様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 講和を終えた2週間後。
 王城にて多くの貴族達に囲まれた戦勝パーティーなどを終えて、俺達はヘルタニア渓谷に赴いた。

「しかし、なぜ王城で戦勝パーティーなんだ? むしろ王国軍は……」

「リッド、それを言ってはいけない」

 王国軍の先遣隊が無様に負けた事実は、もう口にしてはいけないのだ。
 そこには、国家としてのプライドもあるのだ。
 その代わり、俺達が内乱で大活躍し、後に合流したフィリップとクリストフも活躍して王国と王国軍の威厳が保たれた。
 その事実こそが重要なのだ。
 メンバーは昨日と変わらなかった。
 
「・・・へえ〜・・・」

「増えたね」

「そうだな」

 どうやらレンブラント男爵が移築させたようだ。

「お館様、お戻りだったので」

 振り向くと二つの人影があった。

「ああ、ただいま。フェリクス、モーリッツ」

「無事なご帰還何よりです」

「仕事は慣れた?」

「はい、実家の手助けのおかげで多少なりともなれました」

「そうか」

「モーリッツは」

「はい、私の方も問題ありません」

「税収などの紙ですが」

 フェリクスがハヤテに税収などの紙を手渡していた。
 俺は、ハヤテから税収の紙を受け取り、魔法の袋に入れた。

「ご苦労だった」

「「はっ」」

 ヘルタニア渓谷の視察をある程度行った。
 カルラがお茶をいれ、ハクカがお菓子を用意し俺たちは一服してからファブレ伯爵領に向かうことにした。

「みんな、待っているな」

 政庁の前まで行くとハイン以下の家臣達が出迎えてくれた。
 しかし、この一年でファブレ伯爵領も少しは発展したものだ。

「お帰りなさいませ、お館様」

「ただいま、ハイン」

 もう一人、俺がよく顔を見知った人物が姿を見せる。

「アンディ兄さん!」

「久しぶりだね、ルーク。帝国の内乱では活躍したと聞いたけど」

 一年ぶりに会うアンディ兄さんは、やはりイケメンのままであった。

「気苦労も多かったですけどね。それよりもアンディ兄さんはなぜファブレ伯爵領に?」

「お手伝いさ」

 王国の肝いりの東南方ファブレ伯爵領の開発において、領主が帝国内乱に巻き込まれて一時行方不明になるという事態が発生した。
 その隙を狙ってかは知らないが、妙な貴族が複数蠢動しようとしたので、陛下がアンディ兄さんに手伝いを命じたそうだ。
 この一年半ほどファブレ伯爵領に出張してハインやスズネの補佐をしてくれたらしい。

「最初はそれなりに仕事をしていたんだけどね。ルークが健在で内乱で活躍中という報告が入ったら、妙な連中は大人しくなった。ルークが戻って来た時に手を出している事がバレると報復されると思ったようだよ」

 ここ暫く紛争くらいしかない王国において、本気の戦争で大量に敵兵を討った俺達は畏怖の対象になっているそうだ。
 隙を突いて人の財布に手を突っ込もうと考えるような輩からすれば、俺とヴェルはエドガー軍務卿やアームストロング伯爵以上に怖い存在に見えるらしい。

「貴族は戦争で勝つと尊敬され恐れられるからね」

「逆に負けると大変ですね」

 負けて評判が落ちたのは、天地の森と魔の森で諸侯軍を壊滅させた先代ブライヒレーダー辺境伯と先々代ブライヒレーダー辺境伯か。当代がパルケニア草原でブランタークさんを貸したことでその評判を回復させている。

「無様に惨敗したレーガー侯爵家は、役職を世襲出来なくなるだろうね」

 強行に出兵論を主張して、王国軍に多大な被害を出した。
 挙句に当主が戦死して、家中は混乱の極地にあるそうだ。
 このままだと軍務卿の役職が回ってこなくなる可能性があるそうだ。

「逆に敗残兵を纏めて内乱で活躍したブロワ兄弟は王宮で評判がいいね」

 レーガー侯爵からの失態を上手く補ってくれ、帝国上層部から名将だと評価されている。
 法衣貴族ながらも世襲職が与えられることがほぼ決まっているそうだ。
 えらく王宮の情報に詳しいと思ったが、アンディ兄さんはルックナー財務卿派閥だ。
 そこからの情報なのだろう。

「一戦の結果で、評価が乱高下ですか」

「貴族は戦争に強くてなんぼという考え方だからさ。そんなわけで、今のファブレ伯爵領に表立って手を出す貴族はいないね。私はとても楽が出来たよ」

「アンディ様には手伝っていただき感謝しております」

「ハインは、優秀な家宰だよね。我が家も欲しいぐらいだよ。最もうちの規模だとさほど仕事がないんだよね」

 アンディ兄さんは、法衣貴族なので、在地貴族より仕事が少ない。
 というか、職務は主に貴族本人が行い、家臣たちはその補佐という役割分担なので任せる仕事が少ない。

「私ももう少ししたら王都帰還かな」

「アンディ兄さんありがとうございます」

「陛下からの命令だから気にしなくていいよ。それに王都には定期的に帰還できていたから問題ないよ」

「ルーク様」

 アンディ兄さんと話しているとスズネが姿を見せた。
 久しぶりに見たスズネは、綺麗に成長していた。

「ただいま、スズネ」

「はい、おかえりなさい」

 俺の挨拶にスズネが花開く笑顔で挨拶をしてきた。
 俺は、その姿に見惚れながら、気が付くと

「ルーク様」

 無意識にスズネを抱きしめていた。

「こうして、君に会えた。俺は・・・」

「はい」

 スズネも抱きしめ返してくれた。

「私たちもいるんだけどね」

 すっかりカヤの外に置かれたファラたちであった。

「ファブラブルクをご案内しますね」

「ああ」

 スズネに手を引っ張られ、ファブラブルクの視察を行った。

 船大工の家が増えていた。
 魔導飛行船工房に赴き

「これは、ルーク様。無事のお戻り歓迎いたします」

 職人たちが手を休め、お礼を言った。

「ただいま」

「つきましては・・・」

「分かった。確かに必要だな。ヴィルマ、悪いけど後で手伝って」

「うん」

 ヴィルマがうれしげに頷いた。それ以上に職人たちがうれしそうだった。
 魔導飛行船を作ったはいいが、飛行できないので困っていたそうだ。

「まだ、視察が残っているから、するとしたら明日からだ」

 天地の森の街1に視察に行く。

「・・・なるほど」

「増えました」

 どうやらわが世の春と言わんばかりに魔物の数が増えたようだ。

「リッドたちがいなくなった弊害が出ていたとは」

「それと領内の動物たちも増えていますね」

「ある程度間引きが必要か」

「最近は、動物たちが連携を組んでいるので割りと難易度が上がっていますね」

「だってよ。領主様」

「当面は、リッド従士長とファラに任せるよ」

「カルラさんはどうするの?」

「よろしいのですか」

「ああ」

「ありがとうございます」

 カルラさんがうれしげに言うので退屈だったんだろうな。



 主人公一行紹介

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