様々な小説の2次小説とオリジナル小説

 地下要塞で、魔族とニュルンベルクの討伐を終え、魔道具の確保が終わった。
 ペーターは、大半の帝国軍を解散させ、戦功の計算が終わり次第、帝国貴族たちに戦功に応じた金銭や領土の加味などを伝えた。数が膨大なため戦功に応じた支払いは、戦功が高い者から順番だと伝えていた。
 俺たち、王国軍とミズホと一部の帝国軍は、帝都に凱旋することになった。
 帝都の凱旋は、ヴェルに船長達を連れてきてもらい、『大型魔導飛行船』での凱旋となった。
 帝国の内乱の後始末は未だに終わっておらず、俺達の恩賞も決まっていない。
 ヴェルも、また『瞬間移動』が使えるようになったので、

「なあ、行かないのか」

「陛下の報告は、シュルツェ伯爵を連れて行けば事足りるだろう」

 いちいち、七面倒な報告のために王城に行く機は皆無である。

「ルークは、まだ使えない?」

「ある程度は回復したが、瞬間移動はまだ使えないな」

 講和が終わってから俺たち王国組は、帰還だそうだ。



「やれやれ、ヴェンデリンも困った事をしてくれたね」

「そうか?」

「言ってみただけだけどね。意外と多いんだよ、ヴェンデリンへの非難が」

 帝都に帰還して1週間後。
 忙しそうに働くペーターが俺たちを呼び出した。
 用件を聞くとヴェルが反乱軍の兵士達を降伏させる時にニュルンベルクの首を切り落として曝さなかった事が問題になっているようだ。

「もっと他に問題もあると思うけど……」

 ニュルンベルクの首はいらないと思っていたのに結局彼を討ったのは俺達であったという件もだ。
 勲功第一位が外国人である俺達になってしまったので、嫉妬と引き降ろしを兼ねての非難という側面もあるのであろう。

「ヴェンデリンがニュルンベルクの遺体を丁重に扱ったからこそ、大半の反乱軍は素直に降伏してくれた。もし首を曝していたら彼らは暴発していたかもしれない。でも、その処置を温いという貴族も多くてね。本当に皇帝の座は面倒の塊だね」

 彼らからすればニュルンベルクはいい主君であったから、その遺体を丁重に扱った帝国軍にすぐに降伏してくれた。
 俺達を非難している連中も、それはわかっているはず。
 ところが、彼らからすればニュルンベルクの家臣達は暴発してくれた方がよかったのだ。
 討てば勲功になるし、降伏した彼らが帝国軍に吸収されれば自分達の席が減るという現実もある。
 今の帝国軍は、かなり無理をして編成されている。
 その再建に優秀な人材が多い旧ニュルンベルク諸侯軍の軍人達は必要というわけだ。

「皇帝の座は、自分で望んだんだろう?」

「まあね」

「帝国軍の回復には時間かかりそうだな。前と同じだけの兵力だっけ」

「元の帝国軍と同等の兵力は必要だからね」

 ヘルムート王国とのバランスが必要になるのだ。
 ヘルムート王国の兵力は、空軍は、2年前と比べて2.5倍ほど増えているのだ。陸軍もパルケニア草原やヘルタニア渓谷の防衛で1.2倍ほど増えているのだ。パルケニア草原の場合は、完全に開拓されれば兵士も大量に増えること間違いないのでパルケニア草原のポストが欲しい陸軍は実に真面目に警備が行われていた。
 
「それで、用事は報酬に関してなんだけどね」

 帝国の財政は、思ったよりは悪くないのだそうだ。

「ニュルンベルクや反乱軍に積極的に与した貴族の領地と財産を没収したからね。帝都から持ち去った財貨や物資も大半が確保できたし」

 ペーターがテレーゼを強制引退させた時に前皇后達につこうとした無能な貴族達の財産や領地も没収している。
 以上のような理由で、俺たちへ払う報酬は確保できるそうだ。

「ヴェンデリンへの報酬は、20年分割でね」

 ペーターがヴェルに紙を手渡していた。

「俺たちの報酬は?」

「はい、紙」

 戦功(ルーク)
 討伐 2881億1520万セント
 従軍 32億2560万セント
 障壁突破 57億6千万セント

 戦功(ハクカ)
 怪我人の治療 43億2千万セント
 従軍 32億2560万セント

 戦功(ミュウ)
 討伐 3億4560万セント
 従軍 1億321万9200セント

 戦功(ヴィルマ)
 討伐 115億2千万セント
 従軍 1億321万9200セント

 戦功(セイ)
 帝都防衛 4億6080万セント
 従軍 129億240万セント

 戦功(キャロル)
 討伐 3億4560万セント
 従軍 1億321万9200セント

 戦功(リッド)
 討伐 3億4560万セント
 従軍 13億4400万セント

 戦功(ファラ)
 討伐 3億4560万セント
 従軍 13億4400万セント

「ルークたちの報酬は、ヴェンデリンほど多くないけど、20年分割だからね。利子代を含めて合計1兆7千億セントだよ」

「王国組の報酬は」

「そっちは、ヘルムート王国と講和した後で、払うよ」

「現金ではなく、別のもので支払うと」

「人数が多すぎるからね。それにヴェンデリンたちほどの戦功は上げているわけじゃないからね。まとめてヘルムート王国に交易講和したほうが早いんだよね」

「分かった。陛下にはバウマイスター伯爵が伝えてくれるはずだ」

「俺かよ」

「俺は、瞬間移動、使えない」

「まだ、影響が出ていたのか」

「ああ」

 戦後復興と新しい経済政策も実行するので予算の確保は必須のようだ。

「その気になれば貨幣を製造すれば一括でも払えるけどね」

「払ってくれるならいいけど」

「払うよ。払わないとヴェンデリンやルークが王国軍を率いて押しかけてきそうだし」

「俺はそんなに野蛮じゃない」

「ヴェンデリンがそう思っても、家臣達が許せなくてそういう事になるケースって多いから。王国が侵攻の理由にもしかねないしね。ちゃんと王国との講和の席でも約束するから」

