンの背中を押す。
 左手で、ハクカを胸元まで抱き寄せ、浮遊魔法で万全な体制にしているので、あいにく残った右手で押す以外手段がない。

「ありがたいけど」

「俺がヴェンデリンをか・・・」

 俺がヴェンデリンを右手で丁寧に運ぶのか。
 俺たちはその姿を思い浮かべてないなと思った。

「今のはなしで・・・って、浮遊魔法をかけてくれればいいだろう」

「こっちの方が楽だ、飛翔でフラフラするだけの魔力があるから、いらんだろう」

 そんな話をしながら魔導飛行船に行った。

「しかし、古代竜の骨格一式にとんでもない大きさの魔石か。大儲けじゃないか」

 無事にアンデット古代竜を倒した俺たちを多くの人が歓声と共に出迎えていたが、男は例の魔石が気になってしょうがないらしい。
 要望に答えて袋から出すと、あまりの大きさに周囲からまた歓声があがっていた。

「確かに大きいですね」

「この魔導飛行船を動かしている魔晶石でも、精々で直径五十センチほどですよ」

 全長が百メートルを超える魔導飛行船のエネルギー源でもある魔晶石が、この目の前にある巨大な魔石の四分の一。

 なら、この四倍の直径を持つ魔石ともなると果たしてどれだけの事が出来るのであろうか?

 俺は、その評価額と共に非常に気になり始めていた。

「そうですな……。これだけの大きさの魔石となりますと相場は白金貨1万6000枚からでしょうな」

 まるで俺の心の声を見透かしたように、一人の商人がウンウンと頷きながら声をかけてくる。

 年齢は五十歳ほどであろうか?

 その身なりを見るに、かなりの商いを行う商人らしい。
 運賃が最低でも金貨一枚の魔導飛行船に乗っているのだから、零細商人のはずはないのだ。

「アルテリオか。やはり、その魔石が欲しいのかね?」

「ああ、私なら白金貨1万8千枚からスタートだな」

 男は、その大商人らしき人物と知己であるらしい。
 二人で魔石を見ながら、仲良さそうに話をしていた。

「白金貨1万8千枚! 珍しいけど、そんなにするのか!」

「ええと……。君は、この古代竜を倒した小さな勇者殿の友人だったかな?」

「同じ冒険者予備校の同級生です」

 エルは、アルテリオさんに自己紹介と挨拶をする。

「なるほど、そうだったのか。ブランターク、君の雇い主は良い冒険者を育てるのに熱心なんだな」

 鋭い目つきをしたロープを見に付けた黒髪の男の名前はブランタークという名前らしい。

「そいつも剣は良い腕しているぜ。騎士団の下っ端じゃあ、話にもならねえ」

「その若さでか。それは、素晴らしいな。おっと、この魔石の相場の話だったな。この魔導飛行船を動かしている魔晶石は、前に七千年の寿命を誇ったシナプス火山を住処とした老火竜の魔石を材料に作られている。大きさはこれの四分の一だったが、ロストテクノロジーである魔導飛行船を動かせるかどうかの瀬戸際だ。魔石はオークションにかけられ、王国の依頼を受けた政商が競り落としたのさ。その金額は、白金貨二百七十五枚だった」

 戦時の際には、戦艦クラスの働きが可能なこの巨大な魔導飛行船を動かせる魔石なので、その価値が日本円にして二百七十五億円というのは決して安くは無かった。

 前世の地球上にある国家が所持するイージス艦や原子力空母と比べれば遙かに安い金額と言えよう。

「じゃあ、その四倍の直径の魔石は?」

「ええとエルヴィン君だったよな。当然、最低でもそれだけはする。俺が〜からと言っているのは、これほどの大物ともなると絶対にオークションで競り落とされるからだ」

 このレベルの大きさの魔石は、隣国であるアーカート神聖帝国にも現存していないらしい。
 アーカート神聖帝国では、古代魔法文明の遺産である遺跡やダンジョンが多くあり、中からたまに現在の技術では到底製作不可能な大きさの魔晶石が出土するらしいのだ。

「しかし、今回はそのオークションさえ行われないだろうな」

 アルテリオという商人がそう独り言を言うと周囲にいる他の貴族や商人達もその意見に賛同して静かに頷き始める。

「あの、それって?」

「なあに、簡単な事さ。しかし、小さな勇者殿たちよ。お前さんたち、王都に付いたら色々と大変だぜ」

「大変なんですか?」

「ああ」

「あ・・・やべ」

「ルークどうかしたのか?」

「ファラたちがまだ馬車だったな。つうわけで戻るわ」

「・・・またね」

 馬車に戻るとアンデット竜を倒した俺を多くの人が歓声と共に出迎えていた。

「凄かったぜ」

 ここからでもアンデット竜が倒される様子がわかったようだ。
 冒険者たちは、アンデット竜の魔石が気になるようなので、魔石を出した。

「大きいですね」

 鈴のような澄んだ声が響く。
 高級な馬車から1人の執事に手をさしのばれ、出てきたのは身長120cm位の一人の白いワンピースを着た子どもであった。
 透き通るような胸元まで伸びたストレートに伸びた金の髪、澄んだ青い瞳、色白の肌、年齢相応の肢体の綺麗系の美少女である。

「先ほどは助けていただきありがとうございます」

 少女がスカートをちょこんと持ちこちらに頭を下げてきた。

「こちらも助かったからお相子だ」

 偶然、彼女の『魔法障壁』と同調して強力な『魔法障壁』を張ることができたのだ。

「私、スズネといいます」

「ルークだ」

「ルーク様」

「ルークで言い。スズネ様」

「私のこともスズネと呼び捨てで大丈夫です。お礼に私の乗っている馬車にお乗りください。歓迎しますよ」

 少女がニコリと笑みを浮かべる。
 俺たちは顔を見合わせ、少女の馬車に乗ろうとしたのだが、その時、馬車に影が差したのだ。



 主人公一行紹介 南部の住人の紹介 中央の住人の紹介
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