様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「このままでは、魔族は衰退する! 余は魔族の王国を復活させるのだ!」

 いきなり俺達に会いに来て、魔族の王国を復活させると宣言した魔王様(年齢十歳の少女)。
 正直なところ、好きにやってくれという感じだ。
 俺達が関わると内政干渉となりゾヌターク共和国政府を刺激するから、当然手は貸せない、貸す理由もないけど。

「建国ともなれば、将来的にはヘルムート王国やアーカート神聖帝国とも対等な同盟を結びたいところ。よって、今日は無心にきたわけではないぞ」

「下手に援助を受けると借りになってしまいますし、ゾヌターク共和国側が警戒するでしょうから……」

 宰相であるライラさんには、まともな判断力があるようであった。

「でも、どうして今なの?」

 ルイーゼは、今のこの時期に王国建国の宣言をした理由を訪ねる。

「魔族はこれまで、一万年以上も一国で安定した統治を行っていた。あまりの安定ぶりに魔族の本能が衰えてしまうほどだ。だが、ここで人間の国家が二つも確認された。これからの魔族には大きな変化が訪れる。いい点も悪い点も多かろうが、ゾヌターク共和国が正常な判断をする保証もない。よって、余達は立つ事にしたのだ!」

「国が二つあった方が、どちらかが生き残れるという現実的な理由もあります」

 この魔王様、十歳にしてはまともな事を言うな。
 女の子だから、ませているのかもしれない。

 宰相のライラさんも冷静である、今の魔族は女性の方が優秀なのであろうか?

「魔族が人間に滅ぼされる? そんな事があるのか?」

 魔族は全員が魔法使いで、魔導技術も人間側を圧倒していると思われる。
 どう考えても、人間に滅ぼされるとは思わない。
 むしろ逆を心配した方がいいであろう。

「魔族はご覧のとおり少子化で人口が減っております。一方、人間は数が増えるばかり。リンガイア大陸の開発が終われば、他の島や大陸にも勢力伸ばすでしょう。確かに魔族は魔導技術に優れておりますが、それも時間が経てば追い付かれるかもしれません。長期的な視野に立ち、今、女王陛下は立ち上がったのです」

「立ち上がったのだ」

 胸を張りながら、堂々と宣言する魔王様。
 だが、残念ながらまだ背と胸が足りなかった。
 志は立派だと思うんだけどなぁ……。

「でも、そんな急に独立できるの? 共和国の警備隊に鎮圧されて終わりじゃないの?」

 まあ、普通に考えればイーナの言うような結末になるよな。
 ゾヌターク王国には問題も多いけど、分裂するほど混乱していないのだから。

「独立などまだ先の話だ。余が生きている間には不可能であろう。だが、その根拠地を整備する事は可能! まあ、余達の活躍を見ているがいい」

「陛下、そろそろ家に戻る時間です」

「うむ、学校の先生が暗くなる前にお家に帰りなさいと言っていたからな」

「「「「「「「「「「あららっ!」」」」」」」」」」

 国家の独立云々言っていたような気がするんだが、学校の先生の言うことはよく聞く魔王様か。
 何というシュールな存在なんだ……。

「それではまた会おう!」

「失礼します」

 言いたい事だけ言うと二人は部屋を去り、俺達は彼女達の発言の真意について考え込んでしまう。

「あなた、これは危ないお話なのでは?」

 エリーゼが心配するのもわかる。
 この国では既に力はないと思われていた魔王が、俺達と会見した直後に共和国からの独立を図る。
 俺と、その後ろにあるヘルムート王国が魔族を分断させようと目論んでいる。
 そういう風に捉えられかねないからだ。
 ところが、そんな心配を一笑に付す存在がいた。
 新聞記者であるルミであった。

「心配いらないと思うっすけどね」

「おい、新聞記者。ここは、そういう陰謀があるって読者を煽るのが普通だろう?」

「うち、民権党の政治家の言いなり上司が多くて問題視されてるっすけど、これでも一応売り上げトップの新聞社っすから。イエロージャーナリズムじゃあるまいしって感じっすね」

「クォリティーペーパーだって言いたいのか?」

「それっすよ! それ! 自分、後輩達と違って、真面目に就職活動したんすから」

「「「俺達もしたんだよ!」」」

 ルミの言い分にモール達がムキになって反論した。
 真剣に就職活動をして全滅か……。

「第一、警備隊がまったく警戒していないっす! たまに不祥事で批判されるし、反軍思想の矢面に立ってある層に嫌われているっすけど、基本警備隊は優秀な人が多いっすよ」

 就職するにしても競争率が高そうだからな。
 公務員で収入も待遇も安定しているだろうから、優秀な人が集まりやすいのであろう。

「心配ないと言っておくっす」

「ならいいけど……」



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