「律儀なのな」

「国や貴族同士の交渉では、表面上は誠実さは必須だよ。勿論裏ではドロドロだったりするけど。早くヘルムート王国と講和を結んで、交易の規模の拡大に戦後復興もしないといけないしね。予算は何とか確保できそうだし、帝国は直轄地が増えて中央の力が増した形になった。期せずして、ニュルンベルクの政策が彼の敗北でかなえられたわけだ」

 俺もヴェルもペーターも何という運命の皮肉だと思ってしまう。

「ニュルンベルクが最後に語った話はテレーゼ殿から聞いた。あの貴族のお手本のようなニュルンベルクが貴族になりたくなかったなんて。ああいう有能すぎる人も考えものだね。装うのが上手すぎる」

「その無茶が、彼を勝ち目のない内乱に導いたとも言える」

「無意識下の破滅願望か……。人間とは本当に複雑だね。ところで……」

 これ以上ニュルンベルクの話を続けても仕方があるまいとペーターは別の話題を振ってくる。
 まずは俺たちの帝国領内の移動についてであった。

「自分と家族と護衛くらいなら問題ない。軍勢を連れて移動されると問題だけど」

「『瞬間移動』では、軍勢の移動は無理だよ」

「ならいいさ。交易についてだけど、一部禁輸品を除けば直轄地では帝国の法に貴族領ならその貴族家が制定した法に従っての購入だね。関税とか、かけている貴族領もあるから」

 両国共に貴族領とは一種の自治領なので、関税を掛けるか掛けないかは領主が決めている。
 とにかく収入が欲しいので普通に掛ける貴族、それよりも流通量が増える事を重視しているので掛けていなかったり、極端に関税が低い領主と貴族ごとに、それぞれというわけだ。

「それは王国と同じだな」

「あとは、王国との講和案の草案をヘルムート三十七世陛下に届けて欲しいかな。今、専門家に作らせているけどね。それを元に条件のすり合わせもあるだろうし」

「わかった」

「戦後処理の多さに眩暈がするね。なるべく早く皇帝選挙も行わないと駄目だし」

「選挙をするのか?」

「他に立候補者がいないから、ただの信任投票だけどね」

 今回の内乱後、選帝侯家で生き残ったのはわずか二つ、それにミズホ伯国も加わるが、彼らは皇帝選挙には永遠に出馬しないと宣言している。

 結局、ペーターしか立候補しないので、選挙はただの信任投票になってしまうそうだ。

「選挙をする意義は、形式だけなんだろうけど」

「世の中には、形式を重んじる人が多いけどな」

「そういうわけさ」

「所で選帝侯家は増やすのか?」

「今回で帝国の再編は必要だからね」

「まだ決めかねていると」

「確実に功績があるのがフィリップ公爵家とバーデン公爵家とミズホ公国ぐらいだからね」

「他はひどいからな、よくてもギルベルト将軍とかその辺ぐらいしか功績ないな」

「そういうこと・・・功績次第なら選帝侯も考えるんだけどね」

「3つしかないなら北方はフィリップ公爵家と北西は、ミズホ伯国。北東はバーデン公爵家かな。南方と中央と西方は皇家しかないよな」

「さすがに全て皇家が独占するわけにいかないかな。功績があった貴族に領地を加増したり与えたりするよ。その筆頭がミズホ伯国、次点でフィリップ公爵家、最後にバーデン公爵家の領地が加増されるかな」

 ペーターの元を辞した俺たち。
 俺とハクカは、商業街にある一軒の喫茶店へと向かう。

「ここの新作ケーキが美味しいらしいよ」

「それは楽しみだ」

 俺は紅茶でハクカはマテ茶、一緒に新作ケーキも二つ頼む。
 出て来たケーキを食べると、とても美味しかった。

「このレアチーズケーキの上に乗っているリンゴのソースが絶妙だな」

「北方の特産品みたいだよ」

 この世界でもリンゴは寒い地方の特産品であった。
 これも是非とも輸入したいものだ。

 翌日。
 ヴィルマとデートしたのであった。
 デートという名の買い食いだけどね。

「これ、全部ください」

「全部ですか。少々お待ちください」

 りんごケーキなどをヴィルマが食べた。
 例のストローでジュースを飲む場所にも行き、少しだけ顔を赤くしてジュースを飲んできた。
 
 翌日。
 ミュウとデートした。

「ルーク、こっち」

「ああ」

 ミュウに手を握られていった。
 例のリンゴケーキや服などを見に行ったりした。

 翌日
 セイとデートをした。

「ハクカちゃんやヴィルマちゃんやミュウちゃんの言うとおりおいしいわね」

「そうか」

 再びストローでジュースを飲み、お互い顔を赤くしながらジュースを飲んだ。
 帰り際、セイが俺の腕に手を絡めて、歩くことになった。
 俺は、セイの柔らかな胸に赤面しつつ、終始無言で歩くことになった。
 その後、セイの洋服選びに付き合うのであった。



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