様々な小説の2次小説とオリジナル小説

「ルーク上級伯爵、新しい遺跡の場所が分かった」

 俺達が屋敷で一緒に朝食を摂っていると考古学者のアリオストが姿を見せる。
 一緒に食事とは珍しい事もあるものだなと彼の分も準備させると突然新しい遺跡の探索について話を始めた。
 まだ開発の手は入っていないファブレ上級伯爵領にはよくある広大な平原の地下にあると彼が地図を指差しながら言う。

「でもよ、戦力がないぜ」

 俺、リッド、カルラの3人だけである。

「導師を呼ぶか」

 講演活動に忙しい導師を誘えば、安全度は確実に増すな。
 ブランタークさんを呼ぶ選択もあるが、彼は子供の世話で忙しいので除外である。

「後、バウマイスター上級伯爵領にもあるんだけど、どうする」

「そうだな。伝えておくか」

 手紙を書いて、遺跡の場所を伝えておいた。
 後は、ブライヒレーダー辺境伯に職人のお見合い大会をするので人手を集めるように頼むぐらいか。
 後は、誰に持たせるかだが、アルスとハヤテの2人に頼んだ。

「僕達ですか?」

「ああ」

 アルスには、婚約者と護衛付きでブライヒレーダー辺境伯に手紙を届ける役目である。
 ハヤテにも護衛付きでヴェルに手紙を届ける役目である。

「アルスの場合は、顔合わせだな。ハヤテは、手紙さえ届けてくれればいい」

 俺は、導師に依頼を出した。

「丁度、退屈な講演だったので助かったのである」

 遺跡の調査と講演、どちらが国のためになるかで云えば、間違いなく遺跡である。



 翌日。
 俺達は現地に到着し、地下遺跡があるとされる草原を見渡した。
 何も見つからないが、もし何か目印があれば俺が子供の頃に見つけていたはずだ。
 地下遺跡はアリオストの情報どおり、完全に地下に埋まっているのであろう。

「この辺だな」

 地下遺跡なので、まず発掘をしないといけない。
 俺は、土魔法で地面を掘って地下遺跡の痕跡を探し始める。
 トンネル並に苦労するかと思ったが、地下遺跡入り口の発掘作業は一時間ほどで終わった。
 運良く、すぐに入り口があるポイントを引けたからだ。

「何か、ボロいのな……」

 俺達は、掘り当てた入り口から『探知』で探りながら地下遺跡の中に入る。
 先頭のリッドは、カビ臭い地下遺跡の空気に顔を顰めさせていた。

「中は全滅であるな」

 この地下遺跡は、ハッキリ言って外れであった。
 トンネルのように高度な『状態保存』がかかっておらず、中はボロボロで朽ち果てている。
 元が何であったのかもわからないほどの荒廃ぶりだ。

「それでも、何かあるかもしれないな」

 全員で半日かけて地下遺跡内を探索するが、一万年の歳月とは残酷である。
 中にあった物は、腐るを通り越して埃やカビとなっていた。
 地下遺跡とは、本来こういうものがほとんどなのだそうだ。
 今まで俺達は運がよかった……悪かったとも言えるか……。

「あの・・・これなのですが」

 カルラが大きな部屋のある一点をさす。

「この壁の装飾が崩れていて、その中に綺麗な玉があります」

「そうだな」

「結構、綺麗だな」

 おれが玉に触れるのと同時に突然、地下遺跡が揺れて俺の前にある壁が上にせり上がっていく。

 どうやら、カルラが見つけた玉は隠し部屋を開けるスイッチだったようだ。
 装飾の小さな像に隠されていた玉は、特殊なスイッチであった。
 魔法使いが魔力を送ると、それに反応して隠し部屋への扉が開く仕組みになっていたのだ。
 魔法使いが魔力を送らないと発動しないし、なかなか『探知』にも引っかからない種類の魔道具であった。
 スイッチの玉は壁の装飾品である小さな像の中にあり、これは像が経年劣化して崩れていなければ誰も玉の存在に気がつかなかったはずだ。

 しかも、魔法使いが触らないと反応しない。

「さてと、奥の部屋は……ゲッ!」

 隠し部屋はかなり広く、その奥には金色の輝きが見える。
 お宝部屋であり、大量に金貨や宝石、高価なアクセサリー、装飾された剣、美術品などが見えた。
 部屋の状態も悪くない。
 どうやらこの地下遺跡の持ち主は、一番大切なこのお宝部屋のみを厳重に保管していたようだ。
 その前には全長三メートルほどのドラゴンの像が置かれていた。
 これに見覚えがあった俺は、瞬時に意識を戦闘モードに切り替え、カルラを後ろに下がらせる。
 直後にドラゴンゴーレムが咆哮をあげ、俺達はそのままなし崩し的に戦闘に突入するのであった。

「性能的には、帝国でニュルンベルク公爵が使用した量産タイプか……」

 ドラゴンゴーレムとの戦闘が始まったが、俺はまだ攻撃を開始していない。
 『魔法障壁』を展開し、相手の出方を待った。
 ついでにドラゴンゴーレムの戦闘能力解析も行っている。

「体が小さい分、装甲に混ぜてあるミスリルの比率は少し高め。ブレスの威力は低めだが、小回りが利くな」

 小型のドラゴンゴーレムは、今までに対峙したドラゴンゴーレムに比べると機動力が高い。
 低空を飛行しながら爪で俺達を引き裂こうとしたり、滞空したままでブレスを吐いたりした。

 シュ キン

 カルラの弓矢の攻撃は、ドラゴンゴーレムに当たるとはじかれた。

「エネルギー源は、あの台座か……」

 派手に攻撃を加えると一定の間隔で台座の上に座る。
 使用した魔力を、あの台座に設置された魔晶石で回復させているのであろう。
 まるで携帯電話の充電器のようである。

「ルーク!」

 ドラゴンゴーレムの騒音と魔力に気がついた導師とリッドが慌てて飛び込んできた。
 導師もドラゴンゴーレムの性能を分析し、

「魔導機動甲冑」

 を展開し、高速飛翔でドラゴンゴーレムを倒していた。
 地下遺跡の探索は終了した。
 俺達は、お宝を回収し、アリオストはルーペで地下遺跡の壁や床を観察し続けるのであった。



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